人柱となった聖女の呪い

歌龍吟伶

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古の聖女伝説

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かつて、この世界には人間と魔族が暮らしていた。

互いの領土を奪い合い、殺し合う。

そんな中、力をつけ過ぎた邪神が世界を滅ぼそうとする。

人間と魔族は一時協定を結び共に戦うが、邪神には敵わず。

滅びを待つだけとなった時、魔族側から一つの提案が。


『最も力が強く、清らかなる聖女を生贄に捧げよ。聖なる乙女には邪神を封じる力がある』


その時、人間の中で最も神力を宿していたのは王女アウラ。

彼女には想い人がいたが、清らかな身であった。

人間たちは藁にもすがる思いでアウラを邪神の元へと送る。


「アウラ姫、どうか邪神を封じ世界をお救いください」


聖なる乙女アウラは、笑みを浮かべその命を犠牲にし邪神を封じた。

邪神誕生の地で、独り磔にされた王女。

その尊い犠牲と愛情が世界を救い、世界に平和が訪れた。

…これが、後の世に語り継がれる物語。

しかし、本当に聖女は抵抗せずに生贄となったのか?

答えは、否。


『わたくしが…生贄に?』


彼女は拒んだ。


『嫌です…助けて、ガルダ!!』


愛する人へと伸ばした手は、


『…すまない、アウラ』


弾かれて。

その愛おしい手で磔にされ。


『今までありがとうアウラ、これでみんな幸せになれる』


その傍に寄り添うのは、彼女ではなく。


『さようなら、お姉様』


満面の笑みを浮かべた、妹。


『嫌…嫌よ、どうして!?』


最後に彼女の口から紡がれたのは、祈りの言葉などではなく。


『許さない…絶対に許さない!!』


呪いの言葉。


『許さない赦さないゆるさないユルサナイ』


全ての人間に、恨みを込めて。


『お前たちのことなど救うものかああああああ…!!』


その強い思いに応えたのは、他ならぬ邪神。


『気に入ったぞ、人間の乙女。オマエの願い、叶えてやろう』


邪神はアウラの身体へと封じられ、アウラは死んだ。

しかし。


『聖女アウラ。オマエはワタシのモノ』


邪神は、滅びない。


『今は共に眠ろう…そしてヤツらに復讐を』


人間を、許すな。
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