転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを

なつのさんち

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第十章:イチャイチャほのぼの

巽美哉

 伊吹いぶきは生配信を終え、入浴後のマッサージを受けている。
 今日の担当は美哉みやで、室内には二人きりだ。

「筋肉がちょっと固くなってる」

「やっぱり椅子に座りっぱなしだからかな」

「多分ストレスの方が多いと思う。緊張とか」

 優しく伊吹の背中を揉みほぐす美哉。直接顔を合わせていないとはいえ、何百万人に注目されながら安藤四兄弟というキャラクターを演じ分けての生配信は緊張して当然だ。
 伊吹も無意識のうちに、色々な箇所に力が入ってしまい、身体が固くなってしまうのだ。

「でも楽しいよ。美哉もやってみる?」

「無理。見られるのはいっちゃんだけでいい」

 美哉は元々、あまり自分から何かを主張する性格の女性ではない。
 伊吹の横にいて、伊吹が何かするのを眺めているのが好きな少女だった。

「美哉は安藤家あんどうけの配信、どう思う?」

 手は動かしつつも、言葉がすぐには出て来ない美哉。伊吹もそこまで本気で答えを求めている訳ではないので、しばらく無言が続く。
 しかし、この二人にとって無言は苦痛ではない。心で通じ合っている為、無言でいても気まずくなったりはしない。
 自分なりに答えが見つかり、ようやく口に出す美哉。

「どのキャラクターを演じてても、全部いっちゃんに見える。
 得意げで、真面目で、優しくて、自由気ままで、意地悪で、甘えん坊。全部いっちゃん。
 だから、安藤家っていうよりも、いっちゃんが喋ってる。だから好き」

 中の人である伊吹を知る美哉にとっては、ただキャラ絵を前面に出して喋っている伊吹でしかないようだ。
 伊吹は同じ質問を橘香にもしてみようと思った。

「でも、もうちょっとイラストをいっちゃんに似せても良かったかも。
 いや、ダメだけど」

 自分が見たいのはもっと伊吹に寄せた安藤家のキャラ絵だが、その伊吹の顔に近付けた安藤家のキャラ絵を世間に公表するのは嫌。
 難しい女心だ。

「仰向けになって」

 美哉の言葉に従い、伊吹が体勢を変える。もちろん全裸なので、全て丸見えだが今さらである。
 頭頂部から肩や腕や、手の平までも丁寧にマッサージをしていく。

「もう体調は良いの?」

「うん、終わったから」

 つい先日まで、美哉は月のもの、生理が来ていた。
 伊吹と美哉が結ばれてから初めての生理。実は美哉は少し落ち込んでいた。

「そう簡単に出来るもんじゃないね」

 伊吹の言葉に、無言で同意する美哉。
 初めての日からほぼ毎日抱かれていたのに、妊娠しなかった。伊吹の精液はしっかりと検査を受け、目立った問題はないという結果が出ている。

 同じく毎日一緒に抱かれている橘香には、まだ生理が来ていない。
 その事が余計に美哉を不安にさせる。

 もしかして自分は妊娠しにくい体質なのだろうか。それとも二人の遺伝的な相性が良くないのだろうか。
 もしかして、自分は伊吹に相応しく……。

「……っ」

 余計な事を考えている美哉の太ももが、忍び寄っていた伊吹の手により撫でられる。
 いやらしい手つきで、内ももの感触を楽しむかのように撫で回す。

「例え子供が出来なくても、僕は美哉が好きだし大切だし、愛してる。
 それで良くない?」

 美哉の大切な場所に触れるか触れないかの瀬戸際を撫でられている。
 子供を必要としているのではなく、美哉の身体を必要としている伊吹。

 もちろん身体のみを求められている訳ではない事を、美哉は十分に理解している。だからこそ、美哉を撫で回す伊吹の手を抵抗せずに受け入れている。
 伊吹に求められている事を実感し、美哉の身体は芯から熱を帯びてくる。

「それにたった一回で出来てたら、美哉はこれから何人の子供を生まないとダメなんだ?
 年に一回としても、三十人くらい?」

「えっ!?」

 さすがにそんなに生める訳がない。五十になってもお腹を膨らませている自分を想像して、笑ってしまう美哉。
 さすがにそれはあり得ない。

「例え男の子が生まれたとしても、僕は美哉を女性として見るからね。
 子供ばっかり見てないで、僕の事も構ってね」

「うん。そうは思ってるけど、子供の時のいっちゃんは本当に可愛かったから、ちょっと自信ないかも」

 伊吹にそっくりのちっちゃな赤ちゃんを想像してニヤけてしまう美哉。
 小さな口で一生懸命お乳を飲んでいた伊吹をおぼろげながら思い出し、マッサージする手が止まってしまっている。
 そんな美哉の手を取り、自分の身体に触れさせる伊吹。

「ほら、こんなに美哉を求めてる」

「……うん」

 美哉は求められるがまま、伊吹の上へ跨がった。
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