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act5
次の日、いつものように目を覚まして身体を起こした。下半身に鈍い痛みが走った。さすがに久しぶりだし、あれだけやられれば当たり前だ。酷いケガがなかっただけマシだろう。
小さく溜め息を吐き、ベッドから降りて、クローゼットを開けて、制服を取り出し着替えた。着替えるだけ着替えて、またベッドに腰掛けた。身体が怠い。が、カバンを準備していないのを思い出し荷物を準備し始める。
今日はえっと…なんだったっけ?あ~、昨日とあまり変わらなかったよな?
カバンの中身を整理して、何度目かの溜め息をつき部屋の扉を開ければ目の前に遙が立ってた。
「…何?…」
なんでここにいるのか知りたくて聞いてみる。同室だから遙がいてもおかしくはないんだけど…。
「朝飯。作ったから食え」
遙は溜め息をつき言い切る。
はい?今なんと?
「作れるの?」
思わず聞いちゃったよ。意外すぎだって。
「作れるが?大体、あんな混む食堂で食えるか。飯を食う時まで愛想よくしてられるか疲れる」
あ~そうでした。こいつは二重人格でした。イヤ、正確には違うが…。目の前にいるこいつが本当の姿だった。遙は言うだけ言ってキッチンの方へ行ったから俺もその後を追った。
ソファの前に置いてあるテーブルの上にはちゃんとした食事が置いてあった。マジで作れるんだ…。
「食え。お前、昨日も朝、食ってねぇんだから」
よく覚えてらっしゃることで…。俺は小さく息を吐き座り
「いただきます」
呟きのように言ってから目の前の食事に箸をつけた。一応、礼儀作法も教わったんだよね。この2年の間にさ。他にもいろいろと叩きこまれたけど…。
「…ぁっ…美味しい…」
ポツリと零れた。イヤ、お世辞じゃなくて、本当に美味しかったんだ。意外だった。本当に意外だったんだ。でも…俺は半分しか食べれなかった。
「残してごめん…俺、朝はあんまり食べれないから…」
俺の為に用意してもらったものを残すのは心苦しい。それが例え嫌われている相手が作ったものだとしても…。
「昼や夜は?普通に食べれるのか?」
なんて聞かれた。なんでそんなことを聞くのかわかんないけど…。
「昼は普通。夜は朝と同じぐらい。食べなくても平気だし…」
俺はそう答えながら遙が淹れてくれたお茶をのむ。
ってかなんで俺にこんなことをするわけ?俺の事は嫌いなんだろ?だったらほっとけばいいのに…
「だったら昼は生徒会室に来い。場所は覚えてるだろ?」
うっ、
「覚えてません…」
そうなんだよ。あの日の俺は怒りのあまり、覚えなきゃいけないのに覚えていなかったのだ。だから道に迷ったわけだし…
「お前…人が折角教えてやったのに何を聞いてやがったんだ!」
うぅ、反論できない…
「すみません」
俺は小さくなりながら謝った。遙は盛大にというか大袈裟に溜め息をつき
「昼になったら迎えに行く。大人しく教室にいろ」
そう告げてくる。ここで反論すればまた文句を言われるだろうから
「はい」
大人しく返事をしておいた。
てか、俺はこの男が考えてることがわからない。俺の事が嫌いだと言ったはずだよな?なのに、なんで俺にこんなことをしてくれるんだろうか?いっそのことお願いをしてみようか?
「あ…あの…お願いがあるんですが…」
あくまでも低姿勢で声を掛けた。
「あぁ?なんだ?」
うっ、怒ってるよ。まぁ、俺が悪いんだけどさ…
「あの…もし…もしよろしければ勉強を教えていただけませんか?」
ここは大人しく、大人しく…
「はぁ?何を寝惚けたこと言ってやがんだお前!なんで俺が…」
うぅ、やっぱり…
「いや…あの…実は…またクラスに馴染めてないと言いますか…気が付くと皆さん教室からいなくなってしまって…聞きたくても聞けなくて…それで…ここに来る前にですね…喜一さんにわからないことがあったら…遙さんに聞けと言われまして…」
って、なんで俺はこんなにも低姿勢でお願いしなきゃいけないんだ!
「あのクソ親父が…また面倒ごとを押し付けやがって…」
遙が唸るようにいう。俺自身の事も面倒ごとに入ってるんだろうな…。はぁ…
「ご尤もです…申し訳ないです」
ってなんで俺が謝ってんだよ!
「ったく、昼と放課後に生徒会室に来い。そこで教えてやる。今日の昼も持ってこい」
えぇ!マジですか!意外だ。絶対に断られると思ったのに…。
「聞いてんのかお前は!」
はっ!
「はっ、はい。お願いします!」
イヤ、意外すぎて言葉が出ません。
本当にこいつは嫌な男なのか?でもこいつの事だからできないとメッチャ怒りそう。覚悟しといたほうがいいかも…
なんて考えてるうちに遙が食器を片付け始めてる。
「あっ、それぐらい俺が…」
急いで立ち上がろうとしたけど
「いい、お前は座ってろ」
あっさり却下された。俺は大人しく座り直した。
ホントに俺は目の前の男の考えてることがよくわからない。はじめはあんなにツンケンしてたくせに…。本当に優しいのか冷たいのかわからない。マジでわからなさすぎる…。
「おい、いくぞ」
一人ボーっと考え始めた俺に声をかけてくる。
「はっ、はい!」
俺は慌てて立ち上がり、自分の部屋からカバンを持ってきた。
って、だからなんで俺はこいつと一緒に行動するんだ?
遙の言葉と行動がよくわからないまま俺は一緒に行くこととなった…。
本当になんでだろうか?
小さく溜め息を吐き、ベッドから降りて、クローゼットを開けて、制服を取り出し着替えた。着替えるだけ着替えて、またベッドに腰掛けた。身体が怠い。が、カバンを準備していないのを思い出し荷物を準備し始める。
今日はえっと…なんだったっけ?あ~、昨日とあまり変わらなかったよな?
カバンの中身を整理して、何度目かの溜め息をつき部屋の扉を開ければ目の前に遙が立ってた。
「…何?…」
なんでここにいるのか知りたくて聞いてみる。同室だから遙がいてもおかしくはないんだけど…。
「朝飯。作ったから食え」
遙は溜め息をつき言い切る。
はい?今なんと?
「作れるの?」
思わず聞いちゃったよ。意外すぎだって。
「作れるが?大体、あんな混む食堂で食えるか。飯を食う時まで愛想よくしてられるか疲れる」
あ~そうでした。こいつは二重人格でした。イヤ、正確には違うが…。目の前にいるこいつが本当の姿だった。遙は言うだけ言ってキッチンの方へ行ったから俺もその後を追った。
ソファの前に置いてあるテーブルの上にはちゃんとした食事が置いてあった。マジで作れるんだ…。
「食え。お前、昨日も朝、食ってねぇんだから」
よく覚えてらっしゃることで…。俺は小さく息を吐き座り
「いただきます」
呟きのように言ってから目の前の食事に箸をつけた。一応、礼儀作法も教わったんだよね。この2年の間にさ。他にもいろいろと叩きこまれたけど…。
「…ぁっ…美味しい…」
ポツリと零れた。イヤ、お世辞じゃなくて、本当に美味しかったんだ。意外だった。本当に意外だったんだ。でも…俺は半分しか食べれなかった。
「残してごめん…俺、朝はあんまり食べれないから…」
俺の為に用意してもらったものを残すのは心苦しい。それが例え嫌われている相手が作ったものだとしても…。
「昼や夜は?普通に食べれるのか?」
なんて聞かれた。なんでそんなことを聞くのかわかんないけど…。
「昼は普通。夜は朝と同じぐらい。食べなくても平気だし…」
俺はそう答えながら遙が淹れてくれたお茶をのむ。
ってかなんで俺にこんなことをするわけ?俺の事は嫌いなんだろ?だったらほっとけばいいのに…
「だったら昼は生徒会室に来い。場所は覚えてるだろ?」
うっ、
「覚えてません…」
そうなんだよ。あの日の俺は怒りのあまり、覚えなきゃいけないのに覚えていなかったのだ。だから道に迷ったわけだし…
「お前…人が折角教えてやったのに何を聞いてやがったんだ!」
うぅ、反論できない…
「すみません」
俺は小さくなりながら謝った。遙は盛大にというか大袈裟に溜め息をつき
「昼になったら迎えに行く。大人しく教室にいろ」
そう告げてくる。ここで反論すればまた文句を言われるだろうから
「はい」
大人しく返事をしておいた。
てか、俺はこの男が考えてることがわからない。俺の事が嫌いだと言ったはずだよな?なのに、なんで俺にこんなことをしてくれるんだろうか?いっそのことお願いをしてみようか?
「あ…あの…お願いがあるんですが…」
あくまでも低姿勢で声を掛けた。
「あぁ?なんだ?」
うっ、怒ってるよ。まぁ、俺が悪いんだけどさ…
「あの…もし…もしよろしければ勉強を教えていただけませんか?」
ここは大人しく、大人しく…
「はぁ?何を寝惚けたこと言ってやがんだお前!なんで俺が…」
うぅ、やっぱり…
「いや…あの…実は…またクラスに馴染めてないと言いますか…気が付くと皆さん教室からいなくなってしまって…聞きたくても聞けなくて…それで…ここに来る前にですね…喜一さんにわからないことがあったら…遙さんに聞けと言われまして…」
って、なんで俺はこんなにも低姿勢でお願いしなきゃいけないんだ!
「あのクソ親父が…また面倒ごとを押し付けやがって…」
遙が唸るようにいう。俺自身の事も面倒ごとに入ってるんだろうな…。はぁ…
「ご尤もです…申し訳ないです」
ってなんで俺が謝ってんだよ!
「ったく、昼と放課後に生徒会室に来い。そこで教えてやる。今日の昼も持ってこい」
えぇ!マジですか!意外だ。絶対に断られると思ったのに…。
「聞いてんのかお前は!」
はっ!
「はっ、はい。お願いします!」
イヤ、意外すぎて言葉が出ません。
本当にこいつは嫌な男なのか?でもこいつの事だからできないとメッチャ怒りそう。覚悟しといたほうがいいかも…
なんて考えてるうちに遙が食器を片付け始めてる。
「あっ、それぐらい俺が…」
急いで立ち上がろうとしたけど
「いい、お前は座ってろ」
あっさり却下された。俺は大人しく座り直した。
ホントに俺は目の前の男の考えてることがよくわからない。はじめはあんなにツンケンしてたくせに…。本当に優しいのか冷たいのかわからない。マジでわからなさすぎる…。
「おい、いくぞ」
一人ボーっと考え始めた俺に声をかけてくる。
「はっ、はい!」
俺は慌てて立ち上がり、自分の部屋からカバンを持ってきた。
って、だからなんで俺はこいつと一緒に行動するんだ?
遙の言葉と行動がよくわからないまま俺は一緒に行くこととなった…。
本当になんでだろうか?
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