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第十四章:結婚式に向けて
指輪選び
藍子の追及が止み、燈子がさっそく百貨店の外商担当を呼び出した。
「ご結婚、誠におめでとうございます」
落ち着いた雰囲気の女性が、伊吹達にお祝いの言葉を述べる。
外商として事務所へ訪れたのは三人で、それぞれ大きなトランクケースを開けてテーブルに指輪を取り出して並べていく。
「そう言えば、婚約指輪はええの?」
事務所に顔を出したマチルダが、将来自分も同じものをするかも知れないから、という理由で藍子にお願いをし、結婚指輪選びに立ち会う事を許された。
「それが、日本には婚約指輪自体が浸透してないみたいなんだ。
って言ってももう婚約済みだから、今さらって感じではあるんだけど。僕が結納の品を受け取ってるし」
「そっか、結納も逆になるんやなぁ」
美哉も橘香も婚約指輪については国立侍女育成専門学校で習っていないとの事で、藍子も伊吹に対して必要ないと答えている。
「さて、こういうのはまず女性陣が見るべきだ。
皆こっちに来て、手に取って見せてもらって」
伊吹が八人全員に声を掛けるが、紫乃と翠と琥珀、そして智枝は遠慮して、部屋の隅でじっと待機している。
が、やはりその鼻が膨らんでいるのを見て、藍子が一緒に見ようと手招きし、全員でやいやい言いながら指輪を選び出した。
「なぁ、うちは?」
藍子が将来的にはマチルダも結婚指輪をするのだろう、と言った話は隠して、伊吹が頷く。
「十歳の女の子と婚約した覚えはないな。
けど、これから色々と頑張ってもらう前払い分として、アクセサリーとしてならプレゼントしよう」
「やった!」
(子供用の指輪があるかどうかは知らないけど)
マチルダが喜んで選んでいると、外商の女性がマチルダの指のサイズを計り、取り寄せであれば用意出来ると答えたので、特に問題はないようだ。
「本当にいっくんも指輪してくれるの?」
「もちろん。けど八人分全部を左手の薬指に嵌められないからねぇ」
「大丈夫、八人で一つの種類を選ぶから」
燈子が皆に声を掛け、どうせなら妻達で統一しようと持ち掛けたのだ。
それぞれ好みのデザインの指輪を選ぶよりも、伊吹とお揃いの指輪の方が良いと皆が思ったからだ。
「同じデザインの指輪をファングッズとして売り出したら大儲け出来そうやな」
いやらしい笑みを浮かべるマチルダに、伊吹が現在準備中の計画を伝える。
「イベントをやるって言ってただろ? 同人誌即売会みたいな。
あの決済用に、スマートリングを開発してもらってるんだ」
伊吹は最初、安藤家の四兄弟のイラストが入ったプリペイドカードを用意しようかと思ったのだが、前世でスマートリングという指輪型決済デバイスがあったなと思い出したのだ。
「スマホのアプリでクレジットカードと連携させてスマートリングでクレジット決済が出来るようにする、って事か」
「そう。この話を持ち込んだら宮坂信販がずいぶん乗り気になってるらしくって。
スマートリングが普及すればクレカを使ってくれる人が増えるだろうって張り切ってるみたい。
今から非接触型の決済機器を準備して、近い内に全国の契約店に配布するらしい」
「そのスマートリング、四兄弟で色分けして四種類用意するやろ?
ほんで、イベントごとに新しいデザインを発表してやればガンガン売れるで」
「連携させるリングは一つに絞っておいて、その日その日でペアリングし直せばリングが手元にいくつあろうが問題にはならなさそうだな」
妻達が結婚指輪を選んでいる中、伊吹は新しいビジネスの考案に勤しむのだった。
「ご結婚、誠におめでとうございます」
落ち着いた雰囲気の女性が、伊吹達にお祝いの言葉を述べる。
外商として事務所へ訪れたのは三人で、それぞれ大きなトランクケースを開けてテーブルに指輪を取り出して並べていく。
「そう言えば、婚約指輪はええの?」
事務所に顔を出したマチルダが、将来自分も同じものをするかも知れないから、という理由で藍子にお願いをし、結婚指輪選びに立ち会う事を許された。
「それが、日本には婚約指輪自体が浸透してないみたいなんだ。
って言ってももう婚約済みだから、今さらって感じではあるんだけど。僕が結納の品を受け取ってるし」
「そっか、結納も逆になるんやなぁ」
美哉も橘香も婚約指輪については国立侍女育成専門学校で習っていないとの事で、藍子も伊吹に対して必要ないと答えている。
「さて、こういうのはまず女性陣が見るべきだ。
皆こっちに来て、手に取って見せてもらって」
伊吹が八人全員に声を掛けるが、紫乃と翠と琥珀、そして智枝は遠慮して、部屋の隅でじっと待機している。
が、やはりその鼻が膨らんでいるのを見て、藍子が一緒に見ようと手招きし、全員でやいやい言いながら指輪を選び出した。
「なぁ、うちは?」
藍子が将来的にはマチルダも結婚指輪をするのだろう、と言った話は隠して、伊吹が頷く。
「十歳の女の子と婚約した覚えはないな。
けど、これから色々と頑張ってもらう前払い分として、アクセサリーとしてならプレゼントしよう」
「やった!」
(子供用の指輪があるかどうかは知らないけど)
マチルダが喜んで選んでいると、外商の女性がマチルダの指のサイズを計り、取り寄せであれば用意出来ると答えたので、特に問題はないようだ。
「本当にいっくんも指輪してくれるの?」
「もちろん。けど八人分全部を左手の薬指に嵌められないからねぇ」
「大丈夫、八人で一つの種類を選ぶから」
燈子が皆に声を掛け、どうせなら妻達で統一しようと持ち掛けたのだ。
それぞれ好みのデザインの指輪を選ぶよりも、伊吹とお揃いの指輪の方が良いと皆が思ったからだ。
「同じデザインの指輪をファングッズとして売り出したら大儲け出来そうやな」
いやらしい笑みを浮かべるマチルダに、伊吹が現在準備中の計画を伝える。
「イベントをやるって言ってただろ? 同人誌即売会みたいな。
あの決済用に、スマートリングを開発してもらってるんだ」
伊吹は最初、安藤家の四兄弟のイラストが入ったプリペイドカードを用意しようかと思ったのだが、前世でスマートリングという指輪型決済デバイスがあったなと思い出したのだ。
「スマホのアプリでクレジットカードと連携させてスマートリングでクレジット決済が出来るようにする、って事か」
「そう。この話を持ち込んだら宮坂信販がずいぶん乗り気になってるらしくって。
スマートリングが普及すればクレカを使ってくれる人が増えるだろうって張り切ってるみたい。
今から非接触型の決済機器を準備して、近い内に全国の契約店に配布するらしい」
「そのスマートリング、四兄弟で色分けして四種類用意するやろ?
ほんで、イベントごとに新しいデザインを発表してやればガンガン売れるで」
「連携させるリングは一つに絞っておいて、その日その日でペアリングし直せばリングが手元にいくつあろうが問題にはならなさそうだな」
妻達が結婚指輪を選んでいる中、伊吹は新しいビジネスの考案に勤しむのだった。
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