お坊ちゃまはシャウトしたい ~歌声に魔力を乗せて無双する~

なつのさんち

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父上は心のままに行動せよと語り掛ける

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「その通りだ。
 だが、実際にそういう行為中に部屋が吹き飛んでしまったという話は聞いて事がない。
 もちろんそんな事が起こったとしても、ベラベラと他人に話す事はせんと思うがな。
 しかし、もしそういう事があったとしたなら、建築関係者が知らない訳がない」

 確かにそうだ。部屋が吹き飛んでしまったなら、大工さんや建具屋さん達に来て直してもらわなければならない。
 と、ちょっと待てよ。

「あの、お父様」

「何だ?」

「僕がこの部屋を吹き飛ばしたという事ですが、誰もそんな事信じないのではないでしょうか?」

 赤ん坊、それも生まれたての男の子にそんな魔力があるとは普通であれば思われない。

「お前の言う通り、誰も生まれたてのアルティが魔力を暴発させたなどと信じない」

 でも部屋を修復したのは事実。
 実際職人達が屋敷に出入りするから誤魔化しようもないのではないだろうか。
 つまり、部屋を吹き飛ばす可能性が高いのは母上と父上。
 そしてこの部屋は子供に与えた部屋である。
 あの夫婦は子供部屋でイチャコラして部屋を吹き飛ばしたらしいぞ、という噂が……。

「だから私はこの部屋に火を付けた。
 魔法で吹き飛んだのではなく、失火が原因で燃えてしまったという事にしたのだ」

 なるほど、お父様頭良い~~~。

「お前が想像した通りの噂が立つなど、お母様の、いやシュライエン辺境伯家の沽券に関わるからな」

 仰る通り。
 後ろ指差されて家族全員笑いものになるところだな。
 しかし母上の為とはいえ自分の屋敷に火を付けるという発想がすごい。
 俺ではとても思い浮かばないだろうな。

「少し話が逸れたな。
 何が言いたかったかと言うと、収容所もこの部屋も、魔法が暴発したとしても吹き飛んだりしないという事だ。
 だからだな、その……。
 心配せず心のままに行動するように」

 あぁ、それが言いたかったのか。
 つまり、これから俺は収容所へ行き、もしカーニャの事を気に入ったとしたら、思いっ切り抱いて良いよと。
 そういう事が言いたかった訳だ。
 感情が昂ぶっても部屋は吹き飛んだりしないから安心しろと。

「しかし気を付けろ。
 アヴィもシェルも、お前に会わせても特に問題はないだろうと言っているが、あの娘の態度が偽りである可能性もあるのだ。
 しきりにお前に会わせてほしいと口にしているとか。
 面会時は最大限警戒するようにな」

 心のまま行動し、最大限警戒をしなさいってか。
 どうしろってんだよ。
 それに俺に会いたがってるなんて聞いてないんだが?

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