10 / 32
act10
しおりを挟む
昼前になり俺は少し憂鬱な気分のまま寮を出て喜一さんが待つ家へと向かった。
「お帰りなさいませ」
家に入れば召使さんが俺に頭を下げる。俺になんて言わなくてもいいのにね。
「ただいま」
俺はそう返事をして喜一さんが待っているであろう部屋へと向かった。
「ただいま帰りました」
俺はリビングのソファに座って寛いでいる喜一さんに声を掛けた。
「おかえり菫くん。遙は?」
喜一さんは俺だけしかいないので聞いてきた。
「遙さんは生徒会の方の仕事が忙しいので、どうしても来れないそうです」
俺は嘘を見繕った。本当は帰る気がないんだって言えなかったんだ。
「そう、あの子もたまには帰ってくればいいのにね。さてと出かけようか」
喜一さんは立ち上がり、出かける準備を始めた。
「あ…はい」
わざわざどこへ行こうというのだろうか?
喜一さんはさっさとリビングを出ていくから俺は慌ててそれを追いかけた。
「行ってらっしゃいませ」
召使さんのその声に見送られて俺は喜一さんと一緒に今帰って来たばかりに家を後にした。
喜一さんが来たのはどこかのホテルだった。もう既に部屋は取ってあるのか喜一さんはフロントで鍵をもらい俺を連れてエレベーターに乗った。
なんでこんなところに来るんだろう?
俺はそう思っていても口に出せずにいた。エレベーターが目的に階に着いたのか喜一さんがエレベーターを降りていく。俺はその後を追った。
「さぁ、入って」
喜一さんが部屋の扉を開ける。
「はい」
俺は返事をして部屋に入った。
「ここはね、私の会社が経営してるホテルなんだ。一度、君にも見せようと思ってね」
なんて説明をしてくれる。
へぇ~、そうなんだ。
なんて思ってるうちに部屋の呼び鈴が鳴りルームサービスが運び込まれてきた。
「ここで食事をしようと思ってね。さぁ、座って」
そう言われてしまえば断れない。既に俺はここまで連れてこられたのだから…。俺は大人しくそれに従った。
「じゃぁ、冷める前にいただこう」
同じように腰掛けた喜一さんに促され俺は頷き、喜一さんと2人っきりの食事を始めた。
「そうだ菫くん、今日ぐらい羽目を外して少し飲んでみない?」
そういってワインを差し出された。
「えっ…でも…」
自慢じゃないけど俺はメチャクチャ酒には弱い。一度、勧められて飲んだことがあるけど、すぐに酔ったのを覚えてる。
「大丈夫だよ。そこまで強くないからね飲んでごらん」
そう言われて俺は躊躇いながらもグラスを差し出した。喜一さんは嬉しそうに差し出したグラスにワインを注いだ。俺は一口、口にした。
うっ、やっぱりキツイ…。
それでも断ることができず、俺は諦めて飲み続けて見事に酔いつぶれた。
「んっ?…ぁ…?…」
何?何が起きてる?身体に纏わりつく感触は何?
少し痛む頭で目を覚ませば俺は喜一さんに襲われていた。
「気が付いた?キレイな身体してるね。肌もすべすべで…売春をやってた子とは思えないよ」
喜一さんは俺の身体に指を這わせ舐めていく。
「っ、ぁ、や、やめっ」
なんで??なんで喜一さんがこんなことを??
俺の意思とは関係なく、男に抱かれ慣れた身体は簡単に反応を返す。どんなに足掻いたって浅ましい身体は素直に反応を返してしまう。
「うん、いい感じ。入れるよ」
嬉しそうに言いながら喜一さんのモノが入ってくる。
「っ、ぁ、やぁ、っ、やめっ、ぁ、っ」
どんなに抵抗をしたって大人の力に敵うわけがない。俺は、喜一さんの気がすむまで犯され続けた。
こんな…こんな裏切り…ヒドイよ…
ふと、目を覚ませば外は暗く、隣で喜一さんが寝ていた。俺は急いで自分の服を着て部屋を飛び出した。
外は雷鳴が轟く土砂降りの雨だった。
俺はどこをどうやって帰って来たのかわからないけど、寮の外に立っていた。俺はふと上を見上げた。そこに見えるのは偶然にも俺と遙が使ってる部屋が見えた。俺は雨に濡れたままその場所を見上げていた。
「おい、いつまでそこにいるつもりだ?」
そんな声が聞こえて、俺は油が切れたロボットのようにギギギと音がする感じに声がした方を見た。そこには不機嫌な顔をした遙が傘を差して立っていた。俺が全然、動こうとしないからチッって舌打ちをして不機嫌なまま遙が傍に来た。
「風邪ひきてぇのか」
少し乱暴に俺に傘を差し遙が言う。俺は頭で考えるよりも先に身体が動いてた。遙には迷惑だと思いながら遙の胸に抱き着き泣き出した。
遙の顔を見た途端に俺の中で何かが崩れ落ちた。頭では迷惑だから離れなきゃって思ってるのに身体が動かなくて、変わりに無言のまま遙が肩を抱きしめてきた。俺は驚いたけど、動けなかった。離れたくなかったんだ…。
それでも、雨に打たれすぎた事と喜一さんに犯され続けていた身体が悲鳴を上げ、足から力が抜けてガクンって崩れ落ちるけど、それは遙によって受け止められた。
「傘を持て」
遙に言われて俺は大人しく傘を持った。その途端に遙は軽々と俺を抱き上げて寮へと歩いていく。寮の玄関で俺が傘を閉じると、遙は無言のまま俺を抱き上げたまま部屋へと戻っていった。
ごめん…嫌いなやつの世話させて…
「お帰りなさいませ」
家に入れば召使さんが俺に頭を下げる。俺になんて言わなくてもいいのにね。
「ただいま」
俺はそう返事をして喜一さんが待っているであろう部屋へと向かった。
「ただいま帰りました」
俺はリビングのソファに座って寛いでいる喜一さんに声を掛けた。
「おかえり菫くん。遙は?」
喜一さんは俺だけしかいないので聞いてきた。
「遙さんは生徒会の方の仕事が忙しいので、どうしても来れないそうです」
俺は嘘を見繕った。本当は帰る気がないんだって言えなかったんだ。
「そう、あの子もたまには帰ってくればいいのにね。さてと出かけようか」
喜一さんは立ち上がり、出かける準備を始めた。
「あ…はい」
わざわざどこへ行こうというのだろうか?
喜一さんはさっさとリビングを出ていくから俺は慌ててそれを追いかけた。
「行ってらっしゃいませ」
召使さんのその声に見送られて俺は喜一さんと一緒に今帰って来たばかりに家を後にした。
喜一さんが来たのはどこかのホテルだった。もう既に部屋は取ってあるのか喜一さんはフロントで鍵をもらい俺を連れてエレベーターに乗った。
なんでこんなところに来るんだろう?
俺はそう思っていても口に出せずにいた。エレベーターが目的に階に着いたのか喜一さんがエレベーターを降りていく。俺はその後を追った。
「さぁ、入って」
喜一さんが部屋の扉を開ける。
「はい」
俺は返事をして部屋に入った。
「ここはね、私の会社が経営してるホテルなんだ。一度、君にも見せようと思ってね」
なんて説明をしてくれる。
へぇ~、そうなんだ。
なんて思ってるうちに部屋の呼び鈴が鳴りルームサービスが運び込まれてきた。
「ここで食事をしようと思ってね。さぁ、座って」
そう言われてしまえば断れない。既に俺はここまで連れてこられたのだから…。俺は大人しくそれに従った。
「じゃぁ、冷める前にいただこう」
同じように腰掛けた喜一さんに促され俺は頷き、喜一さんと2人っきりの食事を始めた。
「そうだ菫くん、今日ぐらい羽目を外して少し飲んでみない?」
そういってワインを差し出された。
「えっ…でも…」
自慢じゃないけど俺はメチャクチャ酒には弱い。一度、勧められて飲んだことがあるけど、すぐに酔ったのを覚えてる。
「大丈夫だよ。そこまで強くないからね飲んでごらん」
そう言われて俺は躊躇いながらもグラスを差し出した。喜一さんは嬉しそうに差し出したグラスにワインを注いだ。俺は一口、口にした。
うっ、やっぱりキツイ…。
それでも断ることができず、俺は諦めて飲み続けて見事に酔いつぶれた。
「んっ?…ぁ…?…」
何?何が起きてる?身体に纏わりつく感触は何?
少し痛む頭で目を覚ませば俺は喜一さんに襲われていた。
「気が付いた?キレイな身体してるね。肌もすべすべで…売春をやってた子とは思えないよ」
喜一さんは俺の身体に指を這わせ舐めていく。
「っ、ぁ、や、やめっ」
なんで??なんで喜一さんがこんなことを??
俺の意思とは関係なく、男に抱かれ慣れた身体は簡単に反応を返す。どんなに足掻いたって浅ましい身体は素直に反応を返してしまう。
「うん、いい感じ。入れるよ」
嬉しそうに言いながら喜一さんのモノが入ってくる。
「っ、ぁ、やぁ、っ、やめっ、ぁ、っ」
どんなに抵抗をしたって大人の力に敵うわけがない。俺は、喜一さんの気がすむまで犯され続けた。
こんな…こんな裏切り…ヒドイよ…
ふと、目を覚ませば外は暗く、隣で喜一さんが寝ていた。俺は急いで自分の服を着て部屋を飛び出した。
外は雷鳴が轟く土砂降りの雨だった。
俺はどこをどうやって帰って来たのかわからないけど、寮の外に立っていた。俺はふと上を見上げた。そこに見えるのは偶然にも俺と遙が使ってる部屋が見えた。俺は雨に濡れたままその場所を見上げていた。
「おい、いつまでそこにいるつもりだ?」
そんな声が聞こえて、俺は油が切れたロボットのようにギギギと音がする感じに声がした方を見た。そこには不機嫌な顔をした遙が傘を差して立っていた。俺が全然、動こうとしないからチッって舌打ちをして不機嫌なまま遙が傍に来た。
「風邪ひきてぇのか」
少し乱暴に俺に傘を差し遙が言う。俺は頭で考えるよりも先に身体が動いてた。遙には迷惑だと思いながら遙の胸に抱き着き泣き出した。
遙の顔を見た途端に俺の中で何かが崩れ落ちた。頭では迷惑だから離れなきゃって思ってるのに身体が動かなくて、変わりに無言のまま遙が肩を抱きしめてきた。俺は驚いたけど、動けなかった。離れたくなかったんだ…。
それでも、雨に打たれすぎた事と喜一さんに犯され続けていた身体が悲鳴を上げ、足から力が抜けてガクンって崩れ落ちるけど、それは遙によって受け止められた。
「傘を持て」
遙に言われて俺は大人しく傘を持った。その途端に遙は軽々と俺を抱き上げて寮へと歩いていく。寮の玄関で俺が傘を閉じると、遙は無言のまま俺を抱き上げたまま部屋へと戻っていった。
ごめん…嫌いなやつの世話させて…
0
あなたにおすすめの小説
会長様は別れたい
槇瀬陽翔
BL
大我と恋人同士になり、発情の暴走も何とか収まった唯斗。ある日、唯斗の元に子供の頃にお世話になっていた養護施設から電話がかかってきて…。まるでそれが火種になったかのように起こる出来事。いつも以上に落ち込む唯斗。そんな唯斗に手を差し伸べたのは恋人である大我だった。
会長様シリーズの第3部です。時系列的には第1部と第2部の間の話になります。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
この腐った学園で生き抜くためのたった一つの方法。
田原摩耶
BL
学園の美形たちのスキャンダルを利用して小遣い稼ぎしていた新聞部員が生徒会長に目を付けられてめちゃくちゃにされる話。
品もモラルもはないです。なんでも許せる方向け。
発情薬
寺蔵
BL
【完結!漫画もUPしてます】攻めの匂いをかぐだけで発情して動けなくなってしまう受けの話です。
製薬会社で開発された、通称『発情薬』。
業務として治験に選ばれ、投薬を受けた新人社員が、先輩の匂いをかぐだけで発情して動けなくなったりします。
社会人。腹黒30歳×寂しがりわんこ系23歳。
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
幼馴染みのセクハラに耐えかねています。
世咲
BL
性格クズな学園の王子様×美形のちょろヤンキー。
(絶対に抱きたい生徒会長VS絶対に抱かれたくないヤンキーの幼馴染みBL)
「二人って同じ名字なんだ」「結婚してるからな!」「違うな???」
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる