会長様を手に入れたい

槇瀬陽翔

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49話

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「たぃがぁ、たいがぁ」
自分でもわからない感情。どうすることも出来ない現状。悔しいようで、悲しいようで、情けないようで、自分でもどうすればいいのかわからず、結局は大我にすがるように甘えるしかなかった。


「うん、じゃぁ、唯斗がしたいと思ったことを俺に言ってけ」
大我の服をギュッと握りしめてる手を優しく撫でながら言ってくれる。でも、どう伝えていいのかがわからない。
「どぉ、しよう」
だから俺は一人で悩むことになった。


「そっか、じゃぁ、キスはして欲しいか?」
大我は質問を変えてきた。こくんと頷けば
「じゃぁ、ハグはして欲しいか?」
違うことを聞いてくる。また同じように頷く。
「じゃぁ、手を握るのはしたいか?」
その問いにコクリと頷く。

「わかった、じゃぁ、まずは今言ったことからしよう」
俺の頭を撫でて言う言葉に俺はまた頷いた。


本当に自分でもわからないんだ。いつもだったらキスしたい、甘えたいってハッキリわかるのに、今の俺はどうしていいのかがわからない。その原因を大我はわかってるみたいだったけど…。


「唯斗、好きだよ」
耳元で囁かれて、ふるりと身体が震える。嫌なわけじゃない。そうされると弱いだけ。
「んっ、たぃ、がぁ、っ、ん」
小さな笑みを浮かべたままで触れ合う唇。いつになく熱く感じるのは大我がさかりの最中だからなんだろうか?

触れ合うだけのキスを繰り返し、頬に、首筋に、肩口に、そして手の甲に、指先にまでキスされて、くすぐったくて、手を引っ込めようとしたら、反対に引き寄せられて、抱きしめられた。
「ぁっ、たいがぁ」
ちょっとビックリしたけど、抱きしめられて、不思議と落ち着いてて、それだけじゃなくて、ほんのり暖かい気持ちになった。

「たい、が、たいがぁ、俺、大我が、好きだ」
大我に抱きしめられて、好きだと実感して、好きだと告げた。そしたらまた違った意味で発情が爆発した。


ごめん、大我。これに関しては悪気はないんだ。


「ぁ、ごめ、たい、がぁ、ごめ、ん」
「ホントに急だなお前は」
半泣きで謝る俺に大我は笑いながら言ってくれる。散々俺に付き合ってくれてるからだなんだろうけど、本当にごめん。


「たい、がぁ、キス、して、たい、がぁ、欲しぃ、よぉ」
自分でもどうしたいのかわかってなかったけど、今だけははっきりとわかる。大我が欲しい。大我としたい。
「っ、お前は…色々と急すぎるだろ。まぁ、しょうがないか」
呆れながらも大我は俺にキスをしてくれた。


もう後はいつもの俺の暴走モード。


キスばっかり求めた。大我とのキスが好きだから、キスがしたかったんだ。触れ合うだけのモノから舌を絡めあうヤツまで。
「んっ、ふっ、ぁ、ん」
何度も何度もキスを繰り返して、舌を絡めあって、離れた頃にはどちらのモノともわからぬ透明な糸が引いた。

「ぁ、たぃ、がぁ、して?」
キスだけじゃ足りない。大我としたい。大我に抱かれたい。
「途中で待ったはムリだからな」
俺の頬に触れる大我の言葉に何度も頷く。待ったなんて言わないし、言えるわけがない。大我の瞳は両目とも碧んだから…。それは俺の発情が原因。今回の暴走で大我の瞳が完全に変わってるのはさかりが起きてる証拠。

「ん、いわ、ない、俺、たい、が、がぁ、欲しぃ、よぉ」
だから俺は大我の首に腕を回した。離れていかないように。
「もう、とめれねぇから」
少しだけ困った顔をしながらもハッキリと宣言した大我に俺は笑いかけて自分からキスをした。


自分から言い出したことだも、イヤだなんて言わない。だって俺は大我だから許してるんだ。大我だから、大我としたいんだ。


「ゆい、脱がせよ」
俺の顔中に小さなキスを落としながら大我が言ってくる。俺が素肌に触れたがるの知ってるから先に言われたんだと思う。だって、途中だったら俺、絶対ムリだもん。
「んっ、ぁ、ちょっ、ぁ」


っていうかすでにもうムリなんですが?


脱がせっていう大我の手は俺の身体中を這いまわってるわけで、俺の感じる場所を触れられててビクビク身体が揺れて指にうまく力が入りません。
「んっ、たい、がぁ、まって、ぬが、せないぃ」
だから、ちょっと待っててお願いしたんだけど
「ダーメ。待ったは聞かねぇよ」
なんて意地悪く言われた。でも手を動かすのだけは止めてくれた。だからその隙に頑張ってボタン外して、シャツを脱がしたんだ。


「よくできました」
そんな言葉と共にチュッてキスされて嬉しくてふにゃんて笑ったらでっかい溜め息つかれちゃった。


なんでだよぉ


いいじゃんかぁ…。


嬉しかったんだからさ。


まぁ、この後で思いっきり後悔することになるんだけどさ。


別に煽ってないんだからな!



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