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プロローグ

憂鬱な帰り道

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 真智子まちこはついにこの日が来てしまったかと、重い足取りで家路を歩いていた。
 いっそ寄り道をして時間を潰し、寝静まった頃に帰宅しようか。
 いや、だが相手は覚えていないかも知れない。
 それに、自分の帰りが遅いと心配性の祖母が不審がるだろう。

 何かあったのかと疑われるのは困る。顔を合わせるのが気まずいのだろうと気付かれてはもっと困る。
 何故気まずいのか、その原因を探られるのがもっとも困る。

 絶対に言えない、10年前に洋太ようたに対して性的イタズラをしていたなど……。


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