お坊ちゃまはシャウトしたい ~歌声に魔力を乗せて無双する~

なつのさんち

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避けて通れない複雑で繊細な問題

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 この世界の常識は、俺をとても驚かせて来る事が多い。
 ただでさえ日本という国は島国、そして鎖国をしていた事から、他国との常識や当たり前というものがかけ離れている事があった。

 今は世界そのものが違う。
 そして俺は貴族という特殊な立場に生まれた。
 俺が慣れていかなければならないのは分かっているが、ちょっと今回はさすがに面食らった。
 父上が出て行った部屋で一人、横になって先ほどの会話を思い出す。

 父上が俺にあの娘は好みのタイプだったか確認した理由は、そろそろ初体験をしたらどうだ? という提案だった。
 自分でもたまに忘れる事がある。
 精神年齢は別として、アルティスラという男の子は十四歳なのである。

 背もこの数ヶ月でぐんと伸びできたし、もちろん精通もしている。
 常に人目がある環境にいるので、自家発電の機会はとても少ないが……。
 俺としては少々自分の身体に疑問を抱いている。
 精通はしているが、髭が生えてこない。
 声変わりもまだ。
 そして、このくらいの年齢の男の子が朝起きた時に非常に困る生理現象が見られない。
 毎朝スタンダップしてるヤツも、月に一回くらいの確率で自爆してしまうヤツも。

 前世で十四歳だった時には毎朝存在感を主張していたし、家族に隠れて洗濯した経験だってある。
 それに比べてこの身体はあまりに大人しいと感じてしまう。
 だが、何度も言うように地球での常識がこの世界では通用しない。
 焦る必要などないし、なるようになるんだろうと思っていた。

 そこに来ての父上からの提案。
 簡単に言うと、恥ずかしい思いをしても問題ない女なんだから練習台にしちゃえばどう? という提案なのだ。

 貴族の性事情はお家を残す為には絶対に避けて通れない複雑で繊細な問題である、らしい。
 母上や父上、そして屋敷内の侍女やメイド、執事達の俺に対するやや過剰な気遣いからそう感じる。

 俺がどこぞのレディとファーストナイトにベッドをトゥギャザーする時、何かショッキングなサムシングがハプンする事で、マイサンがインポテンツになる事をベリベリウォーリーしているのだ。
 そこまで繊細な扱いを受けた事がないので正直放っておいてほしいと思っている。

 正直に告白すると、俺は前世でもそのような経験は致していない。
 この世界においてももちろんまだだ。
 好きだとか恋だとか、ましてや愛など知らん。
 学生時代は男同士バカみたいな話題で盛り上がっていただけの坊やだったし、女っ気のない浪人生活の末に死んでしまったし。

 志望大学へ入れさえすれば、俺は女性に対して積極的になれていたのだろうか。
 死亡し、生まれ変わった今となっても想像するだけ無駄だけど。
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