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リトゥアール家は竜神様へお伺いを立てる
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王国のやり方に従えば信仰を捨てる事になり、今まで通り変わらぬ生活を続ければ王国のやり方を否定する事になる。
当時乗りに乗っていたという王国の方針を否定する事は、相当の覚悟が必要だったのだろう。
「王国への参画を取り止める事で、以前から交易をする仲であった貴族家との関係も見直されるかもしれない状況に陥ってしまった訳だ。
そこで、渋々信仰の縮小を受け入れた形をとって、リトゥアール家はモナルキア王国の貴族の一員となった」
受け入れた形をとって?
それはつまり、受け入れた振りをしたが、本当は信仰心を捨てるなんて事はしていなかったという事だろうか。
「アルティの想像している通りだ。
対外的には縮小する素振りを見せたが、実際は隠れて竜神信仰を続けていた。
我らは信仰を捨てる事など出来なかったのだ……」
『密教ってやつー?』
『密教は信仰を秘密にするって事じゃないから。
こっちは隠れキリシタンに近い』
俺は密教というものについて詳しく知らないが、隠れキリシタンなら義務教育の範囲内だ。
徳川幕府に禁止されたキリスト教を隠れて信仰していた人達の事だ。
竜神信仰が時の国王から厳しく弾圧された訳ではないが、隠れて信仰を続けていたのだからあながち的外れとも言えないかな。
「リトゥアール家は竜神様、シュジュ様が実際におられるのを知っており、そのお力の大きさも理解していた。
他の信仰とは違う、そう説明しても受け入れられなかったそうだ。
信仰の為に他領との付き合いを断つか、それとも信仰を捨てさらなる繁栄を望むか。
一族の中でも意見が分かれ、対立した。
そこで、直接竜神様へお伺いを立てようと儀式を執り行ったそうだ」
火を起こし、竜を呼ぶ儀式をした訳か。
しかし儀式といえば聞こえは良いが、鈴から見れば仰々しくたき火をしているくらいの感覚。
霊的な何かによって引き寄せられる、というような特別な効力はなかったはずだ。
たまたま近くを通らなかったか、その時は他に気を惹かれる何かがあったか。
どちらにしても、彼らの願いは鈴には届かなかった訳だ。
「しかしその儀式は竜神様へ届く事なく時が過ぎて行った。
王国への返事をいつまでも先延ばしにする事も出来ぬ。
どうしたものか。
儀式をしても竜神様のお姿は見えない。
やはり信仰というものは人の手に余るものなのではないか。
家中にそのような空気感が漂っている最中、二人の侍女を伴って家を飛び出した家人がいた」
二人の女性に一人の家人。
竜の島近くで座礁しているところをミィチェが助けた人達の人数と合う。
当時乗りに乗っていたという王国の方針を否定する事は、相当の覚悟が必要だったのだろう。
「王国への参画を取り止める事で、以前から交易をする仲であった貴族家との関係も見直されるかもしれない状況に陥ってしまった訳だ。
そこで、渋々信仰の縮小を受け入れた形をとって、リトゥアール家はモナルキア王国の貴族の一員となった」
受け入れた形をとって?
それはつまり、受け入れた振りをしたが、本当は信仰心を捨てるなんて事はしていなかったという事だろうか。
「アルティの想像している通りだ。
対外的には縮小する素振りを見せたが、実際は隠れて竜神信仰を続けていた。
我らは信仰を捨てる事など出来なかったのだ……」
『密教ってやつー?』
『密教は信仰を秘密にするって事じゃないから。
こっちは隠れキリシタンに近い』
俺は密教というものについて詳しく知らないが、隠れキリシタンなら義務教育の範囲内だ。
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竜神信仰が時の国王から厳しく弾圧された訳ではないが、隠れて信仰を続けていたのだからあながち的外れとも言えないかな。
「リトゥアール家は竜神様、シュジュ様が実際におられるのを知っており、そのお力の大きさも理解していた。
他の信仰とは違う、そう説明しても受け入れられなかったそうだ。
信仰の為に他領との付き合いを断つか、それとも信仰を捨てさらなる繁栄を望むか。
一族の中でも意見が分かれ、対立した。
そこで、直接竜神様へお伺いを立てようと儀式を執り行ったそうだ」
火を起こし、竜を呼ぶ儀式をした訳か。
しかし儀式といえば聞こえは良いが、鈴から見れば仰々しくたき火をしているくらいの感覚。
霊的な何かによって引き寄せられる、というような特別な効力はなかったはずだ。
たまたま近くを通らなかったか、その時は他に気を惹かれる何かがあったか。
どちらにしても、彼らの願いは鈴には届かなかった訳だ。
「しかしその儀式は竜神様へ届く事なく時が過ぎて行った。
王国への返事をいつまでも先延ばしにする事も出来ぬ。
どうしたものか。
儀式をしても竜神様のお姿は見えない。
やはり信仰というものは人の手に余るものなのではないか。
家中にそのような空気感が漂っている最中、二人の侍女を伴って家を飛び出した家人がいた」
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