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第十二章:安藤真智デビュー
女にとって地獄の世界
ジニーとキャリーよりも前に解雇されているメアリーも、GoolGoalが用意したマンションをひと月内に出て行くように通告されている。
「この周辺は全て僕の土地ですので、好きな家を社宅として使ってもらって大丈夫です。
マチルダさんと一緒に暮らす分には不自由ないと思います」
宮坂家より譲渡された藍吹伊通り一丁目の土地はもちろんの事、土地に建っている建物まで全てが三ノ宮伊吹名義となっている。
「えー、うちお兄さんと一緒に暮らしたいねんけど」
マチルダはささっと伊吹の膝の上に乗って抱き着く。マチルダが伊吹の顔を両手で持って、ええやろ? と小首を傾げて尋ねる。
美哉と橘香がどう対応すべきか迷っているのを見て、伊吹が手を振って問題ない事を伝える。
「子供のやる事だし気にしなくて良いよ」
「ホンマに子供やと思ってる? 身体は子供やけど心は大人や、この青い果実を囓りたい思わん?
この世界やと合法やし、男やったら何でも好き放題出来るんやろ?」
マチルダから思ってもみなかった誘惑を受け、苦笑いを浮かべる伊吹。
「あいにく僕には奥さんに内定している素敵なレディが四人もいてね。
さらに内縁の妻と思っている女性がさらに四人もいるんだ。熟す前の果物を慌てて口にするほど飢えてないんだよね」
内縁の妻だと思っている、という伊吹の発言を受けて、智枝と紫乃、翠《みどり》、琥珀は感激して震えている。
伊吹の返答を聞いてもマチルダは離れず、自らの口を伊吹の耳元へ近付けて囁く。
「この世界は女にとって地獄や。同郷のよしみやと思ってうちの事引き取ってくれん?
九番目でええから」
女にとって地獄の世界。マチルダのようにほぼ完全な前世の記憶を持っている女性にとっては、非常に生きづらい世界である事は間違いない。
同郷のよしみと言われるとなおさら、伊吹は何とかしてやりたいという気持ちが湧いてくるが、前世からの常識が伊吹を引き留める。
「でもまだ十歳でしょ。僕以外に好きな……」
「恐らくお兄さん以外の男と出会う事なくこの人生を終えるやろうなぁ。
ママみたいに人工授精の順番が来て、会うた事もない男のザーメンを受け入れて、孕んで、生んで、育てて。
ママはええ、この世界の常識しか知らん。
うちも感謝しとるで? 働きながらちゃんと娘の世話もするスーパーウーマンやと思うわ。
けどうちは無理や。思い出してもうた。
喪女で腐女子やったとはいえ、基本的人権が尊重されてた。
この世界はどうや?
レアな男とそれに群がる一部の女しか勝てん世界やと思わんか?」
マチルダの語る地獄のような世界について、伊吹は何も言い返せない。
前世が男で今世も男。この世界において男は生まれながらの勝ち組。
そして伊吹はさらに世界を相手に勝ち戦を仕掛けている。
(十歳の女の子一人くらい、養っても良いか……)
伊吹はそう思い始める。
「それにうち、お兄さんみたいなイケメンと釣り合うくらいべっぴんさんやろ?
顔が良ぉてもこの世界では意味ないけど、お兄さんならこの顔面の価値を理解してくれるんとちゃう?」
「……分かった。ただし、僕の仕事を手伝ってほしい。
働かざる者食うべからず、って言うだろ?」
マチルダはニヤっと笑い、伊吹の唇にキスを、しようとして前歯をぶつけた。
「ごめん! 前世でもした事なかったからやり方分からんねん」
「あぁ、いいよ。
でもメアリーさんがとんでもない顔してるからフォローしといてね」
「任しとき!
あ、でもママを見て分かる通り、胸の将来性はなさそうやわ。
そこだけ堪忍してな」
「この周辺は全て僕の土地ですので、好きな家を社宅として使ってもらって大丈夫です。
マチルダさんと一緒に暮らす分には不自由ないと思います」
宮坂家より譲渡された藍吹伊通り一丁目の土地はもちろんの事、土地に建っている建物まで全てが三ノ宮伊吹名義となっている。
「えー、うちお兄さんと一緒に暮らしたいねんけど」
マチルダはささっと伊吹の膝の上に乗って抱き着く。マチルダが伊吹の顔を両手で持って、ええやろ? と小首を傾げて尋ねる。
美哉と橘香がどう対応すべきか迷っているのを見て、伊吹が手を振って問題ない事を伝える。
「子供のやる事だし気にしなくて良いよ」
「ホンマに子供やと思ってる? 身体は子供やけど心は大人や、この青い果実を囓りたい思わん?
この世界やと合法やし、男やったら何でも好き放題出来るんやろ?」
マチルダから思ってもみなかった誘惑を受け、苦笑いを浮かべる伊吹。
「あいにく僕には奥さんに内定している素敵なレディが四人もいてね。
さらに内縁の妻と思っている女性がさらに四人もいるんだ。熟す前の果物を慌てて口にするほど飢えてないんだよね」
内縁の妻だと思っている、という伊吹の発言を受けて、智枝と紫乃、翠《みどり》、琥珀は感激して震えている。
伊吹の返答を聞いてもマチルダは離れず、自らの口を伊吹の耳元へ近付けて囁く。
「この世界は女にとって地獄や。同郷のよしみやと思ってうちの事引き取ってくれん?
九番目でええから」
女にとって地獄の世界。マチルダのようにほぼ完全な前世の記憶を持っている女性にとっては、非常に生きづらい世界である事は間違いない。
同郷のよしみと言われるとなおさら、伊吹は何とかしてやりたいという気持ちが湧いてくるが、前世からの常識が伊吹を引き留める。
「でもまだ十歳でしょ。僕以外に好きな……」
「恐らくお兄さん以外の男と出会う事なくこの人生を終えるやろうなぁ。
ママみたいに人工授精の順番が来て、会うた事もない男のザーメンを受け入れて、孕んで、生んで、育てて。
ママはええ、この世界の常識しか知らん。
うちも感謝しとるで? 働きながらちゃんと娘の世話もするスーパーウーマンやと思うわ。
けどうちは無理や。思い出してもうた。
喪女で腐女子やったとはいえ、基本的人権が尊重されてた。
この世界はどうや?
レアな男とそれに群がる一部の女しか勝てん世界やと思わんか?」
マチルダの語る地獄のような世界について、伊吹は何も言い返せない。
前世が男で今世も男。この世界において男は生まれながらの勝ち組。
そして伊吹はさらに世界を相手に勝ち戦を仕掛けている。
(十歳の女の子一人くらい、養っても良いか……)
伊吹はそう思い始める。
「それにうち、お兄さんみたいなイケメンと釣り合うくらいべっぴんさんやろ?
顔が良ぉてもこの世界では意味ないけど、お兄さんならこの顔面の価値を理解してくれるんとちゃう?」
「……分かった。ただし、僕の仕事を手伝ってほしい。
働かざる者食うべからず、って言うだろ?」
マチルダはニヤっと笑い、伊吹の唇にキスを、しようとして前歯をぶつけた。
「ごめん! 前世でもした事なかったからやり方分からんねん」
「あぁ、いいよ。
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