231 / 436
閑話 放課後の勇者たち編
230 快刀乱麻を断つ?
予想通り、変化はすぐに現れた。
「アッハ、なるほドー。これが伝説の勇者様の聖剣ですカイ?」
と、俺から手渡された聖剣(?)を受け取ったカセラの目つきはひたすらあやうい。この様子じゃ、俺の狙い通りにネムに体を乗っ取られた感じか。しめしめ。
「カセラさん、どうですか? その剣であそこの邪悪な男を倒せそうですか?」
「そうですネー。素晴らしい剣であることには違いなさそうですが、モンスターと人間とのハーフのウスラトンカチ☆ティーチャーを斬りつけるのには向かない感じですかネー? 人間が混じってるのが非常にアカンですネー」
自画自賛しながら、リュクサンドールを拒絶するネムだった。確か、ダンピール・プリンスは人間混じってるからネムは食えないんだったな。
「へえ、じゃあ、あの男をどうするつもりなんですかい、カセラさん?」
「そりゃー、モチのロン、決まってますヨ? あんな食えない男は、こっから追い出すに限る!」
と、目つきのおかしい中年オヤジは、手に持つ聖剣で近くの全裸男をさして言う。
おお、そうか。あいつをこの場から追い出してしまえば、この事態は丸く収まるし、ルーシアの今日の目論見も完全におじゃんになって、円満解決だな。さすがネム。冴えてるぅ!
「というわけで、そこの裸のウスラトンカチ、今すぐこの家から出て行ってクダサーイ」
「え? でも僕、まだこの本を読んでる途中で――」
「それぐらいテメーにあげますし? 遠慮なく持って帰ってドウゾ」
「本当ですか! ありがとうございます! ならすぐ帰ります!」
リュクサンドールはたちまち満面の笑顔になった。マジでこいつ、暗黒魔法の本以外どうでもいいらしい。
よし、これでこいつは帰るし、俺は二人の男に絡まれずに済むし、ルーシアはリュクサンドールに帰られて悔しい思いをするしで、万事解決! ふふ、快刀乱麻を断つとはまさにこのことだぜ。
と、俺は内心ほくそ笑んだわけだったが……、
「ちょっと待ってください! 今のお父様の発言は、お父様自身の意志によるものではありません!」
ルーシアが、本を持って部屋を出ようとする全裸男の前に立ちふさがった。
「お父様は今、そこのトモキ君に手渡された剣に体を乗っ取られ、心を支配されている状態なのです。したがって、今の、本を譲るという発言は無効です!」
ルーシアはそう叫ぶと、リュクサンドールの手から素早く本を奪い取った。
「ああっ、いきなり何を!」
リュクサンドールは一瞬強くショックを受けたようだったが、
「こ、これはもう僕のものなんですからねっ!」
そう言うと、背中から闇の翼を出し、それを超素早く動かして、ルーシアの手から本を取り返してしまった。こういう使い方もできるんかい、こいつの闇の翼。
「先生、今の私の言葉が聞こえなかったのですか。父はあの剣に操られて、心にもないことを言っているだけなのですよ」
「そんなことはないはずです。ルーシア君のお父さんの、僕にこの本をあげたいという気持ちは確かに感じましたよ!」
リュクサンドールは本への執着のあまり意地になっているようだ。本を両手で胸に抱きかかえ、必死に奪われまいとしている。全裸なんだからせめてそれで股間でも隠せよ。
「何を言っているのですか、先生! あの父の目つきといい、話し方といい、明らかに先ほどまでの父とは別人ではないですか!」
「そうですか? さっきまでと様子が違うようには見えませんけど?」
「え」
「最初からあんな感じだったでしょう、ルーシア君のお父さんは」
「デスヨネー」
と、リュクサンドールの言葉にうなずくネムだった。いや、どう見ても別人だろ。
しかし、リュクサンドールはガチでそう思ってるのか、あるいは本が欲しいがゆえにそういう主張で通すつもりなのか、
「とにかく、僕は絶対にこの本を持って帰るんですからねっ!」
一歩も譲らない構えだ! さっきまで間抜け面でぼーっと立っていただけのくせに、急に自己主張し始めやがって。そんなにその本が欲しいのかよ。
「い、いや、どう見ても父はあの剣に体を支配されているでしょう! そうですよね、お兄様?」
「え?」
と、急にルーシアに話を振られたレクスは戸惑ったようだったが、
「そ、そうだな……。父上は普段からこんな感じだったかな……」
リュクサンドールを家から追い出したいがゆえに心にもないことを言ったようだった。よしよし、さすが妹想いのバカ兄貴だ。
「お兄様、なにを言っているのですか! 今のお父様はどう見てもおかしいでしょう!」
「ノンノン、ワタシは極めていつも通りで、平常運転ですヨ? あなた以外の、ここにいるすべての男たちはみんなそう思ってますヨ? ネー?」
と、ネムは俺とリュクサンドールとレクスに同意を求めてきた。俺たちはいっせいに「ですよねー」と答えた。ユリィだけは無言で困惑しているようだったが。
「く……!」
ルーシアは悔しそうに歯ぎしりしながら俺たちをにらんだ。フフ、いいね、その顔! 俺ちゃん、お前のそういう顔が見たくて、この家に来たんだからあ。
「じゃあ、そういうわけなんで、僕はこの本を持って帰りますねー」
リュクサンドールは再び本を持って部屋を出ようとした。
と、そこで、
「待ってください、先生! 帰るのでしたら、私も一緒に行きます!」
なんと、リュクサンドールについていく気マンマンのルーシアだった……。
「アッハ、なるほドー。これが伝説の勇者様の聖剣ですカイ?」
と、俺から手渡された聖剣(?)を受け取ったカセラの目つきはひたすらあやうい。この様子じゃ、俺の狙い通りにネムに体を乗っ取られた感じか。しめしめ。
「カセラさん、どうですか? その剣であそこの邪悪な男を倒せそうですか?」
「そうですネー。素晴らしい剣であることには違いなさそうですが、モンスターと人間とのハーフのウスラトンカチ☆ティーチャーを斬りつけるのには向かない感じですかネー? 人間が混じってるのが非常にアカンですネー」
自画自賛しながら、リュクサンドールを拒絶するネムだった。確か、ダンピール・プリンスは人間混じってるからネムは食えないんだったな。
「へえ、じゃあ、あの男をどうするつもりなんですかい、カセラさん?」
「そりゃー、モチのロン、決まってますヨ? あんな食えない男は、こっから追い出すに限る!」
と、目つきのおかしい中年オヤジは、手に持つ聖剣で近くの全裸男をさして言う。
おお、そうか。あいつをこの場から追い出してしまえば、この事態は丸く収まるし、ルーシアの今日の目論見も完全におじゃんになって、円満解決だな。さすがネム。冴えてるぅ!
「というわけで、そこの裸のウスラトンカチ、今すぐこの家から出て行ってクダサーイ」
「え? でも僕、まだこの本を読んでる途中で――」
「それぐらいテメーにあげますし? 遠慮なく持って帰ってドウゾ」
「本当ですか! ありがとうございます! ならすぐ帰ります!」
リュクサンドールはたちまち満面の笑顔になった。マジでこいつ、暗黒魔法の本以外どうでもいいらしい。
よし、これでこいつは帰るし、俺は二人の男に絡まれずに済むし、ルーシアはリュクサンドールに帰られて悔しい思いをするしで、万事解決! ふふ、快刀乱麻を断つとはまさにこのことだぜ。
と、俺は内心ほくそ笑んだわけだったが……、
「ちょっと待ってください! 今のお父様の発言は、お父様自身の意志によるものではありません!」
ルーシアが、本を持って部屋を出ようとする全裸男の前に立ちふさがった。
「お父様は今、そこのトモキ君に手渡された剣に体を乗っ取られ、心を支配されている状態なのです。したがって、今の、本を譲るという発言は無効です!」
ルーシアはそう叫ぶと、リュクサンドールの手から素早く本を奪い取った。
「ああっ、いきなり何を!」
リュクサンドールは一瞬強くショックを受けたようだったが、
「こ、これはもう僕のものなんですからねっ!」
そう言うと、背中から闇の翼を出し、それを超素早く動かして、ルーシアの手から本を取り返してしまった。こういう使い方もできるんかい、こいつの闇の翼。
「先生、今の私の言葉が聞こえなかったのですか。父はあの剣に操られて、心にもないことを言っているだけなのですよ」
「そんなことはないはずです。ルーシア君のお父さんの、僕にこの本をあげたいという気持ちは確かに感じましたよ!」
リュクサンドールは本への執着のあまり意地になっているようだ。本を両手で胸に抱きかかえ、必死に奪われまいとしている。全裸なんだからせめてそれで股間でも隠せよ。
「何を言っているのですか、先生! あの父の目つきといい、話し方といい、明らかに先ほどまでの父とは別人ではないですか!」
「そうですか? さっきまでと様子が違うようには見えませんけど?」
「え」
「最初からあんな感じだったでしょう、ルーシア君のお父さんは」
「デスヨネー」
と、リュクサンドールの言葉にうなずくネムだった。いや、どう見ても別人だろ。
しかし、リュクサンドールはガチでそう思ってるのか、あるいは本が欲しいがゆえにそういう主張で通すつもりなのか、
「とにかく、僕は絶対にこの本を持って帰るんですからねっ!」
一歩も譲らない構えだ! さっきまで間抜け面でぼーっと立っていただけのくせに、急に自己主張し始めやがって。そんなにその本が欲しいのかよ。
「い、いや、どう見ても父はあの剣に体を支配されているでしょう! そうですよね、お兄様?」
「え?」
と、急にルーシアに話を振られたレクスは戸惑ったようだったが、
「そ、そうだな……。父上は普段からこんな感じだったかな……」
リュクサンドールを家から追い出したいがゆえに心にもないことを言ったようだった。よしよし、さすが妹想いのバカ兄貴だ。
「お兄様、なにを言っているのですか! 今のお父様はどう見てもおかしいでしょう!」
「ノンノン、ワタシは極めていつも通りで、平常運転ですヨ? あなた以外の、ここにいるすべての男たちはみんなそう思ってますヨ? ネー?」
と、ネムは俺とリュクサンドールとレクスに同意を求めてきた。俺たちはいっせいに「ですよねー」と答えた。ユリィだけは無言で困惑しているようだったが。
「く……!」
ルーシアは悔しそうに歯ぎしりしながら俺たちをにらんだ。フフ、いいね、その顔! 俺ちゃん、お前のそういう顔が見たくて、この家に来たんだからあ。
「じゃあ、そういうわけなんで、僕はこの本を持って帰りますねー」
リュクサンドールは再び本を持って部屋を出ようとした。
と、そこで、
「待ってください、先生! 帰るのでしたら、私も一緒に行きます!」
なんと、リュクサンドールについていく気マンマンのルーシアだった……。
あなたにおすすめの小説
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
神様の手違いで異世界転生した俺の魅了チートが、勇者のハーレムを根こそぎ奪って溺愛ハーレム作りました!
まさき
恋愛
ブラック企業で働き続けた俺、佐藤誠が過労で倒れ、気づけば異界の地。
「手違いで死なせちゃってごめん!」という神様から、お詫びに貰ったのは規格外の【魅了】スキル——。
だが、元社畜の俺にはその自覚が微塵もない!
ただ誠実に、普通に生きようとしているだけなのに、エルフの賢者、獣人の少女、最強の聖女、さらには魔王の娘までもが、俺の「社畜仕込みの優しさ」に絆されて居座り始める。
一方で、10年かけて仲間を集めたはずの「勇者・勝利」は、自身の傲慢さゆえに、誠へとなびく仲間たちを一人、また一人と失っていく。
「俺は勇者だぞ! なぜ手違い転生者に負けるんだあああ!?」
人界から天界、そして宇宙の創造へ——。
無自覚な誠実さで世界を塗り替えてしまう、元社畜の究極溺愛ハーレムファンタジー、ここに開幕!
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
マカロニ
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。