転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを

なつのさんち

文字の大きさ
206 / 243
第十四章:結婚式に向けて

お義母さん

 しょうノ塔からいつものビルへ帰り、事務所で伊吹いぶき智枝ともえからその他の塔の説明を受けている。

 伊吹の自宅としての機能が集中しているビルが、ノ塔。
 VividColorsヴィヴィッドカラーズの本社機能と子会社が入るビルが、きょくノ塔。
 VividColorsの子会社の中でも特に配信に必要な技術が集められているビルが、えいノ塔。
 そして主に来客対応用として使われる、翔ノ塔。
 この四つのビルが伊吹の公私を支える拠点となる。

 まず自宅部分となる治ノ塔から。伊吹が使う主寝室が最上階の十二階にあり、藍子あいこ燈子とうこの個室もこのフロアに用意される。

 治ノ塔はその他、妻となる女性達の個室と将来生まれるであろう子供部屋や、マッサージルームと大浴場が作られている。
 伊吹が望んだ大きな食堂と、ジムと道場も完成済みだが、大きな水槽については設置出来ていない。これから搬入される予定だ。回転寿司などの設備も引き続き、開発が進められている。
 ここまでの上層が伊吹とその家族の住居スペースとなっている。

 中層部分に、伊吹と妻達の衣装部屋と併設して、侍女達が裁縫を行う部屋も用意されている。
 また、頻繁に外へ出る事を避ける為、内科・歯科・産婦人科の常勤医を雇って、ある程度の診察が出来る設備も用意されている。
 会社関係ではVividColorsの社長室などの役員室と経営企画室がこのビルに入る。

  伊吹の侍女達の部屋は下層階に集中している。
 一階と二階はぶち抜きで駐車場にされており、警備室もこのフロアに設置される。

 その他空き部屋が目立っているが、今後増えるであろう伊吹の妻の部屋と、妻付きの侍女の部屋になる予定だ。


美子よしこさんと京香きょうかさんの部屋はどこ?」

「私達は下層階の侍女用のお部屋をお借りする予定です」

 美子の答えに対して、伊吹が難色を示す。

「何で? 二人は僕の家族なんだから、もっと上の家族フロアの部屋を使ってほしいんですけど」

「いえ、そういう訳には……」

 美子も京香も遠慮して伊吹の提案を素直に受けようとしない。

美哉みや橘香きっかは僕の妻になるんですから、二人は僕のお義母さんになる訳です。
 元々母親代わりになってくれていた二人ですから、近くにいてほしいんです」

 二人が伊吹の実の母親である咲弥さくやを差し置いて、そんな扱いは受けられないと、恐縮している。

「そのような過分を扱いを受けるなど、とても咲弥様に合わせる顔がなく……」

「でも二人がいなかったら、今頃僕は屋敷で外国の機関に拉致されていたかも知れないんですよ?」

「いえ、あの屋敷の周りには侍女が多く控えており……」

 あぁ言えばこう言う、というようなやり取りを数度繰り返す三人。伊吹は家族として、二人は侍女としての立場を崩さない。
 そこで、伊吹は奥の手を使う事にした。

「美哉、橘香。こっちに来て座って」

 伊吹が自分の座っているソファーの左右をポンポンと叩き、二人を座らせる。

「本当は確定するまで言いたくなかったんですけど……」

 そこまで言い、伊吹が美哉と橘香の表情を確認する。二人は伊吹に対して頷いてみせた。

「二人は今、月のものが来ていません」

「「っ!?」」

 美子と京香が驚く。
 伊吹は美哉と橘香から、早い段階で生理が遅れている事を伝えられていた。伊吹との性行為が母体にどのような影響を与えるか分からない為、二人は早々に伝えるという判断をした。
 先に言っておかないと、伊吹は二人を毎晩のように求めるからだ。

「まだ確定ではありません。多少ずれているだけ、という可能性もありますが、もしもこのお腹に僕と美哉の子、僕と橘香の子がいるのなら、二人はこの子達のおばあちゃんという事になります」

 美子と京香の目から、はらはらと涙が零れ落ちる。

「この子達が生まれたら、美哉と橘香の手助けを二人にお願いしたい。
 それもあって、上層の住居スペースに二人の部屋が必要になるんです」

 伊吹は愛おしそうに、二人のお腹を撫でる。まだ膨らんでもいなく、医師の診察を受けた訳でもないが、伊吹はきっといると信じている。
 美哉も橘香も、お腹を撫でる伊吹の手に自らの手を重ね、嬉しそうな表情を浮かべている。

「美哉のお母さん、橘香のお母さん、僕のお義母さん、孫達のおばあちゃん。
 これだけ言っても、一緒に住んでもらえませんか?」

「「謹んでお受け致します」」

 このやり取りからさらに数週間後、治ノ塔へ配属された産婦人科医から、美哉と橘香の妊娠の診断がなされた。
感想 23

あなたにおすすめの小説

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!