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第1話 竜の加護
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「…アーナ…」
誰かが呼ぶ声がするとぼんやりと思った。
「…アーナ、ユリアーナ」
徐々にハッキリと聞こえてくる声。
「ユリアーナ、起きるんだユリアーナ」
「はっ、はい!!」
今度こそユリアーナはその呼び声に反応するように飛び起きた。目を開けたその世界は眩しすぎて目が開けていられないほどだった。
「やっと起きたか、この寝坊助め」
そんな皮肉めいた言葉を口にする存在を目にして
「あっ、あぁ、ジークグリード様」
ユリアーナは歓喜の涙を流す。
「泣くな。そなたに涙は似合わぬ。それにトールが知ったら我が殺される」
ぽふりとユリアーナの頭を大きな手が潰さぬように気をつけながら撫でていく。
「だって、もう、トール様やジークグリード様に会えないと思っていたんですから」
ユリアーナは目の前に聳え立つ黒竜の胸に飛びつかん勢いで抱き着いた。そう、ジークグリードは黒い姿をした竜であり、竜族の中で頂点に立つ、竜の王といってもいい黒竜だった。
「ユリアーナ、そなたに我の加護をもう一度与えよう」
ジークグリードの大きな爪がユリアーナの左の掌に触れたと同時に眩い光と優しい風が吹き荒れた。
「ジークグリード様、これは一体…」
自分の掌に現れた紋様を見てユリアーナはジークグリードに尋ねる。
「その紋様は我の加護の証。元々そなたの手にあった紋様も我のモノだと教えたであろう?」
その言葉にコクリとユリアーナは頷いた。
「ジークグリード様、一つ聞いてもいいですか?」
「なにをじゃ?」
ユリアーナはずっと思っていたことを聞こうとジークグリードに声をかけた。
「あ…あの…私は死んだんですよね?」
確かにあの時、首を落とされ死んだ記憶はある。でも、目の前にいるジークグリードは温かく、鼓動もはっきりと伝わってくるのだ。
「そうだ。あの時そなたは死んだ。だが、我の力を使って蘇らせた。そなたにはやってもらいたいことがあるのだ」
「やってもらいたいこと?」
ジークグリードの言葉に首を傾げる。ジークグリードはそんなユリアーナの顔を見て小さく笑った。
「今度こそ、あやつを助けてもらいたいのだ。そなたの中に眠るその力を使って…」
ジークグリードはユリアーナの胸元を指す。
「あやつって、誰の事なんですか?それにトール様は?」
ユリアーナはギュッと自分の胸元の服を握りしめる。
「トールのことは心配しなくてもいい。いずれ出会う。いいな、ユリアーナ、あやつを…〇×▲◇を助け出してくれ」
「まって、ジークグリード様、名前がちゃんと聞き取れないの…ジークグリード様、待って…まっ…」
まるで、ユリアーナの質問を遮るように、ユリアーナの身体は眩い光の渦の中へと引き込まれていった。
「そんな目で睨むでない。我の力を使えばこのなるとわかっていたであろう」
ジークグリードは己の傍に横たわる黒竜に声をかける。その黒竜の身体は傷つきボロボロである。ただ、その瞳だけは力強い光を灯していた。
「今は休め、あの子との再会までまだ1年は猶予がある。今はその傷と失われた魔力を取り戻すために休むのだ」
ジークグリードはその言葉と同時に力を使い黒竜を強制的に眠らせた。
「のぉ、トール。我はそなたとユリアーナが好きじゃ。だからこそ、今一度、我の加護をお主にもかけようぞ」
眩い光が世界を包み込み、その光が消えた後でジークグリードの傍らに眠っていたのは黒い髪をした少年だった。
誰かが呼ぶ声がするとぼんやりと思った。
「…アーナ、ユリアーナ」
徐々にハッキリと聞こえてくる声。
「ユリアーナ、起きるんだユリアーナ」
「はっ、はい!!」
今度こそユリアーナはその呼び声に反応するように飛び起きた。目を開けたその世界は眩しすぎて目が開けていられないほどだった。
「やっと起きたか、この寝坊助め」
そんな皮肉めいた言葉を口にする存在を目にして
「あっ、あぁ、ジークグリード様」
ユリアーナは歓喜の涙を流す。
「泣くな。そなたに涙は似合わぬ。それにトールが知ったら我が殺される」
ぽふりとユリアーナの頭を大きな手が潰さぬように気をつけながら撫でていく。
「だって、もう、トール様やジークグリード様に会えないと思っていたんですから」
ユリアーナは目の前に聳え立つ黒竜の胸に飛びつかん勢いで抱き着いた。そう、ジークグリードは黒い姿をした竜であり、竜族の中で頂点に立つ、竜の王といってもいい黒竜だった。
「ユリアーナ、そなたに我の加護をもう一度与えよう」
ジークグリードの大きな爪がユリアーナの左の掌に触れたと同時に眩い光と優しい風が吹き荒れた。
「ジークグリード様、これは一体…」
自分の掌に現れた紋様を見てユリアーナはジークグリードに尋ねる。
「その紋様は我の加護の証。元々そなたの手にあった紋様も我のモノだと教えたであろう?」
その言葉にコクリとユリアーナは頷いた。
「ジークグリード様、一つ聞いてもいいですか?」
「なにをじゃ?」
ユリアーナはずっと思っていたことを聞こうとジークグリードに声をかけた。
「あ…あの…私は死んだんですよね?」
確かにあの時、首を落とされ死んだ記憶はある。でも、目の前にいるジークグリードは温かく、鼓動もはっきりと伝わってくるのだ。
「そうだ。あの時そなたは死んだ。だが、我の力を使って蘇らせた。そなたにはやってもらいたいことがあるのだ」
「やってもらいたいこと?」
ジークグリードの言葉に首を傾げる。ジークグリードはそんなユリアーナの顔を見て小さく笑った。
「今度こそ、あやつを助けてもらいたいのだ。そなたの中に眠るその力を使って…」
ジークグリードはユリアーナの胸元を指す。
「あやつって、誰の事なんですか?それにトール様は?」
ユリアーナはギュッと自分の胸元の服を握りしめる。
「トールのことは心配しなくてもいい。いずれ出会う。いいな、ユリアーナ、あやつを…〇×▲◇を助け出してくれ」
「まって、ジークグリード様、名前がちゃんと聞き取れないの…ジークグリード様、待って…まっ…」
まるで、ユリアーナの質問を遮るように、ユリアーナの身体は眩い光の渦の中へと引き込まれていった。
「そんな目で睨むでない。我の力を使えばこのなるとわかっていたであろう」
ジークグリードは己の傍に横たわる黒竜に声をかける。その黒竜の身体は傷つきボロボロである。ただ、その瞳だけは力強い光を灯していた。
「今は休め、あの子との再会までまだ1年は猶予がある。今はその傷と失われた魔力を取り戻すために休むのだ」
ジークグリードはその言葉と同時に力を使い黒竜を強制的に眠らせた。
「のぉ、トール。我はそなたとユリアーナが好きじゃ。だからこそ、今一度、我の加護をお主にもかけようぞ」
眩い光が世界を包み込み、その光が消えた後でジークグリードの傍らに眠っていたのは黒い髪をした少年だった。
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