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第十三章:三ノ宮伊吹
VCAIDOLLとVC蔵人
伊吹に尋ねられたマチルダが、天井を見上げながら答える。
「せやなぁ……、じゃなくてそうねぇ。
自動運転はほぼ完成してたし、飛行機のオートパイロットもAIみたいなもんってイメージだったけど。
あとディープラーニングね、イラスト描いてた界隈は割と騒いでたよね」
ディープラーニングとは人工知能開発における機械学習技術の一つで、わざわざ人間がコンピュータに情報を入力する事なく、自動的に大量のデータから情報を拾って学習する事で、人工知能の知識が広がり、出力出来る事柄も増えていく。
「そうそう、VC伊真心で運営するクムクルのイラストとかテキスト情報を、そのディープラーニングの素材にさせてもらうってのどう?
前の世界やと勝手に学習に使われて自分の作風のまんまのイラストが出力されたって怒ってた人らもいるけど、事前に了解の元で学習に使わせてもらえれば、いいんじゃないかな?」
メアリーの通訳を聞いていたイリヤが手を叩いて賛同する。
学習に使うサイトが系列会社のものであり、作者から事前にデータの使用許可を得ていて、作者も受け取る収益が増えるのだから、良い循環形態であると言える。
ただし、どれだけのクリエイターが自身の創作物を人工知能のエサにしても良いと許可するかは、現在のところ不透明ではある。
「ってなると、やっぱりクラウドサーバも自前で用意したいよねぇ」
「そうだ、福乃さん。宮坂財閥系列で管理してる大陸中央部の土地で使える土地ってありませんか?
データセンターって言って、サーバを集中管理する広い場所が欲しいんです。本土だと地震と津波と台風で安定した通信の確保が難しいんですよね」
黙ってやり取りを聞いていた福乃が、また新会社かと笑う。
「大陸にはサーバやパソコンに必要なシリコンや希少鉱物もあるから、ちょうど良いかも知れないね。
さすがに私の一存では決められないから、持ち帰らせてもらうよ」
大日本皇国は旧中華民国と旧帝政ロシアの東側の大部分を制圧して資源開発を進めて来たので、土地自体は余っている。
宮坂家が管理している土地で条件の良いところを探すとなると、福乃でも今すぐには答えられない。
「ディープラーニングか。最終的に安藤家四兄弟に仮想人格を用意してさ、何の指示も出さずにAIが生配信したら面白いよね」
「うわ、何か映画の話みたいやな。仮想人格に自由に動ける筐体を与えたら、踊りながら近付いて来てナイフで刺してくるとかないよな!?」
ロボットの身体に仮想人格を入れて、自律的に動けるようにする、という発想を得て、伊吹が思いついた事を口する。
「AIとDOLLか……。
宮坂AI研究所の新しい社名をVCAIDOLLとして、最終目標は自立的に踊れる機械人形の制御AIの作成としようか。
さすがに機械人形の筐体部分の開発は人工知能研究者のイリヤさんには無理だろうし」
「面接対象に機械工学の博士がいたような……」
藍子が面接に応募してきた中に心当たりのある人材がいるようで、また詳しく見直すと伊吹に話す。
「で、いっくん。クラウドの新会社の名前も先に決めとく?」
昨日とは打って変わって、伊吹がいつも通り生き生きと話を進めている姿を見て、燈子も負けていられないと張り切っている。
「そうだなぁ、クラウドだから蔵人で良くない? VC蔵人。
クラウドに上げる、じゃなくて蔵人に渡す、っていう風になんのかな」
「あー、うちらにとっては違和感ないし助かるなぁ」
伊吹は勘違いしているが、本来の読み方は『くらんど』や『くろうど』である。
蔵人所とは蔵を管理している人や組織ではなく、元々は書籍や絵画、書、刀の管理、また機密文書の取り扱いなどを任された皇王家の家政機関であった。
伊吹とマチルダが機嫌良さそうに話を進めている事と、間違いであっても特に支障がない為、この場にいる女性達は誰も指摘しなかった。
「せやなぁ……、じゃなくてそうねぇ。
自動運転はほぼ完成してたし、飛行機のオートパイロットもAIみたいなもんってイメージだったけど。
あとディープラーニングね、イラスト描いてた界隈は割と騒いでたよね」
ディープラーニングとは人工知能開発における機械学習技術の一つで、わざわざ人間がコンピュータに情報を入力する事なく、自動的に大量のデータから情報を拾って学習する事で、人工知能の知識が広がり、出力出来る事柄も増えていく。
「そうそう、VC伊真心で運営するクムクルのイラストとかテキスト情報を、そのディープラーニングの素材にさせてもらうってのどう?
前の世界やと勝手に学習に使われて自分の作風のまんまのイラストが出力されたって怒ってた人らもいるけど、事前に了解の元で学習に使わせてもらえれば、いいんじゃないかな?」
メアリーの通訳を聞いていたイリヤが手を叩いて賛同する。
学習に使うサイトが系列会社のものであり、作者から事前にデータの使用許可を得ていて、作者も受け取る収益が増えるのだから、良い循環形態であると言える。
ただし、どれだけのクリエイターが自身の創作物を人工知能のエサにしても良いと許可するかは、現在のところ不透明ではある。
「ってなると、やっぱりクラウドサーバも自前で用意したいよねぇ」
「そうだ、福乃さん。宮坂財閥系列で管理してる大陸中央部の土地で使える土地ってありませんか?
データセンターって言って、サーバを集中管理する広い場所が欲しいんです。本土だと地震と津波と台風で安定した通信の確保が難しいんですよね」
黙ってやり取りを聞いていた福乃が、また新会社かと笑う。
「大陸にはサーバやパソコンに必要なシリコンや希少鉱物もあるから、ちょうど良いかも知れないね。
さすがに私の一存では決められないから、持ち帰らせてもらうよ」
大日本皇国は旧中華民国と旧帝政ロシアの東側の大部分を制圧して資源開発を進めて来たので、土地自体は余っている。
宮坂家が管理している土地で条件の良いところを探すとなると、福乃でも今すぐには答えられない。
「ディープラーニングか。最終的に安藤家四兄弟に仮想人格を用意してさ、何の指示も出さずにAIが生配信したら面白いよね」
「うわ、何か映画の話みたいやな。仮想人格に自由に動ける筐体を与えたら、踊りながら近付いて来てナイフで刺してくるとかないよな!?」
ロボットの身体に仮想人格を入れて、自律的に動けるようにする、という発想を得て、伊吹が思いついた事を口する。
「AIとDOLLか……。
宮坂AI研究所の新しい社名をVCAIDOLLとして、最終目標は自立的に踊れる機械人形の制御AIの作成としようか。
さすがに機械人形の筐体部分の開発は人工知能研究者のイリヤさんには無理だろうし」
「面接対象に機械工学の博士がいたような……」
藍子が面接に応募してきた中に心当たりのある人材がいるようで、また詳しく見直すと伊吹に話す。
「で、いっくん。クラウドの新会社の名前も先に決めとく?」
昨日とは打って変わって、伊吹がいつも通り生き生きと話を進めている姿を見て、燈子も負けていられないと張り切っている。
「そうだなぁ、クラウドだから蔵人で良くない? VC蔵人。
クラウドに上げる、じゃなくて蔵人に渡す、っていう風になんのかな」
「あー、うちらにとっては違和感ないし助かるなぁ」
伊吹は勘違いしているが、本来の読み方は『くらんど』や『くろうど』である。
蔵人所とは蔵を管理している人や組織ではなく、元々は書籍や絵画、書、刀の管理、また機密文書の取り扱いなどを任された皇王家の家政機関であった。
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