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月光に煌めく金のたてがみ-10年目の再会と約束-
act 1
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ー2年前ー
「ミズキさま、湯浴みのご用意が整いました」
その言葉に読んでいた本から顔を上げ
「わかった」
ミズキが短く返事をする。いい具合に読み進めていた本を途中でやめるのは気が引けるが折角、用意してくれた湯浴みを無駄にするわけにはいかず、ミズキは渋々ではあるが本に羽を挟み閉じた。
席を立ち湯浴みの準備をするために部屋を出ようとしたその時
「きゃぁぁ!!!」
「ラ、ライオン!!!」
外が騒がしくなった。ミズキは急いで窓辺に駆け寄り外の様子を見ると口に小さな銀糸の子を咥えた金糸のたてがみを持つライオンがいた。
ミズキは考えるよりも先に勝手に身体が動き、金糸のライオンの前に立っていた。
「ミズキさま、お逃げください!」
「王子、早くこちらへ!」
侍女や兵たちが金糸のライオンから王子を守ろうと喚き叫ぶ。ミズキはそんな従事たちに静止の手を上げ
「傷薬と包帯の用意を部屋の中へ」
静かに告げる。その瞳はジッとライオンを見つめている。
「し…しかし…」
侍女の一人が渋るが
「いいから早く!彼を刺激するな!喉を引き裂かれるぞ!」
決してそんなことはしないと確信があったが、アタフタしている従事たちをどうにかするのが先決だと判断し、思ってないことを口にした。
「はっ、はい。ただいま…」
侍女が慌てて王子の命であればと言われたとおりに準備をし始める。
「ミズキさま、準備が出来ました」
準備が出来たと侍女が告げれば
「わかった。俺の部屋を今から明朝まで人払いをしろ。誰も寄こすな。誰も近づくな!」
ミズキは従事たちに告げる。
「しかしミズキさま…」
兵たちはミズキの身を案じ渋るが
「大丈夫だ。俺と彼らだけにしろ」
ミズキはライオンを彼と呼ぶ。まるで相手が誰かわかっているかのような口ぶりで。
「わかりました。皆の者、即刻に人払いを第一王子の命である」
兵のリーダーが返事をして号令を出せば、兵や侍女たちは皆、彼の背に頭を下げて去っていく。
数分後、完全に人の気配がなくなったところでミズキが小さく息を吐いた。
「名もわからぬ金糸の王よ、人払いもした、ここには俺とあなた達しかおりません。どうか、その気を静めてはくれませんか?周りにいる小動物たちが怯えてます。彼らは俺の友ですゆえに…」
ミズキは周りで怯えて様子を見ている鳥や小動物たちのことを案じ告げれば、まるで溜め息をつくように息を吐いた金糸のライオンからはさっきまでの敵意をむき出しにしていた気が消えた。
「傷の手当てを…でもその前にその身体についた汚れを落としてくれないか?」
ミズキは部屋に入るように促しながら告げる。
「グルル」
ライオンからは低い唸り声が出た。
「湯浴みをしてその汚れを落としてからじゃないと傷口から菌が入って酷くなる。大丈夫だ、俺はこの部屋から出ない、決してお前たちの湯浴みを覗きはしないから…」
ミズキは金糸のライオンを湯浴み用の風呂へと押しこみ扉を閉めた。そして、その場所を離れた。彼が安心できるように…。
ミズキはある種の確信があった。金糸のライオンは誰か人が変化した姿だと。変化した人物は他人に湯浴みの姿を覗かれることを嫌がるのを知っていた。
獣人は心を通わした者にしかその姿を見せぬという。だからミズキは中に押し込み自分は窓辺へと移動したのだ。
-数分後-
湯浴みを終えて出てくると窓辺に椅子を置き本を読んでいるミズキの姿を見つけた。
その姿はキレイだけど、どこか儚くて、触れれば泡となって消えてしまいそうだった。
カツリとわざと爪の音をたてて”出てきたぞ”とアピールすれば、ゆっくりと本から顔を上げその視線が金糸の王へと移される。
ゆっくりとした動きで窓辺へと移動する金糸の王の身体を月の光が照らしだす。
湯浴みし汚れを落とした金糸に月の光があたりキラキラと光り輝く。
その姿を見てミズキはキレイだと思った。
そんな彼の足元に、彼の陰に隠れるように、同じように月光を浴びキラキラと光り輝く銀糸の小さな狼がいた。
そんな姿を見てミズキの口元に小さな笑みが浮かぶ。
きっとあの金糸の王は銀糸の狼を助けるために傷を負ったのだろう。
ふわりと風が吹き、本のための羽根が宙を舞う。
そんな羽根を追うようにミズキが手を伸ばし羽根を掴んだ。
「…あっ…」
その時、ミズキは初めて自分の変化に気が付いた。金糸の王に気を取られていたため、自分が発情期に入ったのを忘れていたのだ。
月光に照らされるその姿は先程よりも細く瞳と髪が紅くなっている。
「内緒な?」
口元に人差し指を当てて言う。
発情期に入った姿をミズキは人に見せるのを嫌がる。
決して他の人に影響がないとはいえ、髪と瞳の色が違うので発情期に入っているとわかってしまうから嫌だった。
だから発情期に入ったときは極力、人に会わないようにしているのだ。
「さぁ、傷の手当てをしよう。怖くないからおいで銀糸の君」
金糸の王の前に膝をつき銀糸の狼を怖がらせないように手を差し出す。
恐る恐る金糸の王の陰から出てくる。ミズキは銀糸の狼が自分の傍に来るまで焦らずに待つ。
スンスンと匂いを嗅ぎながらミズキの前に出てくる。そしてちょこりと座る。ミズキはそっと頭を撫で
「少し我慢してくれよな」
抱き上げるとケガをしていないかを確認する。全身こまなく確認していく。
「よし、ケガはないな。お疲れさま、もう、大丈夫だ。そこで待っててくれ」
ミズキは銀糸の狼を下におろすと金糸の王と向き合う。
「次は金糸の王だ。見せてくれ」
明らかに金糸の王はケガしているのがわかる。ミズキは一つづつ見落とさないように見て、ケガした場所を見つけると手当をしていく。
「これは…。王よ、少し我慢をしてくれ」
肩付近に枝が刺さっているのを見つけた。それを抜かなくてはならない。結構深く刺さっている。抜くのにも力をいれることになる。
「グゥ」
小さな悲鳴が一度だけ上がる。がそれっきり声を上げることはなかった。ミズキは刺さった枝を抜き、一つ一つ丁寧に傷の手当てをしていく。
「終わり。これで良し。あっ…待ってる間に寝ちゃったんだ」
薬などを片付けながら足元を見るとミズキの足を枕にして銀糸の狼が寝ていた。
ミズキは起こさないように気を付けながら邪魔にならないように薬などを隅に置きそっとその身体を撫でていく。
ふわふわの銀糸が流れていく。
「疲れてたんだな。王も少し休んだらどうだ?」
その声に反応するようにミズキの傍に横になる。ミズキはそんな金糸の王の頭も同じように撫でていく。
どれだけ時間がったのかむくりと金糸の王が起き上がり銀糸の狼の首を噛み立ち上がる。
「行くのか?」
金糸の王の身体に凭れてウトウトしていたミズキが身体を起こし聞く。返事をする代わりにゆっくりと庭への入り口へと進んでいく。
そんな金糸の王の後をミズキが追う。
金糸の王がゆっくりと振り返りミズキを見る。外は薄っすらと明るくなり始めている。
「また、な」
小さく笑い金糸の王へ告げる。
「グルゥ」
まるで返事のように一鳴きし夜が明け始めた空へと消えていった。
「またな」
姿が見えなくなった金糸の王に告げるように呟いた。
ミズキにはまた逢えるという確信がなぜだかあった。だから”またな”と告げたのだ。
あの金糸の王と銀糸の狼がまた逢いに来てくれると信じて彼はゆっくりと入り口を閉めた。
「ミズキさま、湯浴みのご用意が整いました」
その言葉に読んでいた本から顔を上げ
「わかった」
ミズキが短く返事をする。いい具合に読み進めていた本を途中でやめるのは気が引けるが折角、用意してくれた湯浴みを無駄にするわけにはいかず、ミズキは渋々ではあるが本に羽を挟み閉じた。
席を立ち湯浴みの準備をするために部屋を出ようとしたその時
「きゃぁぁ!!!」
「ラ、ライオン!!!」
外が騒がしくなった。ミズキは急いで窓辺に駆け寄り外の様子を見ると口に小さな銀糸の子を咥えた金糸のたてがみを持つライオンがいた。
ミズキは考えるよりも先に勝手に身体が動き、金糸のライオンの前に立っていた。
「ミズキさま、お逃げください!」
「王子、早くこちらへ!」
侍女や兵たちが金糸のライオンから王子を守ろうと喚き叫ぶ。ミズキはそんな従事たちに静止の手を上げ
「傷薬と包帯の用意を部屋の中へ」
静かに告げる。その瞳はジッとライオンを見つめている。
「し…しかし…」
侍女の一人が渋るが
「いいから早く!彼を刺激するな!喉を引き裂かれるぞ!」
決してそんなことはしないと確信があったが、アタフタしている従事たちをどうにかするのが先決だと判断し、思ってないことを口にした。
「はっ、はい。ただいま…」
侍女が慌てて王子の命であればと言われたとおりに準備をし始める。
「ミズキさま、準備が出来ました」
準備が出来たと侍女が告げれば
「わかった。俺の部屋を今から明朝まで人払いをしろ。誰も寄こすな。誰も近づくな!」
ミズキは従事たちに告げる。
「しかしミズキさま…」
兵たちはミズキの身を案じ渋るが
「大丈夫だ。俺と彼らだけにしろ」
ミズキはライオンを彼と呼ぶ。まるで相手が誰かわかっているかのような口ぶりで。
「わかりました。皆の者、即刻に人払いを第一王子の命である」
兵のリーダーが返事をして号令を出せば、兵や侍女たちは皆、彼の背に頭を下げて去っていく。
数分後、完全に人の気配がなくなったところでミズキが小さく息を吐いた。
「名もわからぬ金糸の王よ、人払いもした、ここには俺とあなた達しかおりません。どうか、その気を静めてはくれませんか?周りにいる小動物たちが怯えてます。彼らは俺の友ですゆえに…」
ミズキは周りで怯えて様子を見ている鳥や小動物たちのことを案じ告げれば、まるで溜め息をつくように息を吐いた金糸のライオンからはさっきまでの敵意をむき出しにしていた気が消えた。
「傷の手当てを…でもその前にその身体についた汚れを落としてくれないか?」
ミズキは部屋に入るように促しながら告げる。
「グルル」
ライオンからは低い唸り声が出た。
「湯浴みをしてその汚れを落としてからじゃないと傷口から菌が入って酷くなる。大丈夫だ、俺はこの部屋から出ない、決してお前たちの湯浴みを覗きはしないから…」
ミズキは金糸のライオンを湯浴み用の風呂へと押しこみ扉を閉めた。そして、その場所を離れた。彼が安心できるように…。
ミズキはある種の確信があった。金糸のライオンは誰か人が変化した姿だと。変化した人物は他人に湯浴みの姿を覗かれることを嫌がるのを知っていた。
獣人は心を通わした者にしかその姿を見せぬという。だからミズキは中に押し込み自分は窓辺へと移動したのだ。
-数分後-
湯浴みを終えて出てくると窓辺に椅子を置き本を読んでいるミズキの姿を見つけた。
その姿はキレイだけど、どこか儚くて、触れれば泡となって消えてしまいそうだった。
カツリとわざと爪の音をたてて”出てきたぞ”とアピールすれば、ゆっくりと本から顔を上げその視線が金糸の王へと移される。
ゆっくりとした動きで窓辺へと移動する金糸の王の身体を月の光が照らしだす。
湯浴みし汚れを落とした金糸に月の光があたりキラキラと光り輝く。
その姿を見てミズキはキレイだと思った。
そんな彼の足元に、彼の陰に隠れるように、同じように月光を浴びキラキラと光り輝く銀糸の小さな狼がいた。
そんな姿を見てミズキの口元に小さな笑みが浮かぶ。
きっとあの金糸の王は銀糸の狼を助けるために傷を負ったのだろう。
ふわりと風が吹き、本のための羽根が宙を舞う。
そんな羽根を追うようにミズキが手を伸ばし羽根を掴んだ。
「…あっ…」
その時、ミズキは初めて自分の変化に気が付いた。金糸の王に気を取られていたため、自分が発情期に入ったのを忘れていたのだ。
月光に照らされるその姿は先程よりも細く瞳と髪が紅くなっている。
「内緒な?」
口元に人差し指を当てて言う。
発情期に入った姿をミズキは人に見せるのを嫌がる。
決して他の人に影響がないとはいえ、髪と瞳の色が違うので発情期に入っているとわかってしまうから嫌だった。
だから発情期に入ったときは極力、人に会わないようにしているのだ。
「さぁ、傷の手当てをしよう。怖くないからおいで銀糸の君」
金糸の王の前に膝をつき銀糸の狼を怖がらせないように手を差し出す。
恐る恐る金糸の王の陰から出てくる。ミズキは銀糸の狼が自分の傍に来るまで焦らずに待つ。
スンスンと匂いを嗅ぎながらミズキの前に出てくる。そしてちょこりと座る。ミズキはそっと頭を撫で
「少し我慢してくれよな」
抱き上げるとケガをしていないかを確認する。全身こまなく確認していく。
「よし、ケガはないな。お疲れさま、もう、大丈夫だ。そこで待っててくれ」
ミズキは銀糸の狼を下におろすと金糸の王と向き合う。
「次は金糸の王だ。見せてくれ」
明らかに金糸の王はケガしているのがわかる。ミズキは一つづつ見落とさないように見て、ケガした場所を見つけると手当をしていく。
「これは…。王よ、少し我慢をしてくれ」
肩付近に枝が刺さっているのを見つけた。それを抜かなくてはならない。結構深く刺さっている。抜くのにも力をいれることになる。
「グゥ」
小さな悲鳴が一度だけ上がる。がそれっきり声を上げることはなかった。ミズキは刺さった枝を抜き、一つ一つ丁寧に傷の手当てをしていく。
「終わり。これで良し。あっ…待ってる間に寝ちゃったんだ」
薬などを片付けながら足元を見るとミズキの足を枕にして銀糸の狼が寝ていた。
ミズキは起こさないように気を付けながら邪魔にならないように薬などを隅に置きそっとその身体を撫でていく。
ふわふわの銀糸が流れていく。
「疲れてたんだな。王も少し休んだらどうだ?」
その声に反応するようにミズキの傍に横になる。ミズキはそんな金糸の王の頭も同じように撫でていく。
どれだけ時間がったのかむくりと金糸の王が起き上がり銀糸の狼の首を噛み立ち上がる。
「行くのか?」
金糸の王の身体に凭れてウトウトしていたミズキが身体を起こし聞く。返事をする代わりにゆっくりと庭への入り口へと進んでいく。
そんな金糸の王の後をミズキが追う。
金糸の王がゆっくりと振り返りミズキを見る。外は薄っすらと明るくなり始めている。
「また、な」
小さく笑い金糸の王へ告げる。
「グルゥ」
まるで返事のように一鳴きし夜が明け始めた空へと消えていった。
「またな」
姿が見えなくなった金糸の王に告げるように呟いた。
ミズキにはまた逢えるという確信がなぜだかあった。だから”またな”と告げたのだ。
あの金糸の王と銀糸の狼がまた逢いに来てくれると信じて彼はゆっくりと入り口を閉めた。
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