会長様はいちゃつきたい!

槇瀬陽翔

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あの…大我さん…助けて?

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もう、ホント助けて。


自分でも信じられない程、激しい発情。大我に対する欲求。どうしようも出来なくて、俺は大我に助けを求めた。


今回、俺は自分から大我に一人で大丈夫だからって断ったんだ。いつも発情の時、大我が一緒なわけじゃない。大我は俺の好きなようにさせてくれてる。
俺が呼べば大我は来てくれるし、呼ばなければ来ることはない。

それは、付き合う前から変わらない。付き合っても俺はそうしてきてた。


だから今回も大我には大丈夫だからって断ったんだ。断ったの…


いつもだったら自分でどうにかできるのに、今回はダメだった。


大我が欲しい。大我にして欲しい。キスがしたい。


そんな欲求が強くて、自分でもどうしようも出来なくて、結局、電話をすことになった。


『どうした?』
ワンコールで出た大我。声を聞いただけで我慢できない。
「たぃがぁ、たす、けてぇ、きて、ほしぃ」
俺がそう告げただけで、電話は切れた。無機質な機械音が響く。

「んっ、たぃ、がぁ」
電話をその場に捨ててソファに倒れた。


電話を切ってからどれだけ経ったのか部屋のチャイムが鳴った。俺は急いで玄関まで行って扉を開ければ大我がいて、我慢できなくて大我に抱き着いてキスをした。廊下にいる奴に見られるかもしれないのに、俺はそれすら気にする余裕なんてなかったんだ。


「ちょっ、待てって、中に入るぞ」
強引に大我に剥がされて、部屋の中に押し込まれた。大我は急いで扉を鍵を閉めると、そのまま俺を抱き上げて寝室のベッドまで運び押し倒した。

「はぁ、たぃ、がぁ、キスぅ、ねぇ、たぃ、がぁ」
俺は大我のシャツのボタンを外しながらもキスをせがんだ。
「わかったって」
小さく笑いながら唇を塞がれた。


触れ合う唇、絡め合う舌。離れては触れて、そんなキスを繰り返しながら、お互いの服を脱がし合う。



本当に我慢できなかったんだ俺。それをわかってるから大我は俺の要望に応えてくれる。


「んっ、ぁ、ふぅ、ぁ、ん、ぁ、ん」
キスの合間に大我の手が動き回る。それだけで気持ちがいい。もっと触れて欲しくて、触れたくて、大我の首に腕を回した。
「んっ、ぁ、やぁ、ん、ぁ」
少しだけ熱くなった唇が身体中にキスを落としてくる。時折、思い出したかのように唇のキスをして、身体中にキスを落とし、小さな薄い痕を幾つも残していく。それはすぐ消えてしまうけど、発情の時に記憶が飛ぶ俺が大我に愛されたと知ることができる証。


「ん、ぁ、やぁ、ぁ、ぁ、ぅん、ぁ」
キスをせがんで、自分から欲して、それに答えてくれる大我。

「ゆい」
名を呼ばれて顔を見ればその瞳が変化しいている。
「んっ、ぁ、たぃ、がぁ、いいよぉ、欲しい、ぁん」
自分からそれを望んでるんだから、止めなくてもいい。我慢しなくていい。だって助けを求めたのは俺だもん。

「ゆい、好きだ」
その言葉と共にキスをくれる。嬉しくてふにゃって笑ったら、奪うように唇が重ねられた。そのまま、舌を絡めあう。キスに気を取られてる間にゆっくりと大我が中に入ってきた。
「んっ、ん、ん、ぁ、ん、ふぅ」
キスに気を取られてたけど、身体が喜んでる。


後はもう、自分では何も覚えてなかった。



「えっと…ご迷惑をおかけして…」
朝起きて、頭がハッキリとして隣に大我がいるのを知って土下座しながら謝った。
「覚えてないんだな?」
大我のその言葉にコクコクと何度も頷く。

「毎度のことだけど…ちったぁ覚えとけよ!」
なんて大我にヤケクソに言われた。


ごめんって…ホントに俺ダメなんだよ…大我に甘えた後って記憶が飛ぶんだ。


身体だけじゃなくて、心もちゃんと満たされるから途中でぶっ飛んじゃって、記憶に残らないんだ…。


「あっ、でもでも、ほ…ほら、大我さんが付けた痕。俺が欲しがったんだろ?」
自分の身体に薄っすらと残る痕を指さして言えば盛大に溜め息をつかれた。


ごめんなさい…。


「一人で対処しようって気持ちはわかる。それは別に悪い事じゃないし、俺は口出しはしない。だけどな唯斗…人を呼び出しといて記憶ぶっ飛ばすとかやめてくれ」
その言葉にもしかして俺は行為の最中に何か口走ったんだろうか?

「俺…なんか変なこと言った?」
恐る恐る聞けば
「教えてやらねぇ」
なんて言われた。


「えぇー!ちょっと、大我さん、俺なに言ったのぉ??」
俺は大我に泣きつくことになった。



ごめん、大我。でもありがとう。


あの…大我さん…また、助けてくれますかね?



Fin 

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