アルメリア海賊団航海日誌〜そして少女は船に乗る〜

歌龍吟伶

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第2章〜航海〜

第11話

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(わぁ、綺麗な貝殻がいっぱい)


白い砂浜には色とりどりの貝殻が落ちている。

中は空っぽ。

手に取るためにしゃがむと、砂浜には無数の穴が開いていた。

どうやら貝を食べる生き物が潜んでいるらしい…


(みんな食べられちゃったのね)


食物連鎖に少し切ない思いを抱きながら、ミュフィは海岸を歩く。

光を反射してキラキラ輝く砂浜はとても美しく、波の音と共に心を癒してくれる。


(海って素敵…子供の頃はたまに遊びに連れてってくれたな)


ミュフィは幼少期を思い出す。

小さな農村で生まれミュフィにとって、海は少し遠い存在。

街まではよく行ったけれど、海はたまに港で買い物をするくらい。

砂浜に下りたのは何年か振りだ。

在りし日の家族との思い出が蘇り、ミュフィの目に涙が浮かぶ。


(…いけない、元気になるために散歩してるのに)


辛い気持ちを振り払いながら、ミュフィは森の方へ足を向けた。

森といってもかなり小さく、迷う心配はない。

入り口に生えていた硬そうな葉っぱを避けながら中に入ると、一気に大地の香りがしてきた。


(ん~、良い香り!やっぱり潮風にはまだ慣れないや)


砂浜とは違う土の感触を踏みしめ、近くの木に触れてみる。

表面がガサガサしていて手が切れそうだ。

風通しが良く乾きやすいのか、あまり水分が多くない土地だった。


(この島ってどうやって生まれたんだろう…なんだか不思議)


今まで意識しなかったことに考えを巡らせるミュフィ。

自然と触れ合うことで、船酔いや暗い気持ちが紛れていった。

ミュフィは森を見渡す。

大きな動物は見当たらないが、赤と青の羽を持つ小さな鳥が飛び交っている。


(かわいい~)


近くで見てみたかったが、人間を警戒しているのか木の上の方に止まるばかりでハッキリとは見えなかった。

大きな紫の花も咲いていたけれど、近づいてみても匂いがしない。


(何かしらこの花、全然匂いがしない…)


知らない植物に首を捻りながら探索したミュフィは、再び海岸へ向けて歩き出す。

探索に来たらしい船員たちの姿が見え、ミュフィは手を振った。


(よし、大丈夫!私は元気!)


心配してくれているみんなを安心させなくては。
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