仔羊が狼になって帰って来た

なつのさんち

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無口な大学生

再会

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「ただいまー」

 努めていつも通りを装い、自宅の玄関を上がる真智子。
 玄関には大きな白いスニーカーが置かれていた。目測でおよそ27センチほどか。
 これで洋太が華奢な男子大学生ではない事がほぼ確定してしまった。

「真智子、先に顔だけ見せなさいな」

 居間には寄らず先に部屋で着替えて時間を稼ごうという作戦は母親によって未然に防がれてしまった。

(まぁ一応お土産もあるしな)

 コンビニで買った両親と祖母と洋太と自分、5つのいちご大福が入ったレジ袋を寿司折のように掲げて居間のふすまを開ける。
 まず目に入ったのはニコニコとしている祖母。後期高齢者となりどんどん背が縮んでいき、可愛らしいおばあちゃんという格好で正座している。

(えっ、デカくない!?)

 その隣に座っているのが、熊のように体格が大きい男。小さくて可愛らしいおばあちゃんの隣だから余計に大きく見える。

(びっ、ビビっちゃダメ。自然に! 8歳の頃の洋太と同じ接し方で行こう)

「久しぶりー。大きくなったね! はいコレお土産」

 テーブルにいちご大福を置いて行く真智子。

「あらあら人数分買って来てくれたの? さっき果物いっぱい剥いた後なんだけど、洋太君は甘い物も好きかしら?」

「っス」

 母親の問い掛けに首だけ動かして答える洋太。完全に部活で鍛えられた体育会系男子である。
 日に焼けた肌も相まって、少し前にテレビに出ていたラグビー選手のような雰囲気。

「そっか、良かった。じゃあ食べといて。先に着替えて来るね」

「何でビールじゃないんだ」

「洋太はまだ未成年でしょーが」

 文句を言っている父親にツッコミを入れつつ、背を向けて居間から出る真智子。
 階段を上がって自室のベッドへダイブ。

(ヤバイ、目を見れなかった……!)

 性的なイタズラをしていた対象との久しぶりの再会。
 外見上は至って普通に対応出来ているように見えるが、内心ではすでに満身創痍になっている真智子なのだった。
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