【完結】盲目の騎士〜パウルとノアの冒険〜

九時せんり

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盲目の騎士〜パウルとノアの冒険〜

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僕の名前はパウル。青柳パウルだ。
偉大な芸術家、盲目の天才青柳聖人を祖父に持ち、父は彫刻家の青柳蒼人だ。
母は彫刻家の父の大ファンで父が作品の依頼を受ける度に追っかけをして差し入れなどをしていたらしい。

「ついに言ったのか…。」
ノアは笑った。
「誰が笑おうと僕は小説家になるんだ。僕の人生は小説なくして語れない。」
その日公園でパウルは話した。
「ノアだって将来は冒険家になるんだろう?」
パウルはポケットからラムネを取り出してノアに分けた。
「秘密にしてくれよ。親にバレたら何て言われるか…。」
「いつかはバレるんだ。今のうちに話しておいたほうが良いよ。」
「それは、パウルは結果を出したからなぁ…。」
ノアはのらりくらりと話す。
「次はどんな話を書くんだ?」
「それなんだけど…。」
パウルはいつものようにもじもじとする。
「僕は意外と世間知らずなんだ。お父さんは海外を飛び回っているし、おじいちゃんは日本からドイツに移住している。僕たちには冒険が必要だと思うんだ。」
「冒険って?」
「日本に行きたいんだ。」
「日本?!」
「難しいのは分かってるよ。でも僕はおじいちゃんを育てた日本という国に行ってみたいんだ。」
「まずはお金を貯めないと。」
「どれくらい必要なんだろうな。」
「冒険家になるならこの先もスポンサーが必要になるだろう?うちのお父さんはどうだい?」
ノアは吹き出した。
「青柳蒼人をスポンサーに?!普通、逆だろ。」
「僕が知らないだけでお父さんはかなりの高額納税者らしいんだよ。」
パウルはラムネを1つ口に入れた。
「日本かぁ…侍の国だろう?刀ってどこで買えるんだろうな。高真さんに話を聞いたらどうだ?」
「反対されないかなぁ?」
「高真さんが青柳先生をドイツに連れてきたんだろう?だったら反対なんてしないよ。」
「よし。決まりだね。」
ふたりは笑った。

次の休み、ふたりは高真の家を訪ねた。
「武彦、パウル君たちが遊びに来てるんだけど…。」
高真の奥さんは話した。
「パウル君?久しぶりだね。」
高真はベッドで新聞に目を通しながら話した。
「通しても良いのかしら?」
「構わないけど。」
「失礼しまーす。高真さんこんにちは。」
「ノアです。こんにちは。お久しぶりです。」
「ふたりとも大きくなったねぇ。」
「高真さんはいつも通りですね。」
3人は笑った。
「今日はどうしたんだい?」
「あの、その。」
パウルはもじもじとする。
「日本に行きたいんです。」
ノアが話した。
「旅行に行きたいという事かな?」
高真は穏やかに話す。
「僕たちは小説家になる夢と冒険家になる夢があります。だから1番に日本に行きたいんです。盲目の天才、青柳聖人を産んだ日本に興味があるんです。」
「蒼人君には話したのかい?」
「父は今も彫刻の依頼が入ってドイツにいないんです。国際通話は思いの外、お金がかかるから母や僕に何かあった時にしかかけてくるなと…。」
「蒼人君らしいね…。」
高真は笑った。
「それで日本に行くには何から手を付けて良いのか助言が欲しいんです。」
ふたりは真剣な目をしている。高真は新聞を畳みながら、少し考え込んだ。
「荒井君と木内君に頼んでみるかい?」
「はい!!お願いします!!」
「ところで刀ってどこで買うんですか?」
「刀って…。」
「日本は侍の国でしょう?」
高真は爆笑した。

「日本に行きたい…?」
木内と荒井はキョトンとした様子でふたりの話を聞いた。
「僕らにとっては日本は帰るところだけど、違うんだね。パウル君とノア君にしたら海外何だね。」
木内は笑った。
荒井はふたりの話を聞きながら、ふたりの希望をメモに取っていく。
「僕たちは小説家と冒険家です。人と違った体験がしたいんです。」
「じゃあ日本に行って観光はしないのかい?」
荒井が話す。
「そこなんです。普通に旅行して観光して、あー楽しかったね、で終わりたくないんです。」
「僕もです。何か特別な経験がしたいんです。」
ふたりは話した。
「行きたい場所はあるの?」
木内は尋ねた。
「妙心寺に行ってみたいんです。ドイツで言うフレスコ画のような物があるって…。」
「随分、渋い選択だねぇ…。」
荒井は笑った。
「ドラゴンの目が動くって…。」
「見る角度によって見え方が変わるって言うからね。」
「他には?」
「弓道がしたいんです。あと、お茶を点ててみたいです。」
「なら着物を着てみてはどうだい?」
荒井が話す。
「着物かぁ…。」
パウルは少し考え込んだ。
「馬に乗る時、どうするんですか?」
「は?」
荒井と木内は笑った。
「高真さんの家で刀がどこに売ってるか聞いたって話だけど、日本人が侍だったのはもう昔の話だよ。」
「それは知ってます。今でも床の間に刀がある家があるんでしょう?」
パウルは話した。
「まあ、旧家に行けばあるかもしれないね。とりあえず京都旅行になるかな。」
「なるべく自分たちで計画をたてたいんです。」
「それはあんまりお勧め出来ないよ。」
荒井が話す。
「君たちふたりはギャラリーアオヤナギに出入りしていて日本人に対して警戒心がない。旅する間、スリに遭う可能性だってある。それに初めての海外旅行だろう?経験者に付いてもらえば、その先も同じやり方で計画がたてられる。悪い話ではないと思うよ。」
荒井はそう言ってふたりの様子を見た。
「分かりました。その代わり手続きなどは一緒に行かせてください。」

それからふたりはアルバイトに勤しんだ。
数ヶ月経ち、目標額まで達したふたりは比較的航空券が安い、11月、荒井と木内とともに日本へと旅立った。
「京都はいい街だよ。」
荒井はそう言って飛行機に乗って音楽を聴き始めた。木内は慣れたものでドイツ語で描かれた日本の地図を広げた。
「日本は小さな国だけど観るところはいっぱいあるよ。」
木内は微笑んだ。
パウルは皆、随分年を取ったなぁ、そんな事を思っていた。
「木内さんはおばあちゃんに会ったことはあるんですか?」
「美智香さんでしょう?個展のたびに会ってたよ。物凄い美人だったよね。」
「皆、そう言いますけどおばあちゃんの写真はあんまり残ってないんです。」
「まあパウル君はお父さんに似ているから、おじいちゃんの聖人さんにそっくりだけどね。」
「おじいちゃんはどんな人だったんですか?」
「天才…いや、努力の人だったよ…。」
木内は遠くを見るように考え込んた。
「最初出会った時はこの人があの世界を産み出しているなんて思いもしなかったよ。でも違うんだね。芸術家というのは作品をもってして自分という物を表現する。聖人さんからはそれを学ばせてもらったよ。最期の最期まで絵を描いていた。普通の人には出来ることじゃないよ。聖人さんの描く絵は今でも川のせせらぎや話し声が聞こえてきそうな見事なものだ。」
「僕はおじいちゃんは天才だと思うんです。年に1回開かれる回顧展には今でも行列が出来るし、ネットでも昔の作品が売買されている。僕自身、小さい頃におじいちゃんの作品を見て感動したことを覚えています。」
「それはいいことだね。」
「木内さんは高真さんのように話すようになりましたね。」
「そうだね。僕は高真さんのように年を取りたいからね。」
「高真さんはいくつになってもかっこいいですもんね。」
そしてふたりは笑った。ノアは飛行機に乗ってからずっと外を見ていた。ノアは飛行機が落ちないか不安だった。

ドイツから伊丹空港へと着いた4人は日本の地へと降り立った。
「ソイソースの匂いがするって聞いたんだけど…。」
パウルとノアは小さな声で話した。
「何だ…デマなのか…。わくわくしてたのに。」
「どうかしたのかい?」
荒井が尋ねた。
「いえ、思ったより暖かいねって話してたんです。」
「ソイソースの匂いならしないけどね。」
荒井は笑った。
伊丹空港から京都市内へと電車で向かった。日本の列車は時間通りに動いていた。
電光掲示板には様々な情報が飛び交っている。
「京都に着いたら、チェックインまでまだ時間があるから気軽に入れる店にでも入ろう。」
荒井がそう言ってしばらくして京都に着いた。

パウルとノアは初めて見る日本の街並みにわくわくした。それ以上に日本人と目が合う。
「なんか良く見られてる気がするんですけど…。」
パウルが話した。
「日本の人は外国人が珍しいんだよね。昔はもっと見られていたんだよ。」
木内が答えた。
京都の街並みは碁盤の目のように整っていて美しい。パウルは土産物屋の前に通りかかったときに足を止めた。
京扇子の店だ。
「荒井さん、これはなんというんですか?」
パウルは興奮気味に話した。
「ああ、京扇子だね。美しいだろう?」
荒井は京扇子について簡単に説明した。
「僕は京都の土産に京扇子を買いたいです。」
「まだ見るものはたくさんあるよ。」
そう言って荒井は笑った。奥から高校生くらいの女の子が出てきた。
「お客さん、外国の方かい?日本の文化の結集ですよ。お一ついかが?」
その少女は大変美しい娘だった。
「僕は青柳パウルといいます。芸術家青柳聖人の孫です。」
「あらあら、珍しいお客さんだこと。」
「京扇子ってどうやって作るんですか?」
「うちは職人さんに任せてはるからお使いの私にはそこまでの知識はないんどす。」
パウルはその娘を見ながら話し続けた。
「いつか僕はまたこの店に来ます。それまで僕を待ってて貰えませんか?」
「面白いお客さんやねぇ。おおきに。」
そう言ってパウル達は店を去った。
ホテルのチェックインまでの時間、荒井のお勧めする店で抹茶のティラミスを食べた。
「パウル君、さっきみたいのは頂けないなぁ…。」
荒井は話す。
「一目惚れなんです。僕はきっと彼女をお嫁さんにします。」
「美人が好きなのはおじいちゃんの血だねぇ…。」
木内が笑った。
「美智香さんほどではないけど、綺麗な娘だったね。きっとたくさんの人に言い寄られてるよ。」
「僕は小説家です。言葉を巧みに使うことなら自信があります。」
「そうじゃなくて、良い人か悪い人か良く知りもしないで自分の話をしない方がいい。青柳の名前を出すだけで充分リスクがあるんだから。」
パウルはしゅんとした。それでも日本に来て初めて話した日本人というだけで彼女との運命を感じていた。

ホテルにチェックインして荷物を預けて弓道体験に行った。
一時間ほどのコースで、弓の引き方を教えてもらえる。荒井は学生時代、弓道部だったのでトントンと的の中心に矢が中たる。パウルとノアは弓を引くのも難しい。アーチェリーなら経験のあるふたりだったが弓道がこんなに難しいとは思わなかった。
「呼吸を整えるんです。分かりますか?」
先生はそう話す。なんとか弓を引いて矢を放つものの、的まで届かない。
荒井が隣に来て、ふたりの様子を見た。
「もう少し、息を大きく吐いて。」
ふたりは荒井の指示に従う。
パン、と音がして矢を放つと的ではないが向こう岸まで矢が届いた。
「息を吐く時、筋肉が1番伸びるんだ。無理はしなくてもいい。ゆったりとした気持ちで息を吐けば良いんだ。」
そう言うと荒井は木内の様子を見た。
「荒井君に出来るなら僕にだって…。」
木内は半泣きだ。荒井は木内に付いて動作を教えていく。時間ギリギリになって木内はようやく的に矢が中った。
「ほら、僕にだって出来るんだ。」
ああ、普段の木内さんだ、パウルは思った。
荒井は浮かれた木内に軽く蹴りをいれた。
「お礼は?」
「あ、ありがとうございました。」
4人は笑って弓道場を後にした。

夜は湯葉料理のコースが出る店に行った。
パウルとノアのような若いふたりには湯葉料理の良さは分からなかった。
木内は湯葉が好きで無言で食べていく。
「舞妓さんが見たいです。」
ノアは口にした。
「舞妓さんかぁ、今日は歩いてなかったね。」
「京都をうろついてればどこかで見るよ。」
木内と荒井は話した。
「僕はドイツに帰る前に彼女に告白したいです。」
パウルは力強く語った。
「若気の至りだね。」
木内は笑った。

翌日は妙心寺に行った。
妙心寺は全国に3400の寺院を持つ、臨済宗妙心寺派の大本山だ。
パウルとノアは雲龍図の元へと真っ先に向かった。
20分ごとの案内のコースもあったが荒井の方が詳しかったので、そのまま雲龍図の元へと来た。
「圧巻だなぁ…。」
「写真はダメなんだって…。」
ふたりは首が痛くなるまで雲龍図を見ていた。
「ドラゴンの目が動くって…。」
「こっちから見たら確かに違うよ。」
「本当か?」
「ほら、動いてるみたいだ。」
ふたりははしゃいだ。荒井と木内はその様子を見ながら微笑んだ。

昼は京都のたまごサンドを食べた。
「ほんのり甘くて美味しいね。」
「卵に砂糖を入れるのかぁ…。」
パウルとノアは不思議そうにたまごサンドを食べていた。
「午後は着物を着てお茶を点てよう。」
そう言って、店を出ると舞妓さんがいた。お化粧で肌は白いがその顔に見覚えがあった。
「京扇子の店の娘ですよね?」
パウルは声をかけた。
「姉の珠代のことどす?」
「あの娘は珠代さんというんですね。」
「姉のお知り合いですか?」
「これから仲良くなるんです。」
「面白いお人やわぁ…。」
そうして、その娘は去った。
やっぱり運命はあるんだ。パウルは思った。
レンタル着物の店でふたりは着物を選んだ。パウルは鷹、ノアは寅の柄を選んだ。
木内と荒井は色無地を選んだ。店の人に記念に写真を撮ってもらった。
「歩く時、気をつけないとはだけるからね。」
荒井にそう言われてふたりは草履を履いた足に力を込めた。
お抹茶を点てる店には枯山水があった。パウルとノアは、はしゃいで写真を撮り続けた。
荒井はゴホンと大きく咳払いをした。
パウルとノアはそれぞれが点てたお抹茶と上生菓子を口にしながらニコニコした。
「お抹茶ってこんなに苦いんですねぇ…。」
「お菓子が甘くて美味しいな。」
荒井は懐紙にお菓子を乗せて黒文字で器用に食べていく。木内は我慢しながらお抹茶を飲んでいる。完全に観光に来てるだけだなぁ…パウルは思った。それでもこの経験が作品に生きてくるのだ。そう思ってお抹茶を飲み干した。

京都旅行の最終日、パウル達は土産物屋を訪れた。木内はりえちゃんにあぶらとり紙や化粧品を買った。ノアは木刀や友だちに配る食玩のキーホルダーを買った。
そしてパウルは京扇子の店を訪れた。
「あら、こんにちは。」
「こんにちは。」
「どういった物をお探しですか?」
「あの、僕は…。」
「冗談のお好きな外国の方でしたね?」
珠代は笑った。
「結婚を前提にお付き合いしてもらえませんか?」
「あらあら、ご冗談を。」
「本気なんです。」
「…。」
「僕のおじいちゃんとおばあちゃんはプロポーズから始まったんです。だから僕もそんな結婚に憧れているんです。」
「また、遊びにいらしてくださいな。」
「それってどういう意味ですか?」
「本気だったらまた来てください。」
そう言って珠代とパウルは扇子を選び、連絡先を交換した。

ドイツに帰ったらまずは彼女と僕の話を書こう、パウルはそう思った。美しい街並みの京都で生まれ育った彼女とドイツで生まれ育った僕。きっと素晴らしい作品になるに違いない。ああ、世界は美しい物で溢れている。パウルはそう思った。
そうして4人はドイツへと戻った。

ドイツに帰ると家には蒼人がいた。久しぶりに休みが取れたらしくいびきをかきながら眠っていた。パウルは蒼人の机に『お土産です』と書いた紙と京扇子を置いた。

僕は小説家、青柳パウルだ。
そう思って、作品に取り掛かった。
さあ、美しい物語を紡ぎ出そう。
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