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第十二章:安藤真智デビュー
コスプレ文化の普及
安藤真智チャンネルは開設後すぐ、登録者三百万人を突破した。
VividColors関連のチャンネルという強みもあるが、何よりコスプレ文化という新しい娯楽に対して、自分も参加するにはどうすれば良いかという教本代わりになる事が受けた。
元々この世界では、コスプレという言葉はなくとも男装を楽しむ層は一定数存在した。
しかし、男装は女性同士で交際しているカップルが行うもの。妊娠・出産・子育てが一番大事な使命であるのにも関わらず、女同士で何をしているのだ、という声。
そして女の身で男性様の格好をするなどけしからん、という声など、口うるさい老人達のせいで、表立って男装をする者は少なかった。
そんな、コスプレをしたいけど出来なかった層にも向けて、化粧の仕方、衣装の作り方、身体の採寸方法、カメラなどの機材紹介など、今までは特定の業界のみが知っていた知識や手法などを広く公開した為、驚くべき速度で世界に普及していっている。
「何でこの写真が一番人気なん……?」
「それはマジで泣いた後に撮った写真だからでは?」
YoungNatterで一番人気なのが、水色のショートカットのウィッグを付け、無表情だが右目からのみ涙が零れ落ちているマチルダの顔のアップの写真だ。
伊吹の侍女達全員に殺気を当たられた後に撮った写真で、その時の恐怖を思い出すだけで涙がぽろぽろと出て来たのだ。
「このセーラー戦士の写真もええやん?
やっぱ合成で背景を満月にしてもらって大正解やわ」
マチルダが指差す写真には、伊吹が思い浮かべるセーラー戦士とはまた違った格好のコスプレ姿をしたマチルダが写っている。
背丈が違うにしても、色々と違和感があったので、伊吹はマチルダへと尋ねた。
「あの後だから聞けなかったけど、何で髪の色がピンクなの?
あれって金髪じゃなかった?」
「あー、このコは未来から来た主人公の娘やからなぁ」
「娘!? え、だからおんぶしてってリクエストしたの?」
「いや、あれは単純にみぃちゃんときぃちゃんが羨ましかったから、うちもイチャイチャした写真が撮りたかっただけやで」
マチルダの衣装替えの際、伊吹がスタジオの端で控えていた美哉と橘香を呼んで、三人で写真を撮ってもらっていた。
伊吹も美哉も橘香も、特に仮装をしている訳ではなかったので、伊吹は前世のモデル雑誌を思い出して、恋人同士の触れ合いをテーマとした。
伊吹が美哉と橘香に抱き着いたり、人工芝を敷いて膝枕をしてもらったり、三人一緒に寝転がったり、伊吹と美哉、伊吹が橘香がそれぞれ腕を組んでいる二人きりの写真などなど、衣装替えを終えたマチルダを待たせたままかなりの枚数を撮ってもらっていた。
それに嫉妬したマチルダが、伊吹におんぶをねだって撮られたのが、先ほどマチルダが指差した写真である。
「でも恋人同士でおんぶってしなくないか?」
「……そんな事ないやろ。その、ほら、えっと」
「居酒屋で泥酔したから迎えに来てあげてと姉の友達から連絡が来て、姉を家までおんぶした事ならあるけど」
「う、うちの弟は連絡しても来てくれへんかったわ……」
もちろん伊吹の顔は写されておらず、マチルダが顔をくっつけている後ろ姿が見えるだけだが、優秀な子猫達はその背中が副社長のものであると気付き、真智を自分に置き換えて妄想に勤しむのだった。
VividColors関連のチャンネルという強みもあるが、何よりコスプレ文化という新しい娯楽に対して、自分も参加するにはどうすれば良いかという教本代わりになる事が受けた。
元々この世界では、コスプレという言葉はなくとも男装を楽しむ層は一定数存在した。
しかし、男装は女性同士で交際しているカップルが行うもの。妊娠・出産・子育てが一番大事な使命であるのにも関わらず、女同士で何をしているのだ、という声。
そして女の身で男性様の格好をするなどけしからん、という声など、口うるさい老人達のせいで、表立って男装をする者は少なかった。
そんな、コスプレをしたいけど出来なかった層にも向けて、化粧の仕方、衣装の作り方、身体の採寸方法、カメラなどの機材紹介など、今までは特定の業界のみが知っていた知識や手法などを広く公開した為、驚くべき速度で世界に普及していっている。
「何でこの写真が一番人気なん……?」
「それはマジで泣いた後に撮った写真だからでは?」
YoungNatterで一番人気なのが、水色のショートカットのウィッグを付け、無表情だが右目からのみ涙が零れ落ちているマチルダの顔のアップの写真だ。
伊吹の侍女達全員に殺気を当たられた後に撮った写真で、その時の恐怖を思い出すだけで涙がぽろぽろと出て来たのだ。
「このセーラー戦士の写真もええやん?
やっぱ合成で背景を満月にしてもらって大正解やわ」
マチルダが指差す写真には、伊吹が思い浮かべるセーラー戦士とはまた違った格好のコスプレ姿をしたマチルダが写っている。
背丈が違うにしても、色々と違和感があったので、伊吹はマチルダへと尋ねた。
「あの後だから聞けなかったけど、何で髪の色がピンクなの?
あれって金髪じゃなかった?」
「あー、このコは未来から来た主人公の娘やからなぁ」
「娘!? え、だからおんぶしてってリクエストしたの?」
「いや、あれは単純にみぃちゃんときぃちゃんが羨ましかったから、うちもイチャイチャした写真が撮りたかっただけやで」
マチルダの衣装替えの際、伊吹がスタジオの端で控えていた美哉と橘香を呼んで、三人で写真を撮ってもらっていた。
伊吹も美哉も橘香も、特に仮装をしている訳ではなかったので、伊吹は前世のモデル雑誌を思い出して、恋人同士の触れ合いをテーマとした。
伊吹が美哉と橘香に抱き着いたり、人工芝を敷いて膝枕をしてもらったり、三人一緒に寝転がったり、伊吹と美哉、伊吹が橘香がそれぞれ腕を組んでいる二人きりの写真などなど、衣装替えを終えたマチルダを待たせたままかなりの枚数を撮ってもらっていた。
それに嫉妬したマチルダが、伊吹におんぶをねだって撮られたのが、先ほどマチルダが指差した写真である。
「でも恋人同士でおんぶってしなくないか?」
「……そんな事ないやろ。その、ほら、えっと」
「居酒屋で泥酔したから迎えに来てあげてと姉の友達から連絡が来て、姉を家までおんぶした事ならあるけど」
「う、うちの弟は連絡しても来てくれへんかったわ……」
もちろん伊吹の顔は写されておらず、マチルダが顔をくっつけている後ろ姿が見えるだけだが、優秀な子猫達はその背中が副社長のものであると気付き、真智を自分に置き換えて妄想に勤しむのだった。
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