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Main story
え、誰!?
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腰に掛かる負荷によって目が覚めた。
最初に目に入ったのは紺色の見慣れたセーラー服。巻かれた棒タイは白。俺と同じ二年のものだ。
棒タイは胸の豊かな膨らみを強調する役割を果たしている。実に良い仕事をしていますね。
その膨らみから視線を上げ、発育のよろしい身体の持ち主の顔を見やる。
肩あたりで揃えられた黒髪。濡れた瞳。ぷるんと柔らかそうな赤い唇。その口角はにぃ、と上がっている。
「え、誰!?」
「……伊千郎、おはよ♪」
おはよ、じゃないよ!? 誰だよ俺の股間に跨ってんのはよー!?
寝起きだし、朝だし、俺男だし、生理現象があれだし、ちょうど良い感じにジャストでフィットしてるし!!
「すみません、誰だか存じませんが降りてもらえますか!?」
伊千香の友達だろうか。いや妹は寝起きドッキリを仕掛けるような突飛な性格ではない。
「寝惚けてるの? それともボケてるの?」
寝惚けているつもりはない。目覚めは良いともっぱらの評判を受けている俺が、起き抜けだからと人の顔を忘れるとは思えない。
「どちらかというとツッコミじゃない……」
「下ネタ!? ちょっと早くどいて下さいよ!」
健全な男子高校生の上に自ら跨っておいてその発言はどうかと思うよ、マジで。場合によっては精神的ショックから来るEDになる可能性もなくはない。
もっとも、健全なDKなら下ネタ大好きなのでそれくらいでショックを受けるとは思えないが。
「えー、いっくんがあたしに敬語使うなんて、すごーくショックなんだけど」
女の子は俺の胸に両手を置いて、指先でリズムを刻む。これ、俺の脈拍と連動してないか?
ただでさえ整った顔つきの女の子が近くにいるんだ。それも上に伸し掛かられている状態。心臓がバクバク音を立てるのも無理はないと思う。
ってか、いっちゃんって誰だよ! 何でもいいからとにかく離れて! 本能が野生の素晴らしさを語り掛けて来るから早くどいて!!
身体に触れるのも躊躇われるので、無理矢理どかせる事も出来ない。
「離れて!」
「離れてって言われても家は隣だし、学校も一緒だよ?」
「いいから早く!」
もはや知らない女の子に触れられないなんて言ってられん。でも胴体を触ってしまうと間違ってそのふくよかな凶器に触れてしまうかしれない。
凶器に触れてしまえば終わってしまう。叫ばれでもしたら社会的に抹殺される。
俺は慎重に腕を伸ばし、胸元に置かれている両手首を掴む。
女の子の両手首を押しのけるも、ここからどのようにすれば自分の上に跨っている女の子をどかす事が出来るのだろうか。
「お兄ちゃーん、起きたー?」
まずい、伊千香がトントンと音を鳴らして階段を上がって来る。今の状況を説明出来ない。
朝起きたら知らない女の子が股間に跨ってんだよね、なんて絶対に誰も信じてくれない。
逆に無理矢理家に連れ込んだと思われなくもないのではないだろうか。いや分からんがどちらにしてもこれ以上まずい状況はないだろう。
さてどうしようと考えようとしたんだ。したんだよ。したんだけど出来なかった。
イタズラ好きそうな目をした知らない女が、思い切り後ろに体重を掛けて体勢を変えやがった。
これ以上まずい状況はないだろうと言ったさっきの発言を取り消そう。さらにまずい状況になってしまった。
伊千香が俺の部屋の扉を開けて最初に見た光景は、俺が知らない女を押し倒しているという最悪な状況だったのだ。
最初に目に入ったのは紺色の見慣れたセーラー服。巻かれた棒タイは白。俺と同じ二年のものだ。
棒タイは胸の豊かな膨らみを強調する役割を果たしている。実に良い仕事をしていますね。
その膨らみから視線を上げ、発育のよろしい身体の持ち主の顔を見やる。
肩あたりで揃えられた黒髪。濡れた瞳。ぷるんと柔らかそうな赤い唇。その口角はにぃ、と上がっている。
「え、誰!?」
「……伊千郎、おはよ♪」
おはよ、じゃないよ!? 誰だよ俺の股間に跨ってんのはよー!?
寝起きだし、朝だし、俺男だし、生理現象があれだし、ちょうど良い感じにジャストでフィットしてるし!!
「すみません、誰だか存じませんが降りてもらえますか!?」
伊千香の友達だろうか。いや妹は寝起きドッキリを仕掛けるような突飛な性格ではない。
「寝惚けてるの? それともボケてるの?」
寝惚けているつもりはない。目覚めは良いともっぱらの評判を受けている俺が、起き抜けだからと人の顔を忘れるとは思えない。
「どちらかというとツッコミじゃない……」
「下ネタ!? ちょっと早くどいて下さいよ!」
健全な男子高校生の上に自ら跨っておいてその発言はどうかと思うよ、マジで。場合によっては精神的ショックから来るEDになる可能性もなくはない。
もっとも、健全なDKなら下ネタ大好きなのでそれくらいでショックを受けるとは思えないが。
「えー、いっくんがあたしに敬語使うなんて、すごーくショックなんだけど」
女の子は俺の胸に両手を置いて、指先でリズムを刻む。これ、俺の脈拍と連動してないか?
ただでさえ整った顔つきの女の子が近くにいるんだ。それも上に伸し掛かられている状態。心臓がバクバク音を立てるのも無理はないと思う。
ってか、いっちゃんって誰だよ! 何でもいいからとにかく離れて! 本能が野生の素晴らしさを語り掛けて来るから早くどいて!!
身体に触れるのも躊躇われるので、無理矢理どかせる事も出来ない。
「離れて!」
「離れてって言われても家は隣だし、学校も一緒だよ?」
「いいから早く!」
もはや知らない女の子に触れられないなんて言ってられん。でも胴体を触ってしまうと間違ってそのふくよかな凶器に触れてしまうかしれない。
凶器に触れてしまえば終わってしまう。叫ばれでもしたら社会的に抹殺される。
俺は慎重に腕を伸ばし、胸元に置かれている両手首を掴む。
女の子の両手首を押しのけるも、ここからどのようにすれば自分の上に跨っている女の子をどかす事が出来るのだろうか。
「お兄ちゃーん、起きたー?」
まずい、伊千香がトントンと音を鳴らして階段を上がって来る。今の状況を説明出来ない。
朝起きたら知らない女の子が股間に跨ってんだよね、なんて絶対に誰も信じてくれない。
逆に無理矢理家に連れ込んだと思われなくもないのではないだろうか。いや分からんがどちらにしてもこれ以上まずい状況はないだろう。
さてどうしようと考えようとしたんだ。したんだよ。したんだけど出来なかった。
イタズラ好きそうな目をした知らない女が、思い切り後ろに体重を掛けて体勢を変えやがった。
これ以上まずい状況はないだろうと言ったさっきの発言を取り消そう。さらにまずい状況になってしまった。
伊千香が俺の部屋の扉を開けて最初に見た光景は、俺が知らない女を押し倒しているという最悪な状況だったのだ。
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