転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界に彩りを

なつのさんち

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第十四章:結婚式に向けて

新しい動画共有サービス

「どこの世界にもネットに強いニキネキがおるんやなぁ」

 マチルダがジニーとキャリーとイリヤを伴って事務所へと入って来た。
 伊吹いぶきは連日のレコーディング作業に追われており、今も休憩しながらデモテープを聞いている。

「あぁ、今日はねぇちゃんねるの管理人と会う日なんだっけ。
 どんな人だった? 論破された?」

「何考えてるんか分からん変わった二人やったわ」

 マチルダは、元YourTunesユアチューンズ執行役員のジニーとその部下だったキャリー、そして人工知能開発技術者のイリヤの三人と共に、ねぇちゃんねる掲示板の管理人に会って来た。
 管理人であるひろことゆきえが英語を喋れる為、同行予定だったメアリーが行く必要がなくなったのだが、面白そうだからと理由でマチルダがイリヤに頼んで連れて行ってもらったのだ。
 ちなみに、ねぇちゃんねる掲示板は宮坂家みやさかけの影響下にある。

 ジニーがYourTunesを解雇された事で、ジニーの部下である開発担当者の半数がYourTunesへ退職希望を出した。
 ジニーとキャリーのように解雇された訳ではないので、引き継ぎ等がありすぐさま退職とはいかない。
 ジニーの部下達が日本に来るまで時間が掛かるので、それまでにVividColorsヴィヴィッドカラーズ謹製動画共有サービスの大まかな概要を考える事になった。
 ジニーだけが概要を考えても、それはYourTunesの二番煎じであると指摘されてしまう恐れがある。
 その為、日本のネット文化に詳しいネキこと、ひろことゆきえに白羽の矢が立ったのだ。

安藤家あんどうけの四兄弟を全面に出して、サイト内であれば自由に二次創作出来るようにすればどうかって提案してたで」

 ひろことゆきえは、新しい動画共有サービス内でのみ、動画の合成や音声の差し替えを許可してはどうかと提案してきた。
 MAD動画と言われるもので、既存の動画や音声や画像を寄せ集め、切り貼りして再編集する二次創作動画だ。

「ただの切り抜き動画じゃなくてって事か」

「そうそう。例えば、『ショタきゅんのこの表情が好き♡』って字幕を入れたり、動画と動画を繋ぎ合わせて兄弟間で会話してる風に編集してみたり」

「じゃあ編集しやすいように素材用の動画を用意して投稿するってのもありかな」

「おぉ、ええんちゃう?」

 二人の会話をキャリーが英語に通訳し、ジニーとイリヤへ説明している。

 キャリーは伊吹との面接の後、大喜利に擬態させた転生者選別問題を紫乃しのが読み聞かせ、確かに前世の記憶がある事が判明している。

 日本で暮らしているうちに少しずつ自分が日本人であった記憶が戻って来てきたので、今では流暢に会話出来るだけでなく、読み書きまで完璧に思い出している。

「あと、安藤家は動きと声を自由に操作出来るんやから、無限に広告動画が作れるやろうって」

「広告動画?」

 ひろことゆきえの言う広告動画とは、動画と動画の間や動画再生中に流れる広告の事であり、その広告動画に安藤家を出演させるのはどうか、という話だ。

 VCスタジオとVCうたかたラボの技術力が向上した為、今となっては伊吹がいなくても安藤家を動かし喋らす事が出来るようになっている。その技術を生かして、広告制作をしてはどうかという提案だ。
 歌わせる技術については継続して開発中だ。
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