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第十四章:結婚式に向けて
結婚指輪
「こんな事美哉と橘香に相談する事じゃないんだけどさ……」
悩みながらも、伊吹は就寝前に二人に改まって相談を持ち掛ける。
最近は性交後、藍子達は自分のマンションや与えらえた部屋へと戻る体力が付いて来た為、今伊吹の寝室にいるのは三人だけだ。
もっとも、帰れる体力を残す調整を、伊吹がしているというだけだが。
「僕の前いた世界だと、結婚すると夫婦お揃いの指輪を左手の薬指にするんだ。
こっちの世界ではどうなんだろうと思って」
伊吹の母親である咲弥も、祖母である心乃春も結婚指輪をしていなかった。
少なくとも咲弥は例のDVDに映っていた男性が咲弥の恋人であり、その男性との間に生まれたのが自分だと伊吹は思っているが、婚姻関係には至っていなかったのだろうと予想している。
美哉の母親である美子と、橘香の母親である京香も、指輪をしていない。
福乃は左手の薬指に指輪をしているのを知っているが、伊吹はそれが結婚指輪なのかどうかを確認していないので、こうして二人から聞いているのだ。
「結婚指輪というものは存在してるけど、実際は男性が面倒臭がってしてくれない事が多いって習った」
「事前に申し出ておけば結婚式の時に指輪交換の時間が用意される」
侍女になる為の勉強として、二人はそういう知識も学んでいる。
「今回結婚式をするのは藍子と燈子の二人だけだけど、そう遠くないうちに二人とも式を挙げたいからさ、今のうちに俺の分と八人分の指輪を用意しときたいんだけど、どう思う?」
美哉と橘香に確認する自分が酷く情けない男のような気がする伊吹だが、自分で用意しようにも、一人で外を出歩かせてもらえない以上、こうして誰かに頼るしかない。
「そういう相談は、まずは藍子さんに話すべき」
「私達は聞かなかった事にするから、明日朝一で確認しよ」
そう諭されて、伊吹は藍子へ相談する事にした。
「あー、最近急がしてくてそこまで考えられてなかったよ」
「ごめんなさい」
翌朝、朝食後に事務所で藍子へ話を切り出した伊吹が頭を下げる。
藍子が忙しいのは自分のせいなので、伊吹が素直に謝罪する。
「来月の結婚式は藍子と燈子の二人どだけだけど、いずれは実家の近くの神社で美哉と橘香との結婚式も挙げたいと思ってるんだ」
藍子は伊吹が二人とも結婚式を挙げるつもりでいる事を知っており、反対する理由はないので、頷いてみせる。
「結婚式で、結婚指輪の交換をしたいんだ。僕は常に指輪を着けておくつもりだし、皆にも常に着けておいてほしいと思ってる」
「素敵……」
燈子が、伊吹とお揃いの結婚指輪をしている自分を想像し、うっとりとしている。
「それと、籍は入れないにしても、紫乃と翠と琥珀、そして智枝の事は大事な人だと思ってるし、四人と同じように指輪を送るだけでもさせてほしいと思ってる。
だから、僕と八人との結婚指輪を選びたいんだけど、どうかな?」
事務所の壁際で待機している紫乃と翠と琥珀、そして智枝は、伊吹のその提案を聞いて鼻の穴を膨らませているが、第一夫人である藍子が難色を示す可能性がある為、努めて無表情のままでいる。
「ふふっ、私がダメだなんて言う訳ないでしょう?」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
が、藍子の発言はこれだけではなかった。
「伊吹。気になってるから正直に聞くんだけど、良い?」
「もちろん、何でも聞いてほしい」
「情を交わした人全員に指輪を送るつもり?
多分、内縁の妻だけで百や二百では留まらないような気がするんだけど」
「えっと……」
さすがに伊吹もそんな質問をされてしまうと、即答する事が出来ない。
「だって、何年後になるかは別として、マチルダちゃんでしょう?
それに前の会社をクビになってでも伊吹に自分を売り込んできたジニーさんに、転生者のキャリーさん。
つい最近ではイリヤさんもいるし、私は直接会ってないけど、月明かりの使者のアリスさんと真子さんと凛子さん。
ほら、これからどんどん増えていくんじゃない?」
「う゛っ……」
「まぁまぁまぁ! あーちゃん、今は指輪の事を考えよう、ねっ!!」
燈子が取りなしてくれた事で、伊吹の胃は守られたのだった。
悩みながらも、伊吹は就寝前に二人に改まって相談を持ち掛ける。
最近は性交後、藍子達は自分のマンションや与えらえた部屋へと戻る体力が付いて来た為、今伊吹の寝室にいるのは三人だけだ。
もっとも、帰れる体力を残す調整を、伊吹がしているというだけだが。
「僕の前いた世界だと、結婚すると夫婦お揃いの指輪を左手の薬指にするんだ。
こっちの世界ではどうなんだろうと思って」
伊吹の母親である咲弥も、祖母である心乃春も結婚指輪をしていなかった。
少なくとも咲弥は例のDVDに映っていた男性が咲弥の恋人であり、その男性との間に生まれたのが自分だと伊吹は思っているが、婚姻関係には至っていなかったのだろうと予想している。
美哉の母親である美子と、橘香の母親である京香も、指輪をしていない。
福乃は左手の薬指に指輪をしているのを知っているが、伊吹はそれが結婚指輪なのかどうかを確認していないので、こうして二人から聞いているのだ。
「結婚指輪というものは存在してるけど、実際は男性が面倒臭がってしてくれない事が多いって習った」
「事前に申し出ておけば結婚式の時に指輪交換の時間が用意される」
侍女になる為の勉強として、二人はそういう知識も学んでいる。
「今回結婚式をするのは藍子と燈子の二人だけだけど、そう遠くないうちに二人とも式を挙げたいからさ、今のうちに俺の分と八人分の指輪を用意しときたいんだけど、どう思う?」
美哉と橘香に確認する自分が酷く情けない男のような気がする伊吹だが、自分で用意しようにも、一人で外を出歩かせてもらえない以上、こうして誰かに頼るしかない。
「そういう相談は、まずは藍子さんに話すべき」
「私達は聞かなかった事にするから、明日朝一で確認しよ」
そう諭されて、伊吹は藍子へ相談する事にした。
「あー、最近急がしてくてそこまで考えられてなかったよ」
「ごめんなさい」
翌朝、朝食後に事務所で藍子へ話を切り出した伊吹が頭を下げる。
藍子が忙しいのは自分のせいなので、伊吹が素直に謝罪する。
「来月の結婚式は藍子と燈子の二人どだけだけど、いずれは実家の近くの神社で美哉と橘香との結婚式も挙げたいと思ってるんだ」
藍子は伊吹が二人とも結婚式を挙げるつもりでいる事を知っており、反対する理由はないので、頷いてみせる。
「結婚式で、結婚指輪の交換をしたいんだ。僕は常に指輪を着けておくつもりだし、皆にも常に着けておいてほしいと思ってる」
「素敵……」
燈子が、伊吹とお揃いの結婚指輪をしている自分を想像し、うっとりとしている。
「それと、籍は入れないにしても、紫乃と翠と琥珀、そして智枝の事は大事な人だと思ってるし、四人と同じように指輪を送るだけでもさせてほしいと思ってる。
だから、僕と八人との結婚指輪を選びたいんだけど、どうかな?」
事務所の壁際で待機している紫乃と翠と琥珀、そして智枝は、伊吹のその提案を聞いて鼻の穴を膨らませているが、第一夫人である藍子が難色を示す可能性がある為、努めて無表情のままでいる。
「ふふっ、私がダメだなんて言う訳ないでしょう?」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
が、藍子の発言はこれだけではなかった。
「伊吹。気になってるから正直に聞くんだけど、良い?」
「もちろん、何でも聞いてほしい」
「情を交わした人全員に指輪を送るつもり?
多分、内縁の妻だけで百や二百では留まらないような気がするんだけど」
「えっと……」
さすがに伊吹もそんな質問をされてしまうと、即答する事が出来ない。
「だって、何年後になるかは別として、マチルダちゃんでしょう?
それに前の会社をクビになってでも伊吹に自分を売り込んできたジニーさんに、転生者のキャリーさん。
つい最近ではイリヤさんもいるし、私は直接会ってないけど、月明かりの使者のアリスさんと真子さんと凛子さん。
ほら、これからどんどん増えていくんじゃない?」
「う゛っ……」
「まぁまぁまぁ! あーちゃん、今は指輪の事を考えよう、ねっ!!」
燈子が取りなしてくれた事で、伊吹の胃は守られたのだった。
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