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第十章:イチャイチャほのぼの
宮坂琥珀
伊吹が琥珀と運動施設の開発などについて、改めて話し合いをしている。
「トランポリンは競技としては比較的簡単に始められる為、人気が出るように思います。競技服さえあれば良いですし、空高く跳ね上がるのも爽快感があります」
伊吹は何度かトランポリンの遊具で遊んだ事があり、簡単に始められるが奥が深いスポーツである事を知っている。
「そうそう、トランポリン以外の話になるんだけど」
「是非ともお聞かせ下さい、副社長のお話は何でも伺います」
伊吹はボルダリングについて説明する。一定以上の高さのある壁に色とりどりな石を模した出っ張りがあり、それを腕と脚だけで登っていく競技。
配色には意味があり、確か掴んで良い色を限定する事で難易度調整が出来る。
登る早さを競い、競技としても確立されていた。
下りる際は基本的に命綱を持ったまま飛び降りる。命綱の繋がる先に仕掛けがあり、ゆっくりと落ちるようになっているはず。
一時間いくらの利用料を取っていると思うが、伊吹が実際にボルダリングに挑んだ事がないので詳しくは分からない事。
「ある一定以上の高さのある天井と壁。トランポリンとボルダリングは同じ施設内で運営出来そうですね」
「そうだね。良いと思う。それとまた思い出した」
伊吹はボーリング場について説明をする。重さのある石で出来たボールを、油を塗って滑りやすくした床を転がし、十本の的に当てて倒すゲーム。
これ以上入らないようにと引かれた線があり、そこから約二十メートルほどに的が置いてある。
的の置き方は一本、二本、三本、四本の計四列十本で、一枠につき二回ボールを投げる事が出来る。十枠まで投げる機会があり、十枠については三度投げる事が出来る。
十枠全てで倒した的の合計を競う。一度に全て倒した場合は次の枠に合計される。二度目で全て倒した際も次の枠に合計される。最高得点は三百点なので、詳しい計算方法についてはそちらで探ってほしいと伝える。
「なかなか面白そうな遊戯ですが、的を立てる手間が掛かりますよね?」
「それは専用の機械があったね。的はビール瓶に似た形をしていてピンと呼んでた。倒したピンは後ろに押し流されて、自動で整理される。すでにもう一組のピンが用意されてて、すぐに立てられるようになってたね」
「という事は、ピンは合計二十本あるという事ですね」
思い出しながら人に説明するのは難しい。
琥珀は伊吹の言葉を受けて頭で想像して組み立てるのが上手い。中途半端にしか覚えていない伊吹の知識からでも、想像で補完して正しいか伊吹へ確認してくれるので、伊吹としてもさらに詳細に思い出す事が出来る。
「計算も自動でしてくれて、ボールを投げる場所の上にモニターが用意されてた。それとレーンには左右に溝があって、そこに落ちると真っ直ぐ溝を伝って向こうへ流れて行く。ガーターって言ってたね。ガーターに入るとピンは倒せない。
レーンの間に仕切りみたいな盛り上がりあって、そこの下が空洞になってて投げたボールがそこから返って来る。で、皆が座ってる場所にもモニターがあって、投げたボールがピンを弾くところが見れたり、皆のスコアが確認出来たりしたよ」
「ボーリングと併設出来る遊戯では何がありますか?」
「ビリヤードとダーツだね。これはこっちにもある?」
「ええ、ございます。ビリヤードやダーツも機械化されていたのですか?」
「ビリヤードは完全にアナログだったと思う。そんなにやった事ないけど、ビリヤード台の周りに機械があるイメージがないな。
逆にダーツは完全に機械化されてて、刺さると自動的に得点が表示されるんだ」
伊吹はこの世界で生まれてから、出来るだけこの世界で伝わる言葉遣いを心掛けて来た。
特に横文字を使う事が比較的少なく、英語由来のカタカナなどは言葉にしても伝わりにくい。モニターやイメージやスコアなどがそうだ。それぞれ画面、印象、得点であれば伝わりやすい。
琥珀は伊吹が何を伝えようとしているかを重要視する。伝える言葉はこちらで察するので、思うように話してほしいと訴えた為、琥珀相手であれば遠慮なく脳内に浮かんだ言葉をそのまま吐き出す事が出来る。
琥珀宮坂家当主の娘であるが、同じ母親を持つ藍子と燈子、そして福乃の娘である紫乃と翠のように、同じ母親を持つ姉妹がいない。
それは母親が琥珀を産んだ後に男児を産んだ為である。男児が生まれた後は、一般的には子供を作ろうとしない。男児を育てる事で手一杯になるからだ。
弟が生まれた段階で、琥珀は福乃に預けられた。小さい頃から紫乃と翠と共に育って来たが、自分自身に対して何を求められているのかを敏感に感じ取り、応えられるようにならないとと思って生きてきた。
伊吹が思った事をそのまま吐き出しても伝わるのは、琥珀が必死に感じ取ろうとしているからである。
琥珀が察して行動しないと、自分自身に価値がなくなってしまう。琥珀はそれを恐れている。
「琥珀、ちょっと休憩しよう」
ぽんぽんと膝を叩いて自分を見つめる伊吹に対し、琥珀はここに座れと言っているのだと判断する。
が、伊吹の上に自分が座って良いのだろかと考えてしまい、反応が遅れてしまう。
「ほら、ここに頭乗せて」
伊吹が求めていたのは、膝枕だった。しかも、琥珀がされる方だ。
判断が遅れた為、伊吹を待たせてしまった事から琥珀は急いでソファーに横になり、伊吹の膝に頭を乗せる。
「よしよし、いつもありがとうね。
琥珀はすぐに僕が考えてる事を察してくれるから、ついつい甘えてしまうよ。
そんな伊吹からの言葉に、琥珀は何と返して良いか分からない。
「すごく助かってる。これからもよろしくね」
「えっと、はい……」
琥珀は知らぬ間に溢れていた涙を、伊吹に気付かれぬようそっと拭ったのだった。
「トランポリンは競技としては比較的簡単に始められる為、人気が出るように思います。競技服さえあれば良いですし、空高く跳ね上がるのも爽快感があります」
伊吹は何度かトランポリンの遊具で遊んだ事があり、簡単に始められるが奥が深いスポーツである事を知っている。
「そうそう、トランポリン以外の話になるんだけど」
「是非ともお聞かせ下さい、副社長のお話は何でも伺います」
伊吹はボルダリングについて説明する。一定以上の高さのある壁に色とりどりな石を模した出っ張りがあり、それを腕と脚だけで登っていく競技。
配色には意味があり、確か掴んで良い色を限定する事で難易度調整が出来る。
登る早さを競い、競技としても確立されていた。
下りる際は基本的に命綱を持ったまま飛び降りる。命綱の繋がる先に仕掛けがあり、ゆっくりと落ちるようになっているはず。
一時間いくらの利用料を取っていると思うが、伊吹が実際にボルダリングに挑んだ事がないので詳しくは分からない事。
「ある一定以上の高さのある天井と壁。トランポリンとボルダリングは同じ施設内で運営出来そうですね」
「そうだね。良いと思う。それとまた思い出した」
伊吹はボーリング場について説明をする。重さのある石で出来たボールを、油を塗って滑りやすくした床を転がし、十本の的に当てて倒すゲーム。
これ以上入らないようにと引かれた線があり、そこから約二十メートルほどに的が置いてある。
的の置き方は一本、二本、三本、四本の計四列十本で、一枠につき二回ボールを投げる事が出来る。十枠まで投げる機会があり、十枠については三度投げる事が出来る。
十枠全てで倒した的の合計を競う。一度に全て倒した場合は次の枠に合計される。二度目で全て倒した際も次の枠に合計される。最高得点は三百点なので、詳しい計算方法についてはそちらで探ってほしいと伝える。
「なかなか面白そうな遊戯ですが、的を立てる手間が掛かりますよね?」
「それは専用の機械があったね。的はビール瓶に似た形をしていてピンと呼んでた。倒したピンは後ろに押し流されて、自動で整理される。すでにもう一組のピンが用意されてて、すぐに立てられるようになってたね」
「という事は、ピンは合計二十本あるという事ですね」
思い出しながら人に説明するのは難しい。
琥珀は伊吹の言葉を受けて頭で想像して組み立てるのが上手い。中途半端にしか覚えていない伊吹の知識からでも、想像で補完して正しいか伊吹へ確認してくれるので、伊吹としてもさらに詳細に思い出す事が出来る。
「計算も自動でしてくれて、ボールを投げる場所の上にモニターが用意されてた。それとレーンには左右に溝があって、そこに落ちると真っ直ぐ溝を伝って向こうへ流れて行く。ガーターって言ってたね。ガーターに入るとピンは倒せない。
レーンの間に仕切りみたいな盛り上がりあって、そこの下が空洞になってて投げたボールがそこから返って来る。で、皆が座ってる場所にもモニターがあって、投げたボールがピンを弾くところが見れたり、皆のスコアが確認出来たりしたよ」
「ボーリングと併設出来る遊戯では何がありますか?」
「ビリヤードとダーツだね。これはこっちにもある?」
「ええ、ございます。ビリヤードやダーツも機械化されていたのですか?」
「ビリヤードは完全にアナログだったと思う。そんなにやった事ないけど、ビリヤード台の周りに機械があるイメージがないな。
逆にダーツは完全に機械化されてて、刺さると自動的に得点が表示されるんだ」
伊吹はこの世界で生まれてから、出来るだけこの世界で伝わる言葉遣いを心掛けて来た。
特に横文字を使う事が比較的少なく、英語由来のカタカナなどは言葉にしても伝わりにくい。モニターやイメージやスコアなどがそうだ。それぞれ画面、印象、得点であれば伝わりやすい。
琥珀は伊吹が何を伝えようとしているかを重要視する。伝える言葉はこちらで察するので、思うように話してほしいと訴えた為、琥珀相手であれば遠慮なく脳内に浮かんだ言葉をそのまま吐き出す事が出来る。
琥珀宮坂家当主の娘であるが、同じ母親を持つ藍子と燈子、そして福乃の娘である紫乃と翠のように、同じ母親を持つ姉妹がいない。
それは母親が琥珀を産んだ後に男児を産んだ為である。男児が生まれた後は、一般的には子供を作ろうとしない。男児を育てる事で手一杯になるからだ。
弟が生まれた段階で、琥珀は福乃に預けられた。小さい頃から紫乃と翠と共に育って来たが、自分自身に対して何を求められているのかを敏感に感じ取り、応えられるようにならないとと思って生きてきた。
伊吹が思った事をそのまま吐き出しても伝わるのは、琥珀が必死に感じ取ろうとしているからである。
琥珀が察して行動しないと、自分自身に価値がなくなってしまう。琥珀はそれを恐れている。
「琥珀、ちょっと休憩しよう」
ぽんぽんと膝を叩いて自分を見つめる伊吹に対し、琥珀はここに座れと言っているのだと判断する。
が、伊吹の上に自分が座って良いのだろかと考えてしまい、反応が遅れてしまう。
「ほら、ここに頭乗せて」
伊吹が求めていたのは、膝枕だった。しかも、琥珀がされる方だ。
判断が遅れた為、伊吹を待たせてしまった事から琥珀は急いでソファーに横になり、伊吹の膝に頭を乗せる。
「よしよし、いつもありがとうね。
琥珀はすぐに僕が考えてる事を察してくれるから、ついつい甘えてしまうよ。
そんな伊吹からの言葉に、琥珀は何と返して良いか分からない。
「すごく助かってる。これからもよろしくね」
「えっと、はい……」
琥珀は知らぬ間に溢れていた涙を、伊吹に気付かれぬようそっと拭ったのだった。
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