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第十四章:結婚式に向けて
セッション
伊吹は前世の記憶を合わせても、生バンドで歌うのは初めての経験だ。
自分の声が聞こえにくいので音程が取りづらく、右耳に人差し指を突っ込んで歌う。
その姿を見てアリスと真子と凛子が少し音量を抑え気味の設定へと変えて、何度か通して歌う。
(すっげぇ気持ち良い……!!)
『涙の理由』から始まったこのセッション。続けて『愛していると言ってくれ』、『何でもあげる』を歌った伊吹は、自分が心から楽しんでいる、心が揺さぶられている事に気付く。
「やっべ、めっちゃ楽しいなこれ」
「「「はいっ!!」」」
三人も興奮しており、自分の技術以上の演奏が引き出されているのを感じている。
伊吹を含め四人でセッションを重ねるたび、どんどんと四人の連帯感が強まっていき、独特の雰囲気が作り上げられているのを音楽プロデューサーは感じていた。
「もうこの四人でメンバー固定してバンドとしてデビューしようか!」
「「「はいっ!!」」」
興奮状態の伊吹の発言を聞いて、同じく気分が高揚している三人がハイタッチを始める。
「ええやんええやん!!」
マチルダも輪に加わってはしゃいでいる。デモ音源では感じる事のなかった胸の高鳴りを自覚し、マチルダも興奮を隠せない。
「えっと、すみません。質問させて下さい」
楽しそうに話している伊吹に断りを入れ、宮坂紡音の責任者が伊吹へ尋ねる。
「今、この四人でバンドデビューと仰いましたが、今回仕上げた楽曲は、安藤家の四兄弟が演奏しているという形で出版するのではないのですか?」
伊吹はそんなつもりはなかった。
ただ、例のDVDを元にビートルズの楽曲を完成させて、この世界でも広めたいと思っていただけだ。
もちろん事業としての収益化する方法などは考えていたが、自分が演奏が出来ない為、四兄弟に楽器を演奏させるという発想が浮かばなかったのだ。
「いえ、本来は僕が歌うつもりもなく、プロのミュージシャンに任せるつもりだったくらいですから」
この世界には、ポップスもロックも歌った事のある女性がいない。リズム感も抑揚の付け方も、伊吹の脳内に流れている楽曲とかけ離れているので、伊吹が歌うのが一番良かったというだけだ。
「皆さんのご判断で問題なければ、この四人でデビューしたいです」
「もちろん異論などありませんとも!」
音楽プロデューサーは男性が歌うという話題性だけでなく、ビートルズの楽曲の素晴らしさを理解し、全世界的流行は間違いないと確信していた。
「バンド名は……、何も良いの思い浮かばないな」
「そのままビートルズやったらアカンの?」
「それはやりたくない」
マチルダがそう言うが、伊吹は首を横に振る。あくまでビートルズの楽曲を可能な限り再現しているだけであり、オリジナルを名乗るつもりはない。
なので、全く同じバンド名を使うのは恐れ多い事だと伊吹は思っている。
「beatは日本語で言うと打つ、たたく、殴る、殴打する、鼓動する、とかかな。
この世界の米国英語やと」
生まれ変わり、ネイティブな米国英語を操るマチルダが、伊吹へ助言する。
「鼓動、拍動……、うーん」
「ほなレプリカンズ? 真似しぃズ、模倣バンド、パラレルズ、カルテット、Veatles、ダメだこりゃズ、全南星、紳士少年、チワワズ、空と虹、宇宙人先遣隊、くるりくる、魚行動、青りんご淑女、臆病者の一撃、見事な意気地なし、メールでモンキッキー、ANDOH'S、THE BLOOD HURTS、うえしたず、ネアンデルタールズ……」
「よくそんなにすらすらと出て来るなぁ」
「アホ言いな! これ考えるだけで二時間掛かってるで」
自分の声が聞こえにくいので音程が取りづらく、右耳に人差し指を突っ込んで歌う。
その姿を見てアリスと真子と凛子が少し音量を抑え気味の設定へと変えて、何度か通して歌う。
(すっげぇ気持ち良い……!!)
『涙の理由』から始まったこのセッション。続けて『愛していると言ってくれ』、『何でもあげる』を歌った伊吹は、自分が心から楽しんでいる、心が揺さぶられている事に気付く。
「やっべ、めっちゃ楽しいなこれ」
「「「はいっ!!」」」
三人も興奮しており、自分の技術以上の演奏が引き出されているのを感じている。
伊吹を含め四人でセッションを重ねるたび、どんどんと四人の連帯感が強まっていき、独特の雰囲気が作り上げられているのを音楽プロデューサーは感じていた。
「もうこの四人でメンバー固定してバンドとしてデビューしようか!」
「「「はいっ!!」」」
興奮状態の伊吹の発言を聞いて、同じく気分が高揚している三人がハイタッチを始める。
「ええやんええやん!!」
マチルダも輪に加わってはしゃいでいる。デモ音源では感じる事のなかった胸の高鳴りを自覚し、マチルダも興奮を隠せない。
「えっと、すみません。質問させて下さい」
楽しそうに話している伊吹に断りを入れ、宮坂紡音の責任者が伊吹へ尋ねる。
「今、この四人でバンドデビューと仰いましたが、今回仕上げた楽曲は、安藤家の四兄弟が演奏しているという形で出版するのではないのですか?」
伊吹はそんなつもりはなかった。
ただ、例のDVDを元にビートルズの楽曲を完成させて、この世界でも広めたいと思っていただけだ。
もちろん事業としての収益化する方法などは考えていたが、自分が演奏が出来ない為、四兄弟に楽器を演奏させるという発想が浮かばなかったのだ。
「いえ、本来は僕が歌うつもりもなく、プロのミュージシャンに任せるつもりだったくらいですから」
この世界には、ポップスもロックも歌った事のある女性がいない。リズム感も抑揚の付け方も、伊吹の脳内に流れている楽曲とかけ離れているので、伊吹が歌うのが一番良かったというだけだ。
「皆さんのご判断で問題なければ、この四人でデビューしたいです」
「もちろん異論などありませんとも!」
音楽プロデューサーは男性が歌うという話題性だけでなく、ビートルズの楽曲の素晴らしさを理解し、全世界的流行は間違いないと確信していた。
「バンド名は……、何も良いの思い浮かばないな」
「そのままビートルズやったらアカンの?」
「それはやりたくない」
マチルダがそう言うが、伊吹は首を横に振る。あくまでビートルズの楽曲を可能な限り再現しているだけであり、オリジナルを名乗るつもりはない。
なので、全く同じバンド名を使うのは恐れ多い事だと伊吹は思っている。
「beatは日本語で言うと打つ、たたく、殴る、殴打する、鼓動する、とかかな。
この世界の米国英語やと」
生まれ変わり、ネイティブな米国英語を操るマチルダが、伊吹へ助言する。
「鼓動、拍動……、うーん」
「ほなレプリカンズ? 真似しぃズ、模倣バンド、パラレルズ、カルテット、Veatles、ダメだこりゃズ、全南星、紳士少年、チワワズ、空と虹、宇宙人先遣隊、くるりくる、魚行動、青りんご淑女、臆病者の一撃、見事な意気地なし、メールでモンキッキー、ANDOH'S、THE BLOOD HURTS、うえしたず、ネアンデルタールズ……」
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「アホ言いな! これ考えるだけで二時間掛かってるで」
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