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第十四章:結婚式に向けて
翔ノ塔
伊吹は立食交流会の後、そのままVividColorsの新社屋に泊まった。
空音と一夜を共にした訳だが、初めての行為で空音が気絶してしまい、結局は藍子と燈子と智枝の三人掛かりで伊吹を鎮める事になってしまった。
空音は美子と京香によって身体を洗われた後、客室へ寝かされた。
そして翌朝。せっかく来たのだからと、伊吹は立食交流会が催された十二階建てのこのビルの室内を見て回る事にした。
「こちらは翔ノ塔と名付け、主に来客対応用に改装致しました。
一部、ご主人様のご要望も取り入れております」
智枝の案内で一階部分から見て回る。一部まだ内装や家具の搬入が出来ていないところもあるが、ほとんどの部屋は完成している。
「他の部屋もまんまラブホだな」
空音を連れ込んだ部屋を含め、複数用意された小部屋は、伊吹が婚約者達にせがまれて話したラブホテルの雰囲気そのままとなっている。
実際には伊吹は利用した事がないのだが、アニメやドラマなどで見た通りの出来映えに驚いている。
「ちゃんと電車の車両内部も再現してるのか……。
智枝、そこに立って。うーん、もうちょっと足を開いて」
ご丁寧に下が鏡張りになっていたりと、なかなか作り込まれている。
ぶち抜きとなっているパーティー会場部分以外の五階分が化粧部屋か、もしくはラブホの部屋にされている。
自分以外が利用する事はないだろうと思うと、庶民派が抜けない伊吹には少しもったいないなと感じてしまう。
六階部分と七階部分もぶち抜かれ、全体がゲームセンター風になっている。
アーケードゲームについては完成しておらず、ボーリング場も試作段階の為に導入出来ていない。
クレーンゲームとダーツの筐体、卓球台とビリヤード台が設置されており、バッティングマシンとゴルフの打ちっぱなしはネットに向かって打つように工夫されている。
メダルコーナーとして押し板が迫り出して来てメダルを落とす筐体が置かれており、その近くにはスロット台も設置されている。
さらにはカジノテーブルが設置されていて、ディーラー役として伊吹の侍女の一人が立っており、カードゲームやルーレットが楽しめると説明を受けた。
この世界の賭け事も、当然法律で定められたルールに則って行われる為、ビルの一室でお金を掛ける訳にはいかない。その代わりにメダルを賭けて雰囲気を楽しめるようになっているのだ。建前上は。
八、九階はそれぞれ客室となっており、昨日のようなパーティーが行われた際に来客の控え室として使えたり、そのまま宿泊したりが可能な部屋となっている。
年中来客がある訳ではないので、こちらにも伊吹の侍女達の持ち回りによって管理・運営される。
「昨夜はご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんでした」
母親の手を借りながら、空音が伊吹へ謝罪する。
「いや、気にしないで良いよ。最初は皆あんなものだから」
「次は必ず最後までお務めしてみせますわ」
日頃、伊吹の相手を務めている八人の中で、最初から最後まで伊吹の相手が出来る女性はまだ一人もいないのだが、その事は空音には伝えず、伊吹は微笑むのみに留めた。
「これは素晴らしいな」
十階には室内庭園が造られており、喫茶テーブルやバーカウンターが設置されている。
「ご主人様がご実家で草木を愛でておられたからと、侍女の方々の要望がありました」
智枝がこの庭園が出来た経緯を説明する。
「そうなんだ、嬉しいよ。皆さん、ありがとうございます」
伊吹が草木の手入れをしていた侍女達へ礼を伝えると、皆が嬉しそうな表情を浮かべていた。
この侍女達は、伊吹がご近所のおばちゃ……、お姉様だと思っていた者達だ。
「新社屋全体が完成したら、毎日ここでお茶休憩するよ。あと、鳥とか放し飼いに出来たら良いよね。オウムとかフクロウとか。
まぁ僕がお世話する訳じゃないから、あまり無責任な事は言えないけど」
伊吹が口にしてしまった以上、侍女達の中では決定事項になるのだが、伊吹はまだその事に気付いていない。
十一、十二階もぶち抜きでミニシアターが二ヶ所設置され、カラオケも楽しめるよう準備が進められている。
ただ、現状で伊吹が思い浮かべるような歌が配信されていないので、新レーベルである藍吹伊音房の本格始動までは使用される予定がない。
「映画、映画なぁ。そこまで手が回らないなぁ」
「世界中からVCスタジオへ仕事の依頼や技術協力の依頼が来てるよ?」
藍子がそう伊吹へ伝えるが、本当に大切なのは映像技術ではなく脚本であると伊吹は思っている。
まだまだ伊吹以外が作る娯楽で、伊吹が楽しめるものが出現していない為、まだまだ走り続けないとならないと思う反面、当分は誰にも追い抜かされないよう走り続けようと思う伊吹であった。
ちなみに、翔ノ塔の屋上はヘリポートになっており、今後藍吹伊通り二丁目が出来た際はここから移動する事になる予定である。
空音と一夜を共にした訳だが、初めての行為で空音が気絶してしまい、結局は藍子と燈子と智枝の三人掛かりで伊吹を鎮める事になってしまった。
空音は美子と京香によって身体を洗われた後、客室へ寝かされた。
そして翌朝。せっかく来たのだからと、伊吹は立食交流会が催された十二階建てのこのビルの室内を見て回る事にした。
「こちらは翔ノ塔と名付け、主に来客対応用に改装致しました。
一部、ご主人様のご要望も取り入れております」
智枝の案内で一階部分から見て回る。一部まだ内装や家具の搬入が出来ていないところもあるが、ほとんどの部屋は完成している。
「他の部屋もまんまラブホだな」
空音を連れ込んだ部屋を含め、複数用意された小部屋は、伊吹が婚約者達にせがまれて話したラブホテルの雰囲気そのままとなっている。
実際には伊吹は利用した事がないのだが、アニメやドラマなどで見た通りの出来映えに驚いている。
「ちゃんと電車の車両内部も再現してるのか……。
智枝、そこに立って。うーん、もうちょっと足を開いて」
ご丁寧に下が鏡張りになっていたりと、なかなか作り込まれている。
ぶち抜きとなっているパーティー会場部分以外の五階分が化粧部屋か、もしくはラブホの部屋にされている。
自分以外が利用する事はないだろうと思うと、庶民派が抜けない伊吹には少しもったいないなと感じてしまう。
六階部分と七階部分もぶち抜かれ、全体がゲームセンター風になっている。
アーケードゲームについては完成しておらず、ボーリング場も試作段階の為に導入出来ていない。
クレーンゲームとダーツの筐体、卓球台とビリヤード台が設置されており、バッティングマシンとゴルフの打ちっぱなしはネットに向かって打つように工夫されている。
メダルコーナーとして押し板が迫り出して来てメダルを落とす筐体が置かれており、その近くにはスロット台も設置されている。
さらにはカジノテーブルが設置されていて、ディーラー役として伊吹の侍女の一人が立っており、カードゲームやルーレットが楽しめると説明を受けた。
この世界の賭け事も、当然法律で定められたルールに則って行われる為、ビルの一室でお金を掛ける訳にはいかない。その代わりにメダルを賭けて雰囲気を楽しめるようになっているのだ。建前上は。
八、九階はそれぞれ客室となっており、昨日のようなパーティーが行われた際に来客の控え室として使えたり、そのまま宿泊したりが可能な部屋となっている。
年中来客がある訳ではないので、こちらにも伊吹の侍女達の持ち回りによって管理・運営される。
「昨夜はご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんでした」
母親の手を借りながら、空音が伊吹へ謝罪する。
「いや、気にしないで良いよ。最初は皆あんなものだから」
「次は必ず最後までお務めしてみせますわ」
日頃、伊吹の相手を務めている八人の中で、最初から最後まで伊吹の相手が出来る女性はまだ一人もいないのだが、その事は空音には伝えず、伊吹は微笑むのみに留めた。
「これは素晴らしいな」
十階には室内庭園が造られており、喫茶テーブルやバーカウンターが設置されている。
「ご主人様がご実家で草木を愛でておられたからと、侍女の方々の要望がありました」
智枝がこの庭園が出来た経緯を説明する。
「そうなんだ、嬉しいよ。皆さん、ありがとうございます」
伊吹が草木の手入れをしていた侍女達へ礼を伝えると、皆が嬉しそうな表情を浮かべていた。
この侍女達は、伊吹がご近所のおばちゃ……、お姉様だと思っていた者達だ。
「新社屋全体が完成したら、毎日ここでお茶休憩するよ。あと、鳥とか放し飼いに出来たら良いよね。オウムとかフクロウとか。
まぁ僕がお世話する訳じゃないから、あまり無責任な事は言えないけど」
伊吹が口にしてしまった以上、侍女達の中では決定事項になるのだが、伊吹はまだその事に気付いていない。
十一、十二階もぶち抜きでミニシアターが二ヶ所設置され、カラオケも楽しめるよう準備が進められている。
ただ、現状で伊吹が思い浮かべるような歌が配信されていないので、新レーベルである藍吹伊音房の本格始動までは使用される予定がない。
「映画、映画なぁ。そこまで手が回らないなぁ」
「世界中からVCスタジオへ仕事の依頼や技術協力の依頼が来てるよ?」
藍子がそう伊吹へ伝えるが、本当に大切なのは映像技術ではなく脚本であると伊吹は思っている。
まだまだ伊吹以外が作る娯楽で、伊吹が楽しめるものが出現していない為、まだまだ走り続けないとならないと思う反面、当分は誰にも追い抜かされないよう走り続けようと思う伊吹であった。
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