転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを

なつのさんち

文字の大きさ
152 / 243
第九章:事業拡大

藍吹伊通り一丁目

 福乃は諸々の説明を終えると事務所を出て行った。伊吹が諸々の件を了承した事を宮坂家へと報告しに行くのだそうだ。

「やっと正式に婚約が成立したね」

 ニコニコ顔の伊吹いぶき藍子あいこの髪を撫でる。

「そうだけど、そうなんだけど……」

 藍子自身ももちろん喜んではいるが、まだシャワーを浴びていないのを気にしている。

「お兄さん、あんまりあーちゃんをイジメないで。
 それに、ほら、私はちゃんとシャワー浴びてから来たし……」

 密かにアピールする燈子とうこを抱き寄せ、首筋に顔を埋める伊吹。
 二人が正式な婚約者という扱いになり、将来的に結婚するつもりでいる幼馴染がさらに二人いる。そして、その四人以外にいつでも抱く事が出来る女性が四人いる。

(ようやく異世界転生ハーレムの始まりかぁ)

 そして膨大な土地と付属する建物を譲り受け、なおかつYourTunesユアチューンズから大金が振り込まれる予定であり、世界中を熱狂させるであろう楽曲作りも進行している。

 もう自分はこの世界の神なのかも知れないと、伊吹は有頂天になっている。

「藍子、シャワー浴びてこいよ」

「ひゃっ、ひゃい!!」

 勢い良く立ち上がり、藍子が事務所を飛び出て行く。

「今の言い方はちょっとキツいんじゃない?」

 燈子が伊吹に対して苦言を呈する。伊吹の意図した事と、燈子の受け取り方とで乖離が生じているようだ。
 燈子の耳元に顔を寄せて、囁くように伊吹が話す。

「今からお前を抱くから、シャワー浴びて来いよって意味だよ」

「ぴぃっ!?」

 燈子が身体を縮こめて驚いている。視線がぐるぐると空中を彷徨い、そして伊吹へ告げる。

「きょ、今日は今から大学に行かないと……」

「あー、そっか。大学じゃ仕方ないね。
 分かった、じゃあ今夜はどう?」

「明日の授業は午後からだから、その、大丈夫」

 藍子がどう受け止めてシャワーへ向かったにせよ、藍子だけを先に抱くのは違うかなと伊吹は思い、燈子の予定を確認した上で、今夜に二人を抱くと決める。

「早急に新しい住居を用意しないとですね。
 九人が同時に横になれる寝室と、奥様方それぞれの個室。美子よしこさんと京香きょうかさんのお部屋に、奥様方のお世話を担当する侍女の待機部屋。
 さらには御子がお生まれになった際の子供部屋に、全員で食事が出来る大きな食堂。
 使い勝手の良い台所に、お風呂も大きくないとですね」

 さらに智枝ともえは以前伊吹が語っていた際にメモをした、欲しい設備を読み上げていく。

「露天風呂と屋上のプールはダメです。警備の都合もありますが、後付けで作れるとは思えません。

 屋上でバーベキューが出来る場所を作り、サウナの小屋を建てて、ジャクジーを設置するくらいなら可能かと思います。
 ただし、周りを高い壁で囲む事になると思いますが、近くに高いビルがある場合は諦めて下さい。

 クレーンゲームやアーケードゲーム機などの開発は紫乃しのさんの方で進められているそうですし、回転寿司や焼肉テーブルなどもみどりさんの方で進められています。
 琥珀こはくさん、トランポリンという設備についてはどうなりましたか?」

 ここぞとばかりに執事らしさをアピールしながら、智枝が尋ねる。

「室内に設置するとなると相当な高さのある部屋を用意しないとダメだという事が分かりました。
 例えるならば小学校の体育館相当です」

「トランポリンは諦めて下さい」

 そこまで真剣に欲しいと思っていた訳ではない伊吹は、皆のやり取りに苦笑いを浮かべる。

「福乃様から頂いた地図と建物の情報を確認するのに時間が掛かります。
 住居とすべき建物をどれにするのか。VividColorsヴィヴィッドカラーズの事務所はここから移動させるのか、それとも住居と同じ建物にするのか。

 考えなければならない事が多々ありますので、私の方で一度確認し、条件の良さそうな物件をご主人様へ提出するように致します」

 智枝が良さげな物件をある程度選定し、伊吹がその中から決める、という事になった。

「VividColorsの関連会社の従業員達にはこの区画内のマンションへ引っ越してもらうようにしましょう。
 三ノ宮家さんのみやけの侍女専用のマンションも考えた方が良いですよね?」

 智枝が福乃から渡されたファイルを見ながら話を進める。美子が侍女の人数は十五人ほどだから専用でなくとも問題ない、と答える。

「区画内の食料品店やコンビニや病院、その他生活に必要な店などは関連会社として買収してしまう方が良いでしょうね。
 現在は清掃やクリーニングを侍女の方々に手伝ってもらっていますが、今後は手が足りなくなるでしょうし」

 智枝としては宮坂家から譲り受けた区画内を伊吹の関係者のみで全て賄えるようにしたいと考えている。上下水道やガス・電気と福利厚生として見れば、警備を必要以上に厳重にするよりかは現実的である。
 そして何より、伊吹が外を出歩く際の安全性が増す。

「この区画とか譲り受けた区画とか言いにくいから、この区画を藍吹伊通あぶいどおり一丁目と呼ぼうか。
 身内だけの呼び名って事で」

 智枝が由来を確認しようとしたところ、濡れた髪をタオルで拭きながら藍子が事務所へ戻って来た。

「た、ただいま戻りました!」

「ごめん、あーちゃん。私今日授業があるから、夜までお預けになっちゃった」

「えっ!? そ、そうなんだ」

 ふーん、へー、と冷静を装う藍子を見て、燈子は伊吹がシャワーを浴びるように言った意図を正確に理解していた事を察する。

「まぁまぁ、とりあえずちゃんと髪の毛乾かそうか」

 伊吹は自分の隣に藍子を座らせ、メガネを取って、タオルで髪の毛を拭いてやるのだった。
感想 23

あなたにおすすめの小説

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!