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侍女はとても怒っている
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俺の言葉には答えるが、ポーシェの事は完全無視。
いや、ポーシェだけでなく俺以外全員いないものとして振る舞うカーニャ。
そんなカーニャを前にしてもまた、ポーシェはいつも通りの無表情・無感情な態度を崩さない。
「お坊ちゃまはあなたを所有したつもりなどありません。
身の程を弁えなさい」
ポーシェの言葉には何の反応も示さないカーニャ。
じぃっと俺を見つめ、俺の一挙手一投足を全て見逃すまいとしているように見える。
「んー……、カーニャ。
俺の侍女が言うように、俺はお前を所有した覚えはない。
お前の実家も婚家も返還するよう言って来ている。
いずれ近い内に家に帰れるだろう」
「いえ、私は家に帰るつもりも結婚するつもりもございません。
私はご主人様の物、お捨てにならないで下さいませっ!!」
喜びの次は悲しみの感情か。
室内がカーニャの垂れ流す負の感情で満たされ、職員達を苦しめる。
これだけ間近に魔力を放出している魔法使いがいるのだ、影響を受けて当然だろう。
とは言え、俺にとってはこれくらいの魔力、何の問題もないが。
ピィィィィィーーーン
空気が張り詰める。室内の温度が急激に下がったかのような錯覚を覚える。
職員達は先ほどと比べられないほどの圧力を受け、奥歯を噛み締めて抗っている。
しかしこれはカーニャただ一人へ向けられた魔法の余波に過ぎない。
カーニャは胸を押さえ、呼吸すら出来ず苦しそうに喘いでいる。
さすがにこのレベルの魔法にあてられたら、俺でもさすがにちょっとくらい苦しくなるかもしれない。
「ポーシェ、止めろ」
俺の声と共にカーニャが椅子から崩れ落ちる。
苦しみから解放され、力が抜けたのだろう。
職員へ指示してカーニャを介抱させる。
癒しの魔法を掛けてある程度落ち着かせてから、再びカーニャを椅子に座らせる。
これで分かっただろう、ポーシェを怒らせるべきではないと。
「さてカーニャ、落ち着いて聞け。
質問には正確に答えよ。
俺の侍女の言葉は俺の言葉だと思え。
二度は言わん、理解したか?」
「承知致しました」
よし、とりあえずこれで話が進められるだろう。
もう一度最初から名乗らせた方が良いだろうか。
いや、さすがにもう必要ないだろう。
ちょっと精神的に参っているようだからさっさと終わらせて実家に帰らせよう、そうしよう。
何なら熨斗を付けてもいい。
送料も負担しよう。
「名乗りなさい」
「カーニャ・ヴェーニィ・ヴォワザンでございます」
あー、ポーシェさん始めちゃったよ。
いや、ポーシェだけでなく俺以外全員いないものとして振る舞うカーニャ。
そんなカーニャを前にしてもまた、ポーシェはいつも通りの無表情・無感情な態度を崩さない。
「お坊ちゃまはあなたを所有したつもりなどありません。
身の程を弁えなさい」
ポーシェの言葉には何の反応も示さないカーニャ。
じぃっと俺を見つめ、俺の一挙手一投足を全て見逃すまいとしているように見える。
「んー……、カーニャ。
俺の侍女が言うように、俺はお前を所有した覚えはない。
お前の実家も婚家も返還するよう言って来ている。
いずれ近い内に家に帰れるだろう」
「いえ、私は家に帰るつもりも結婚するつもりもございません。
私はご主人様の物、お捨てにならないで下さいませっ!!」
喜びの次は悲しみの感情か。
室内がカーニャの垂れ流す負の感情で満たされ、職員達を苦しめる。
これだけ間近に魔力を放出している魔法使いがいるのだ、影響を受けて当然だろう。
とは言え、俺にとってはこれくらいの魔力、何の問題もないが。
ピィィィィィーーーン
空気が張り詰める。室内の温度が急激に下がったかのような錯覚を覚える。
職員達は先ほどと比べられないほどの圧力を受け、奥歯を噛み締めて抗っている。
しかしこれはカーニャただ一人へ向けられた魔法の余波に過ぎない。
カーニャは胸を押さえ、呼吸すら出来ず苦しそうに喘いでいる。
さすがにこのレベルの魔法にあてられたら、俺でもさすがにちょっとくらい苦しくなるかもしれない。
「ポーシェ、止めろ」
俺の声と共にカーニャが椅子から崩れ落ちる。
苦しみから解放され、力が抜けたのだろう。
職員へ指示してカーニャを介抱させる。
癒しの魔法を掛けてある程度落ち着かせてから、再びカーニャを椅子に座らせる。
これで分かっただろう、ポーシェを怒らせるべきではないと。
「さてカーニャ、落ち着いて聞け。
質問には正確に答えよ。
俺の侍女の言葉は俺の言葉だと思え。
二度は言わん、理解したか?」
「承知致しました」
よし、とりあえずこれで話が進められるだろう。
もう一度最初から名乗らせた方が良いだろうか。
いや、さすがにもう必要ないだろう。
ちょっと精神的に参っているようだからさっさと終わらせて実家に帰らせよう、そうしよう。
何なら熨斗を付けてもいい。
送料も負担しよう。
「名乗りなさい」
「カーニャ・ヴェーニィ・ヴォワザンでございます」
あー、ポーシェさん始めちゃったよ。
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