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第十五章:結婚式
この世界に彩り
「しかし話せば話すほど伊吹はしっかりしていて驚かされるな。
どんな教育を受けて来たのか詳しく聞かせてほしいものだ。
うちの賢章も甘やかしてばかりではいかんと思うのだがなぁ」
「あなた。そのお話についてはまたに致しましょう」
茜としては、自分以外の賢一の妻に関わる話題である為、本人達がいない場では上げたくない話題である。
「そうか、そうだな。
伊吹、藍子、燈子。本当におめでとう。近い内にうちに顔を見せに来てくれ。
うちにはまだまだ若い娘がいるからな」
賢一が藍子と燈子の目の前で、堂々と他の娘を売り込む。これも宮坂家当主として相応しい姿ではあるのだが、どうしても伊吹は違和感を覚えずにいられない。
福乃に聞かされた出生率の秘密。人工授精であれば男女比は一対三万であるが、自然妊娠であれば一対百であると伊吹は知っている。
つまり、琥珀の弟、賢章が生まれたという事は、賢一には単純計算で百人の娘がいる事になる。
藍子と燈子と紫乃と翠、そして秘書として派遣されている賢一の娘を入れても、まだ半分以上伊吹が会った事がない娘がいる。
伊吹は皇室の血を継ぐ男子とは別に、宮坂家へ送り出す男子ももうけなければならない。
つまり、単純計算で二百人の娘が生まれる事になり……。
(女にとって地獄の世界、か……)
マチルダの言葉が伊吹の脳内に重く響く。
「そうですね。近いうちに、必ず」
生まれてくる子供の事を考えてしまうと、この世界の常識、あり方について考え込んでしまう。
すでに最愛の妻、美哉と橘香が自分の子供を身籠っているから以来、ずっと頭にこびり付いて離れないのだ。
自分に出来る事など少ないと分かっているが、それでも伊吹はこの世界を変えたいと強く願う。
せめて自分の子供、そして自分を支えてくれる仲間達、さらにはVividColorsの活動を楽しんでくれる視聴者達も。
その為にも、藍子と燈子と力を合わせ、この世界に彩りを与えていかなければならない。
伊吹は藍子と燈子の腰に手を回し、抱き寄せる。二人は嬉しそうに伊吹に抱き着いてきた。
「ふん、見せつけてくれるじゃないか!
行くぞ、茜」
賢一が茜の肩を抱き、颯爽と部屋を出て行こうとするが、出口とは逆方向に歩いてしまった為、途中で引き返して出て行った。
茜が苦笑を浮かべていたが、伊吹には嬉しそうな表情にも見えた。
「さて……。この後は披露宴動画が配信されて、明日はバンドの生配信生演奏でのライブか。
忙しくなるなぁ」
藍子と燈子の肩を抱いたまま、伊吹がしみじみと呟く。
「やっぱり延期する?」
「もうちょっとゆっくりしても良いんだよ?」
藍子と燈子が伊吹の身体を心配するが、伊吹はそんな二人の左手に光る指輪に触れ、それぞれにキスを落とす。
「いや、大丈夫だよ。僕はやりたい事をやるだけだから、心配しないで」
そして伊吹は二人に向き直り、改めて伝えておくべき事を聞かせる。
「美哉と橘香が二人同時に妊娠したのは滅茶苦茶嬉しいけど、その事で二人が焦る必要はないし、重圧だと感じないでほしいんだ。
子供が出来ないなら出来るまで抱くし、出来た後も抱く。もし男の子を産んだとしても抱く。嫌だって言うなら考えるけど、やっぱり口説いて抱くと思う。
それくらい、藍子の事も燈子の事も愛してる。
だから、これからもよろしくね?」
「……伊吹!」
「……いっくん!」
藍子と燈子は、美哉と橘香の妊娠を聞き、嬉しい気持ちと同時に不安感を抱えていた。
もし万が一、子供が出来なかったらどうしよう。もし出来なかったら、伊吹の妻として相応しくないという事になる。
しかし、伊吹は藍子と燈子へ心配するなと言い聞かせた。出来なければ出来るまで抱く、と。
二人にとって、これほど頼もしい言葉はない。
伊吹が藍子と燈子を抱き締め、頭を撫でている後ろ側で、部屋の隅に控えていた智枝が感極まった表情で涙を流していた。
どんな教育を受けて来たのか詳しく聞かせてほしいものだ。
うちの賢章も甘やかしてばかりではいかんと思うのだがなぁ」
「あなた。そのお話についてはまたに致しましょう」
茜としては、自分以外の賢一の妻に関わる話題である為、本人達がいない場では上げたくない話題である。
「そうか、そうだな。
伊吹、藍子、燈子。本当におめでとう。近い内にうちに顔を見せに来てくれ。
うちにはまだまだ若い娘がいるからな」
賢一が藍子と燈子の目の前で、堂々と他の娘を売り込む。これも宮坂家当主として相応しい姿ではあるのだが、どうしても伊吹は違和感を覚えずにいられない。
福乃に聞かされた出生率の秘密。人工授精であれば男女比は一対三万であるが、自然妊娠であれば一対百であると伊吹は知っている。
つまり、琥珀の弟、賢章が生まれたという事は、賢一には単純計算で百人の娘がいる事になる。
藍子と燈子と紫乃と翠、そして秘書として派遣されている賢一の娘を入れても、まだ半分以上伊吹が会った事がない娘がいる。
伊吹は皇室の血を継ぐ男子とは別に、宮坂家へ送り出す男子ももうけなければならない。
つまり、単純計算で二百人の娘が生まれる事になり……。
(女にとって地獄の世界、か……)
マチルダの言葉が伊吹の脳内に重く響く。
「そうですね。近いうちに、必ず」
生まれてくる子供の事を考えてしまうと、この世界の常識、あり方について考え込んでしまう。
すでに最愛の妻、美哉と橘香が自分の子供を身籠っているから以来、ずっと頭にこびり付いて離れないのだ。
自分に出来る事など少ないと分かっているが、それでも伊吹はこの世界を変えたいと強く願う。
せめて自分の子供、そして自分を支えてくれる仲間達、さらにはVividColorsの活動を楽しんでくれる視聴者達も。
その為にも、藍子と燈子と力を合わせ、この世界に彩りを与えていかなければならない。
伊吹は藍子と燈子の腰に手を回し、抱き寄せる。二人は嬉しそうに伊吹に抱き着いてきた。
「ふん、見せつけてくれるじゃないか!
行くぞ、茜」
賢一が茜の肩を抱き、颯爽と部屋を出て行こうとするが、出口とは逆方向に歩いてしまった為、途中で引き返して出て行った。
茜が苦笑を浮かべていたが、伊吹には嬉しそうな表情にも見えた。
「さて……。この後は披露宴動画が配信されて、明日はバンドの生配信生演奏でのライブか。
忙しくなるなぁ」
藍子と燈子の肩を抱いたまま、伊吹がしみじみと呟く。
「やっぱり延期する?」
「もうちょっとゆっくりしても良いんだよ?」
藍子と燈子が伊吹の身体を心配するが、伊吹はそんな二人の左手に光る指輪に触れ、それぞれにキスを落とす。
「いや、大丈夫だよ。僕はやりたい事をやるだけだから、心配しないで」
そして伊吹は二人に向き直り、改めて伝えておくべき事を聞かせる。
「美哉と橘香が二人同時に妊娠したのは滅茶苦茶嬉しいけど、その事で二人が焦る必要はないし、重圧だと感じないでほしいんだ。
子供が出来ないなら出来るまで抱くし、出来た後も抱く。もし男の子を産んだとしても抱く。嫌だって言うなら考えるけど、やっぱり口説いて抱くと思う。
それくらい、藍子の事も燈子の事も愛してる。
だから、これからもよろしくね?」
「……伊吹!」
「……いっくん!」
藍子と燈子は、美哉と橘香の妊娠を聞き、嬉しい気持ちと同時に不安感を抱えていた。
もし万が一、子供が出来なかったらどうしよう。もし出来なかったら、伊吹の妻として相応しくないという事になる。
しかし、伊吹は藍子と燈子へ心配するなと言い聞かせた。出来なければ出来るまで抱く、と。
二人にとって、これほど頼もしい言葉はない。
伊吹が藍子と燈子を抱き締め、頭を撫でている後ろ側で、部屋の隅に控えていた智枝が感極まった表情で涙を流していた。
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