お坊ちゃまはシャウトしたい ~歌声に魔力を乗せて無双する~

なつのさんち

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お坊ちゃまは愛する妹を撫で殺す

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 俺の理解を示す態度を見て、父上が続ける。

「男の役目は戦う事ではなく、戦いにならないよう交渉する事。
 そして起こってしまった戦いの事後処理。
 感情のぶつけ合いにならぬよう冷静に事を運ばねばならぬ」

 いや、それは相手に言ってほしい。
 馬鹿息子と俺が衝突しないよう何故止めなかったのかとエテピシェ伯爵に言ってくれ。

 いやいやいや、父上にツッコミを入れたらダメだ。
 落ち着け俺。
 何だろう、ストレスでも溜まってんだろうか。
 あーカラオケ行きてぇ。
 カラオケ行きたてぇ!!

「そのあたりの機微に関してですが、今までアルティには本格的に教えておりませんでした。
 これを機にお義父様が手ほどきをされてはいかがでしょうか。
 もちろん私にもご教授願いたく」

 義兄上、それってさりげなくお前がちゃんと教えてないからこうなったんじゃないか、って父上の事を責めてません?
 俺の考え過ぎか?

「……そうだな。
 アルティももう十四だ。
 人よりも色んな事を考えて、理解するのも早く、魔法の扱いにも長けているからな。
 ついつい教えなくても分かるだろうと思ってしまっていたのかもな。
 これは私の責任でもあるな。
 うん、私とシェルでじっくり教えていくとしようか」

 義兄上は俺と自分まとめて一緒に仕事教えてよ、って言っているのに対し、父上は自分と義兄上と二人で俺を教えて行こう、という返事をしている。
 この二人、実はとてつもなく仲が悪いとか……?

 いや、前世の価値観が邪魔して素直に家族の事を見れないなんて良くないな。
 変な見方をせずにそのままの意味で捉えよう。
 大丈夫、落ち着け俺。
 いつもならこういう時、ミーチェを抱いて撫でるんだけど、この部屋には入れない事になっている。
 だから俺を抱き締めて来るエティーを抱き締め返し、頭を撫でて心を落ち着ける。

「お、お兄様……」

 何か言ってるけどゴメン、今ちょっと心を落ち着けるのに大変だから抱き締められていてくれ。
 クネクネするな、撫でにくい。

「エティーが嫌がっているから私が代わりに抱き枕になろう!」

「今エティーちゃんにちょっかいを掛ければ、それこそ全面戦争になるだろうから落ち着いて。
 それより、次期当主の立場から見たアルティの戦いっぷりを報告する方が大切なんじゃないかな?」

 姉上が義兄上の言葉で止められている。
 なるほど、戦いにならぬよう交渉する、というのはああいう事を言うのだな。
 参考になる。
 そのお陰で俺は妹を思う存分撫で撫でする事が出来、気持ちの整理が付けられたのだった。
 はぁー、可愛いなぁー。
 撫で心地も良いし最高だなぁ俺の妹はー。

「あっ、あっ、あっ……」

「それくらいにしないと、エティーちゃん茹で上がってしまうよ?」

 義兄上に止められなければ、妹を撫で殺してしまうところだった。
 危ない危ない。
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