仲良し

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友達

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『ず~っとすきなの?』
『そうだよ?』

何が?みたいな顔で、
産まれたときからだよ。
と彼女は続けた。
 
彼女が、あまりにも真面目な顔でいうから、
せめて物心ついたころじゃないの?
とは突っ込めなかった。
彼女は産まれてこのかた、
お隣のお兄さんに、
ずっと片思いしているらしい。

僕は今日、その彼女に告白をして、
それを知ったところ。

あの娘は、やめときなって友達は言ったけど、
なるほどね、こういう事だったか。
ちゃんと理由ゆってよ。。。
胸の奥で独りごちる。

でも、でもさ。
まてよ?と考え、僕は続ける。
『勝算はあるの?』
『へ?』

『そのお隣のお兄さんと、うまくいく可能性はどのくらい?』

『・・・考えたことないけど。』

彼女は言葉につまり、
あっという間に暗い表情をするので、

僕は、あわてて、
『ごめん!うそ。』
とごまかした。

嘘ってなによ?って、
今度はものすごい渋い顔をしたけど、
泣かれるより、ずっといい。
女の子を悲しませるなんていけない。

じゃあとりあえず、お友達になって。
僕の付け焼き刃とも思える提案に、
彼女は怪訝な顔をする。
まるで百面相だ(笑)

でももう友達じゃぁ・・・といいかけて、
違うか。と小さい声でつぶやく。

クラスメイトがみんなお友達とは限らないね?
僕に尋ねるように、こちらに視線をよこした。


『うん。そうだね。』
僕は納得し、
まずお友達になるところからお願い致します。
と頭を下げた。

一度あったら友達説もあるけど・・・
彼女のつぶやきに僕はにこやかにこたえる。

『毎日会っても兄弟にはならないはず・・・』
『そうだね。(笑)』

彼女の受け答えは、なかなかユニークで、
自然と笑みがこぼれた。

『じゃあ今日から・・・?』
『はい。よろしく。』
 

そんなこんなで少し前、
ぼくと彼女の友情がはじまった。
限りなくお試しに近い形で。

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