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第十一章:GoolGoalとのゴタゴタ
新しい代理人
「とりあえずこれで一旦幕引きだね」
藍子と福乃と紫乃、そしてメアリーが喫茶店から戻り、話し合った内容を伊吹へ伝える。
今回GoolGoalから派遣されたのは、ただの代理人ではなくYourTunesの幹部であり、自ら名乗り出てわざわざ訪日して来たとの事。
YourTunesの運営としては男性Vtunerの登場、それに伴うVividColorsの躍進に喜び、日々の配信を楽しみにしているのだが、GoolGoal本体はあまり良く思っていない雰囲気であると話していた。
そのYourTunesの幹部曰く、Alphadealの創業家当主である男性の妻が例のGoolGoalの幹部であり、自分の旦那様よりも活躍している男性が出現した事に驚き、しかもそれが日本人である事に対抗意識を燃やしてしまったとの事。
伊吹に対抗して自分の旦那をYourTunesへ出演させようと働き掛けたのだが、旦那様の機嫌を損ねてしまったという。
その八つ当たりとして振り込みを遅らせるよう指示を出して、今回のような騒動に発展したというのが真相のようだ。
結果的にその妻は、GoolGoal内での地位を落としてしまった。いくら男性の妻という立場があったとしても、不問にする事は出来なかったようだ。
「初めはちょっとした憂さ晴らし程度だったんだろうけど、あれだけの規模の企業グループを私情で動かしたんだ。罰くらい当たるさ」
あんた達も気を付けな、と福乃が女性陣に忠告する。皆が頷いてはいるが、そう言われて制御出来るほど女性の感情というのは簡単な作りになっていない。
ホルモンバランスのせいで感情が乱され、仕事上の不手際や行き違いが発生し、問題となってしまう事案はこの世界ではよく聞く話である。
ホルモンバランスを整える為に薬や漢方を飲むのが当たり前となっているが、それでも人間の心が完璧に制御出来る訳ではない。
今現在、伊吹を中心とした三ノ宮家、そしてVividColorsは上手く回っている。
それはほとんどが宮坂家の人間であるという事、そして宮坂家の元を辿れば三ノ宮家に行き当たる事が理由として挙げられる。
今後、伊吹が宮坂家以外の女性を妻に迎え入れた場合、この安定が崩れてしまう可能性がある。
その時上手く家中を調整出来るよう、燈子が福乃の薫陶を受けている最中なのである。
「で、YourTunesの幹部がこれを伊吹様に渡してほしいってさ」
福乃が預かっていた三つの盾と名刺を伊吹へ渡す。伊吹は盾には見向きもせず、渡された名刺を眺める。
名刺の裏面に日本語で、「いっしょにおしごとしたいです」と書かれていた。
「自分は安藤子猫だと言っていたよ。一生懸命日本語を覚えてる最中で、VividColorsが新しく動画共有サービスを始めるならぜひ声を掛けてほしいと言っていたよ」
「自分を売り込む為にわざわざ代理人に名乗り出たんでしょうか?」
「もちろんそれもあるだろうけどね。あれは恋する女の目だったよ。配信を通じて副社長に惚れたんだろうね。
運営元さえ虜にしちまうんだから、あと何人奥様が増えるか分かったもんじゃないね」
福乃の発言に対し、藍子は真面目な顔を頷いている。
藍子としては、YourTunesの幹部になるほどの人物が伊吹の事を慕っているのを、非常に望ましく感じている。
「えぇ……、仕事と恋愛は分けるべきでは?」
新規事業に関わる為に、色恋を使うのはどうなのかと躊躇う伊吹。
しかしこの世界の価値観ではそうはならない。
「自分の能力を売り込んで妻にしてもらうのさ。当然の事だと思うがね?」
福乃にそう言われても、今一つ納得出来ない伊吹であった。
藍子と福乃と紫乃、そしてメアリーが喫茶店から戻り、話し合った内容を伊吹へ伝える。
今回GoolGoalから派遣されたのは、ただの代理人ではなくYourTunesの幹部であり、自ら名乗り出てわざわざ訪日して来たとの事。
YourTunesの運営としては男性Vtunerの登場、それに伴うVividColorsの躍進に喜び、日々の配信を楽しみにしているのだが、GoolGoal本体はあまり良く思っていない雰囲気であると話していた。
そのYourTunesの幹部曰く、Alphadealの創業家当主である男性の妻が例のGoolGoalの幹部であり、自分の旦那様よりも活躍している男性が出現した事に驚き、しかもそれが日本人である事に対抗意識を燃やしてしまったとの事。
伊吹に対抗して自分の旦那をYourTunesへ出演させようと働き掛けたのだが、旦那様の機嫌を損ねてしまったという。
その八つ当たりとして振り込みを遅らせるよう指示を出して、今回のような騒動に発展したというのが真相のようだ。
結果的にその妻は、GoolGoal内での地位を落としてしまった。いくら男性の妻という立場があったとしても、不問にする事は出来なかったようだ。
「初めはちょっとした憂さ晴らし程度だったんだろうけど、あれだけの規模の企業グループを私情で動かしたんだ。罰くらい当たるさ」
あんた達も気を付けな、と福乃が女性陣に忠告する。皆が頷いてはいるが、そう言われて制御出来るほど女性の感情というのは簡単な作りになっていない。
ホルモンバランスのせいで感情が乱され、仕事上の不手際や行き違いが発生し、問題となってしまう事案はこの世界ではよく聞く話である。
ホルモンバランスを整える為に薬や漢方を飲むのが当たり前となっているが、それでも人間の心が完璧に制御出来る訳ではない。
今現在、伊吹を中心とした三ノ宮家、そしてVividColorsは上手く回っている。
それはほとんどが宮坂家の人間であるという事、そして宮坂家の元を辿れば三ノ宮家に行き当たる事が理由として挙げられる。
今後、伊吹が宮坂家以外の女性を妻に迎え入れた場合、この安定が崩れてしまう可能性がある。
その時上手く家中を調整出来るよう、燈子が福乃の薫陶を受けている最中なのである。
「で、YourTunesの幹部がこれを伊吹様に渡してほしいってさ」
福乃が預かっていた三つの盾と名刺を伊吹へ渡す。伊吹は盾には見向きもせず、渡された名刺を眺める。
名刺の裏面に日本語で、「いっしょにおしごとしたいです」と書かれていた。
「自分は安藤子猫だと言っていたよ。一生懸命日本語を覚えてる最中で、VividColorsが新しく動画共有サービスを始めるならぜひ声を掛けてほしいと言っていたよ」
「自分を売り込む為にわざわざ代理人に名乗り出たんでしょうか?」
「もちろんそれもあるだろうけどね。あれは恋する女の目だったよ。配信を通じて副社長に惚れたんだろうね。
運営元さえ虜にしちまうんだから、あと何人奥様が増えるか分かったもんじゃないね」
福乃の発言に対し、藍子は真面目な顔を頷いている。
藍子としては、YourTunesの幹部になるほどの人物が伊吹の事を慕っているのを、非常に望ましく感じている。
「えぇ……、仕事と恋愛は分けるべきでは?」
新規事業に関わる為に、色恋を使うのはどうなのかと躊躇う伊吹。
しかしこの世界の価値観ではそうはならない。
「自分の能力を売り込んで妻にしてもらうのさ。当然の事だと思うがね?」
福乃にそう言われても、今一つ納得出来ない伊吹であった。
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