118 / 200
忘れ物は可愛い婚約者さん
しおりを挟む
最近、忘れ物のお届けがかなりの羞恥プレイです。
本当に嫌です。
学校で電話に出る。ちょうど今日の一限の授業が終わった時だった。
きたなっと身構えた。
今日はこれだけしか授業がなかった。
「……何でしょうか? 真田さん」
「ああ、ご機嫌斜めだと思いまして」
「はい、でも何故だかわかりますか?」
「さあ、でもお仕事のお時間でよろしいでしょうか?」
「仕事と呼べるものならキチンといたします」
「では、お伝えいたします。そのままお読みいたします」
やっぱりそうきたか?
「ではいきます。蓮司会長からです。『俺の、可愛い、可愛い、可愛い婚約者さんを忘れたから、届けてくれ』だ、そうです」
「…………」
「いかがでしょう?」
「すみません、可愛いを三回も言う必要あるんでしょうか?」
「……一応、必須事項と言われました」
「会長にお伝え出来ないですか? そんな方いませんって。超地味で偽造婚約詐欺にあって大変困惑している人なら、約1名ここにおりますって……」
「美代様、私の仕事は蓮司様の伝言をお届けするだけです。逆は申し訳ありませんができません」
な、なんて不都合なシステムなんだろうか?
しかも昨日は、「俺の愛している人にキスが足りなかったから、その人を届けてくれないか?」
その前は、
「土屋美代っていうまじ可愛すぎるやつを家に忘れた。そいつを連れてきてくれ。本当に可愛かったか確認したい」
ああ、数かぞえきれないほどの羞恥プレイ。しかも、それらの文言を眉ひとつ動かさずに言ってくる真田さんに超ムカつくが、なにも対抗できない。
恥ずかしくて、伊勢崎さんの車に乗れない!っと拒否していたら、その時は大原家にいたため、何と真田さんに後ろから押された!! いや、ど突かれた等しい! しかも、チャイルドロック! 中から開かない!
「さ、真田さん! う、裏切りもの!」
窓を開けて叫んだ!
「え? 美代様、そんな感謝しないでください。どうぞ行ってらっしゃいませ」
とニコニコ顔で言い渡された。
しかも、今度はまだメディア発表はしていないのだが、大原財閥総裁のフィアンセという恐ろしいタイトルがついたため、護衛の方たちが何気に増えている感じがする。
今日は秘策を持ってきた。校門にはやはり黒塗りの車が待機しており、後方には長谷川さん達が待機している車が見える。ちょっと時間をもらってトイレに逃げ込み、抵抗したいがために、あのオレンジのツナギを着た。最近はジーンズ姿だったり、かなりラフであったがまだまともな格好だったからだ。この作業員のようなツナギなら、奴も婚約者として恥ずかしくて呼べなくなるだろうと見込んでいた。なかなか渋い奴もこれで反省するに違いない。会社に到着後、ぞろぞろと黒服さんたちに囲まれ、会社内を歩く。正直、前も説明したが、人間壁がでかすぎて誰も見えない。蓮司の会長室に入った。中には外人さんっぽい白人の男の人が親しく蓮司会長と話しあっていた。
が、蓮司の姿を見て唖然とする。
え! なんで? どうしてわかったの? しかもなぜに同じ?
もう帰りたいが、もう戻れない。外人さんが直視してきた。
「おーーー!! これがミヨさん、ですか?」
ちょっとアクセントのある流暢な日本語で相手は話した。
「な、ナイス トゥー ミーチュウ!」
美代は頑張って英語で話してみた。だが、相手の日本語の方が上手であった。
「レンジはハッピーね。しかもペアルック! ラブラブじゃないか!」
そうだ。私が逃げたかった理由がこれだ。外人さんではない。何故だかこのツナギとそっくりのものを蓮司会長が着ていた。
まさかの偶然ペアルック!
驚いて呆然としている私の手をぐいっと引っ張って、しっかりとソファの隣に座らせる。密着度が高い。
「美代、逢いたかったよ。気があうな。で…。あ、で本気も、来てくれて助かった…。ジェフ、悪い。写真撮ってくれ」
いきなり、自分のスマホを出して、ジェフと呼ばれる人に渡した。
ぐいっと横抱きされながら写真を何枚も取らせられる。
ああ、ツナギ作戦大失敗。撃沈だ。
「では、もう失礼します……。お客様もいるみたいだし……」
気分を改めて、もう顔出したし、帰ろうかと思った。
「待て待て、おまえが本当に必要なんだ。彼はジェフだ。俺の知り合いだ。彼はエコエナジーというところの会社の社長さんだ。お前に話があるようだ」
「はい? 私にですか?」
そうだ。
こうやって呼ばれるだけど、いつも誰かしらがオフィスにいて強引に会わせられるのだ。
昨日も弁護士さんやら何人にも会い、書類にサインをさせられた。借用書と婚姻届だけは紛れていないかチェックして、確認しながら蓮司の横でサインを続ける。あの宝石の保険に入るものとかもあった。それから自分名義の貸金庫やらなんだかいろんな業務以外の事務的な書類が多い。あ、貸金庫に例のそら豆宝石はしまわれた。大原家の金庫から銀行への貸金庫へと引越しだ。ちょっと助かる。呪いの石が近くにあったら不安だからだ。いろんな書類にサインしながら、隣にニコニコしている人に話しかける。
「まさか、こうやって私にサインをさせてどっかに私を売ろうとしてませんか?」
「ぷ、バカな。大丈夫だ。たとえ売っても、また買い戻すのは俺だ。何も問題ない……」
「なっ!」
「レンジ、いいですか? これはミヨさんのオッケーを取りたいんです……」
ジェフと呼ばれる40歳前後と思われる人当たりが良さそうな人が話し出す。でも、彼の目つきは真剣だ。
「ミヨさん、あなたの持っている実用新案権をうちに譲ってくれませんか?」
「はい?」
「あなたのお父さまが作ったシャワーの技術を転用して、私達は超小型水力発電の開発をしたいのです」
「超小型水力発電?」
「今まで水量足りないと思われた地域や設備投資するにはちょっと不便すぎる地域にでもコストをかけずに小型機で発電可能になるという画期的な技術です」
「美代、このジェフの会社は信頼できる。金だけを目的にしないで、アジアやアフリカ、あまり発展していない地域でもその活動を拡げているんだ。もちろん、収益は大事だが、どのように使うかは上の判断だからな」
「話しが大き過ぎてよくわかりません」
「俺は、お前の持っているもの実用新案権とか特許には興味はない。だが、それを生かすツテは持っている。ジェフ曰く、こいつも他の事業で成功しているから、このエコエナジー社はある意味、社会貢献型中心の会社だ。ほとんど事業がボランティア的なものが多い。だからな、お前に使用料を残りの年数払うより、ここで譲渡であるが少ない金額で手を売ってもらえないかという話しだ。正直、他の会社に話を持っていったら、ここのジェフの会社より巨大な額のお金が動く。だが、値段が高騰してしまい、ジェフのような会社が使用できるまでにはお金も時間もかかってしまう。それが美代の望みなら俺も力を貸す。お前次第だ。美代」
「ミヨさん、貴方のお父様の技術で、今まで電力が不足している地域にそれが可能になるんです。電力が多少あれば、病院や学校など町や村に最小限の設備が整えられます。しかも水はクリーンエナジーです。協力していただけないでしょうか?」
英語で早口で話すジェフの言葉を蓮司会長が丁寧に訳してくれた。
「えええ? そんなもちろんです。皆んなが幸せになれるんだったら、あげますからどうぞ使ってください!」
自分の答えを確認するかのように、ジェフが今聞いた日本語の意味を蓮司会長に問う。
蓮司の答えを聞いて、ジェフは唖然としている。
何故ならもっとプレゼンして美代にいかにこの技術が人類を救えるか訴えたかったようだ。
そう蓮司が話している。
「ジェフ、あんまり美代を見つめるなよ。お前は妻帯者だけどさぁ…」
「あー、ミヨさん、大変ね。きっとレンジは君には嫉妬の塊みたいだね。でも、レンジは貴方を愛していると思います。こんな幸せそうなレンジ、今まで見たことがないですから!」
「え?」
意外なことを言われてちょっとドッキリする。
「ジェフ! ふざけたこと言うなよ。さっさと契約書見せやがれ」
頬を少し赤くさせた蓮司がボヤいていた。
その後、蓮司が、本当に今ここで決めていいのか? と何回も質問してきたけれど、早くその人達を助けたいと言うのと、ジェフさんの熱意というか人柄に押されてサインをすることを決めた。
蓮司がサインをする前に何度も書類を確認してくれたから助かった。全く良く分からない言葉だし、借金とか間違えて作りたくないのだ。父のように……。
「ミヨさん、ありがとう。君の決断は多くの人を救う。レディ ミヨ。貴方はエンジェルだ……」
「え、そんな、大したことじゃないです」
「ジェフ、近すぎる。後の書類は郵送してくれ。もう美代にそんな近づくんじゃない!」
後の書類や手続きは代行してくださる人がいるみたいで、そちらに任す事になった。
ジェフは何度も蓮司と美代にお礼を言って部屋から出て行った。
「会長、なんかよくわらないけど、ありがとうございます。自分では出来ませんでした。色々」
「お前はあれだな、舌切り雀の話でつづらの土産物を大小どっちか選べって言われたら、まあ間違いなく貰わないで帰ってきそうなタイプだな」
「え? なんですか? そのへんな選択。あー、でも訳わかんないものを貰って呪われちゃうより、何もない方がいいですよねー。こわいですよ。あ、だったら、浦島太郎なんて本当、気の毒ですよね。あんな土産物あげるのは酷ですよー」
内線が急に鳴る。蓮司は受話器を取り返事をしていた。顔付きが急に変わった。「ああ、ちょっと外で待たせろ」とだけ聞こえた。
「ふ、確かにあれはまあ、浦島太郎は酷な話だ。それよりも、美代。ここでいま一つ言っておく事がある。大事な話だ」
急に真面目なモードになった蓮司が美代を見つめた。
部屋を出たジェフは頭を掻きながら、まいったなという表情をしていた。
まさか即答とは信じがたい。
だから拍子抜けしてしまう。そして、その横に満足そうにして座っている蓮司を思い出す。
ーーなるほど、こういう事か。レンジが選ぶオンナとは……。
楽しみだ。
オオハラ・ミヨ……。
本当に嫌です。
学校で電話に出る。ちょうど今日の一限の授業が終わった時だった。
きたなっと身構えた。
今日はこれだけしか授業がなかった。
「……何でしょうか? 真田さん」
「ああ、ご機嫌斜めだと思いまして」
「はい、でも何故だかわかりますか?」
「さあ、でもお仕事のお時間でよろしいでしょうか?」
「仕事と呼べるものならキチンといたします」
「では、お伝えいたします。そのままお読みいたします」
やっぱりそうきたか?
「ではいきます。蓮司会長からです。『俺の、可愛い、可愛い、可愛い婚約者さんを忘れたから、届けてくれ』だ、そうです」
「…………」
「いかがでしょう?」
「すみません、可愛いを三回も言う必要あるんでしょうか?」
「……一応、必須事項と言われました」
「会長にお伝え出来ないですか? そんな方いませんって。超地味で偽造婚約詐欺にあって大変困惑している人なら、約1名ここにおりますって……」
「美代様、私の仕事は蓮司様の伝言をお届けするだけです。逆は申し訳ありませんができません」
な、なんて不都合なシステムなんだろうか?
しかも昨日は、「俺の愛している人にキスが足りなかったから、その人を届けてくれないか?」
その前は、
「土屋美代っていうまじ可愛すぎるやつを家に忘れた。そいつを連れてきてくれ。本当に可愛かったか確認したい」
ああ、数かぞえきれないほどの羞恥プレイ。しかも、それらの文言を眉ひとつ動かさずに言ってくる真田さんに超ムカつくが、なにも対抗できない。
恥ずかしくて、伊勢崎さんの車に乗れない!っと拒否していたら、その時は大原家にいたため、何と真田さんに後ろから押された!! いや、ど突かれた等しい! しかも、チャイルドロック! 中から開かない!
「さ、真田さん! う、裏切りもの!」
窓を開けて叫んだ!
「え? 美代様、そんな感謝しないでください。どうぞ行ってらっしゃいませ」
とニコニコ顔で言い渡された。
しかも、今度はまだメディア発表はしていないのだが、大原財閥総裁のフィアンセという恐ろしいタイトルがついたため、護衛の方たちが何気に増えている感じがする。
今日は秘策を持ってきた。校門にはやはり黒塗りの車が待機しており、後方には長谷川さん達が待機している車が見える。ちょっと時間をもらってトイレに逃げ込み、抵抗したいがために、あのオレンジのツナギを着た。最近はジーンズ姿だったり、かなりラフであったがまだまともな格好だったからだ。この作業員のようなツナギなら、奴も婚約者として恥ずかしくて呼べなくなるだろうと見込んでいた。なかなか渋い奴もこれで反省するに違いない。会社に到着後、ぞろぞろと黒服さんたちに囲まれ、会社内を歩く。正直、前も説明したが、人間壁がでかすぎて誰も見えない。蓮司の会長室に入った。中には外人さんっぽい白人の男の人が親しく蓮司会長と話しあっていた。
が、蓮司の姿を見て唖然とする。
え! なんで? どうしてわかったの? しかもなぜに同じ?
もう帰りたいが、もう戻れない。外人さんが直視してきた。
「おーーー!! これがミヨさん、ですか?」
ちょっとアクセントのある流暢な日本語で相手は話した。
「な、ナイス トゥー ミーチュウ!」
美代は頑張って英語で話してみた。だが、相手の日本語の方が上手であった。
「レンジはハッピーね。しかもペアルック! ラブラブじゃないか!」
そうだ。私が逃げたかった理由がこれだ。外人さんではない。何故だかこのツナギとそっくりのものを蓮司会長が着ていた。
まさかの偶然ペアルック!
驚いて呆然としている私の手をぐいっと引っ張って、しっかりとソファの隣に座らせる。密着度が高い。
「美代、逢いたかったよ。気があうな。で…。あ、で本気も、来てくれて助かった…。ジェフ、悪い。写真撮ってくれ」
いきなり、自分のスマホを出して、ジェフと呼ばれる人に渡した。
ぐいっと横抱きされながら写真を何枚も取らせられる。
ああ、ツナギ作戦大失敗。撃沈だ。
「では、もう失礼します……。お客様もいるみたいだし……」
気分を改めて、もう顔出したし、帰ろうかと思った。
「待て待て、おまえが本当に必要なんだ。彼はジェフだ。俺の知り合いだ。彼はエコエナジーというところの会社の社長さんだ。お前に話があるようだ」
「はい? 私にですか?」
そうだ。
こうやって呼ばれるだけど、いつも誰かしらがオフィスにいて強引に会わせられるのだ。
昨日も弁護士さんやら何人にも会い、書類にサインをさせられた。借用書と婚姻届だけは紛れていないかチェックして、確認しながら蓮司の横でサインを続ける。あの宝石の保険に入るものとかもあった。それから自分名義の貸金庫やらなんだかいろんな業務以外の事務的な書類が多い。あ、貸金庫に例のそら豆宝石はしまわれた。大原家の金庫から銀行への貸金庫へと引越しだ。ちょっと助かる。呪いの石が近くにあったら不安だからだ。いろんな書類にサインしながら、隣にニコニコしている人に話しかける。
「まさか、こうやって私にサインをさせてどっかに私を売ろうとしてませんか?」
「ぷ、バカな。大丈夫だ。たとえ売っても、また買い戻すのは俺だ。何も問題ない……」
「なっ!」
「レンジ、いいですか? これはミヨさんのオッケーを取りたいんです……」
ジェフと呼ばれる40歳前後と思われる人当たりが良さそうな人が話し出す。でも、彼の目つきは真剣だ。
「ミヨさん、あなたの持っている実用新案権をうちに譲ってくれませんか?」
「はい?」
「あなたのお父さまが作ったシャワーの技術を転用して、私達は超小型水力発電の開発をしたいのです」
「超小型水力発電?」
「今まで水量足りないと思われた地域や設備投資するにはちょっと不便すぎる地域にでもコストをかけずに小型機で発電可能になるという画期的な技術です」
「美代、このジェフの会社は信頼できる。金だけを目的にしないで、アジアやアフリカ、あまり発展していない地域でもその活動を拡げているんだ。もちろん、収益は大事だが、どのように使うかは上の判断だからな」
「話しが大き過ぎてよくわかりません」
「俺は、お前の持っているもの実用新案権とか特許には興味はない。だが、それを生かすツテは持っている。ジェフ曰く、こいつも他の事業で成功しているから、このエコエナジー社はある意味、社会貢献型中心の会社だ。ほとんど事業がボランティア的なものが多い。だからな、お前に使用料を残りの年数払うより、ここで譲渡であるが少ない金額で手を売ってもらえないかという話しだ。正直、他の会社に話を持っていったら、ここのジェフの会社より巨大な額のお金が動く。だが、値段が高騰してしまい、ジェフのような会社が使用できるまでにはお金も時間もかかってしまう。それが美代の望みなら俺も力を貸す。お前次第だ。美代」
「ミヨさん、貴方のお父様の技術で、今まで電力が不足している地域にそれが可能になるんです。電力が多少あれば、病院や学校など町や村に最小限の設備が整えられます。しかも水はクリーンエナジーです。協力していただけないでしょうか?」
英語で早口で話すジェフの言葉を蓮司会長が丁寧に訳してくれた。
「えええ? そんなもちろんです。皆んなが幸せになれるんだったら、あげますからどうぞ使ってください!」
自分の答えを確認するかのように、ジェフが今聞いた日本語の意味を蓮司会長に問う。
蓮司の答えを聞いて、ジェフは唖然としている。
何故ならもっとプレゼンして美代にいかにこの技術が人類を救えるか訴えたかったようだ。
そう蓮司が話している。
「ジェフ、あんまり美代を見つめるなよ。お前は妻帯者だけどさぁ…」
「あー、ミヨさん、大変ね。きっとレンジは君には嫉妬の塊みたいだね。でも、レンジは貴方を愛していると思います。こんな幸せそうなレンジ、今まで見たことがないですから!」
「え?」
意外なことを言われてちょっとドッキリする。
「ジェフ! ふざけたこと言うなよ。さっさと契約書見せやがれ」
頬を少し赤くさせた蓮司がボヤいていた。
その後、蓮司が、本当に今ここで決めていいのか? と何回も質問してきたけれど、早くその人達を助けたいと言うのと、ジェフさんの熱意というか人柄に押されてサインをすることを決めた。
蓮司がサインをする前に何度も書類を確認してくれたから助かった。全く良く分からない言葉だし、借金とか間違えて作りたくないのだ。父のように……。
「ミヨさん、ありがとう。君の決断は多くの人を救う。レディ ミヨ。貴方はエンジェルだ……」
「え、そんな、大したことじゃないです」
「ジェフ、近すぎる。後の書類は郵送してくれ。もう美代にそんな近づくんじゃない!」
後の書類や手続きは代行してくださる人がいるみたいで、そちらに任す事になった。
ジェフは何度も蓮司と美代にお礼を言って部屋から出て行った。
「会長、なんかよくわらないけど、ありがとうございます。自分では出来ませんでした。色々」
「お前はあれだな、舌切り雀の話でつづらの土産物を大小どっちか選べって言われたら、まあ間違いなく貰わないで帰ってきそうなタイプだな」
「え? なんですか? そのへんな選択。あー、でも訳わかんないものを貰って呪われちゃうより、何もない方がいいですよねー。こわいですよ。あ、だったら、浦島太郎なんて本当、気の毒ですよね。あんな土産物あげるのは酷ですよー」
内線が急に鳴る。蓮司は受話器を取り返事をしていた。顔付きが急に変わった。「ああ、ちょっと外で待たせろ」とだけ聞こえた。
「ふ、確かにあれはまあ、浦島太郎は酷な話だ。それよりも、美代。ここでいま一つ言っておく事がある。大事な話だ」
急に真面目なモードになった蓮司が美代を見つめた。
部屋を出たジェフは頭を掻きながら、まいったなという表情をしていた。
まさか即答とは信じがたい。
だから拍子抜けしてしまう。そして、その横に満足そうにして座っている蓮司を思い出す。
ーーなるほど、こういう事か。レンジが選ぶオンナとは……。
楽しみだ。
オオハラ・ミヨ……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる