31 / 41
act31
自分の仕事を終えた俺は遙を連れてマンションに招き入れた。
「何か飲みますか?」
そう聞いてみる。遙は着ていたコートを脱ぎ
「いや。いい」
そう答える。俺は
「皺になるといけないから…好きな所に座ってください」
遙からコートを受け取り壁にかけてあるハンガーに掛けた。遙は今まで見たこともないようなラフな格好だった。正直俺はどうしていいのかわからなかった。遙はソファに座り
「お前も座れよ」
そう言われ迷った結果俺は遙の隣に座ることにした。緊張する。
長い沈黙が流れる。
「手を出せ」
突然そう言われ訳がわからないまま俺は手を出す。遙はそんな俺の手にキレイに包装された小さな箱を乗せてきた。
「これは?」
俺は箱をみながら聞いてみる。
「クリスマスプレゼント」
そう言われ今日がクリスマスなのだと気がついた。
「開けてもいいですか?」
俺はそう聞いてみる。
「好きにしろ」
そう言われ俺は包装紙を取り箱を開け中から出てきたケースを取り出し蓋を開けて驚く。そこには俺の誕生石が嵌められた指輪。そしてそれは見覚えのあるデザイン。
俺は勢いよく立ち上がり壁際に飾ってあるボードに近づき言葉を失う。
何故ならそれは俺が高2の時から毎年クリスマスになると送られてきたアクセサリーと同じデザインのブランド物だった。俺が卒業してからも毎年必ずここに差出人不明で『MerryChristmas』のカードと一緒に送られ続けてきたものだ。
「もしかして…これ…全部…兄さんが?」
俺は少し震える声で聞いてみる。遙はジッと一点を見つめたまま
「あぁ。そうだよ。俺がずっとお前に送ってた」
そう答える。俺はケースをボードの前に置き
「どうして?何で?俺のこと嫌いなんでしょ?」
遙の傍に戻り聞いてみる。余りにも突然すぎで頭がついてこない。そもそもなんで遙が此処の住所を知ってるのかも…
「はじめはな…お前のことなんか認めてやるもんかって思ってた。だけど…お前といると本当の自分が晒せ出せて凄く落ちついてて…クソ教師に薬漬けにされたとき俺はマジで頭に血が上った。あいつを殺してやりたいとさえ思った。そこで気が付いた。俺はお前のことが好きなんだって。だけどその感情を知られたくもなかったし認めたくもなかった。お前が死にそうになったときはじめてお前を失うのが怖いと思った」
遙が俺のことを好き?
「…俺の過去がどんなだったか知ってるでしょ?…嫌だと思わなかったの?」
聞き違い?俺の都合のいい夢?
「お前の事情はお前の口から聞く前から知ってた。どういう経緯で家に来ることになったのかも…正直…俺自身もかなり悩んだ。俺から嫌いだって言っておきながらお前が好きだなんていっても聞き入れないだろうなって…卒業と共にお前が家を出て、俺は留学の話があったから少し距離を置いて自分の気持ち整理をしようと思った…」
遙はそこまで言うと黙ってしまう。
また長い沈黙が訪れる。
「俺はお前が好きだ。この気持ちは嘘じゃないし騙すことも出来ない」
遙がはっきりと言い切る。俺はどうすればいい?俺の気持ちを口にしてもいいのだろうか?
「悪い。嫌だよな。邪魔したな」
遙はそういい立ち上がり自分のコートを取る。俺はそんな遙の背に抱きつき
「自分の気持ちだけ一方的に告げて俺の返事も聞かずに帰るのかよ!」
そう叫んでいた。遙の動きが止まる。
「お前にとっては迷惑だろ?」
遙は静かに告げてくる。俺は遙に抱きつく腕に力を込め
「好き勝手言うだけ言って逃げんなよ。俺でいいのかよ…俺は実の父親に売られて売春夫として生きてきた人間なんだぜ?そんな俺でいいのかよ?お前の経歴に泥塗るようなことになっちまうんだぜ?」
聞いてみる。ここで拒まれればそれでいい。
「バカヤロ。過去がなんだ?俺はお前だから好きになった。お前だから惚れたんだよ」
遙がはっきりと言い切る。俺はグッと唇を噛み締めた後で深呼吸をして
「聞いて驚けバカヤロ。俺だってずっとお前が好きだったよ。誰から送られてくるのかわからねぇプレゼント毎年楽しみにしてたんだよ」
その言葉を口にした途端ビクリと遙の身体が反応する。遙は俺の手を離し持っていたコートも下に捨て俺をジッと見つめる。
「本気でいってんのか?」
遙が静かに聞いてくる。俺は遙の顔をジッと見返し
「こんなこと冗談で言えるか!俺だって学生の頃から好きだったんだよ。不良たちにやられた時だって、喜一さんにやられた時だって、クソ教師にやられた時だって、半分諦めてた。俺の人生こんなもんだって。だけどいつもお前が俺のこと世話してくれて、文句言いつつもちゃんと俺のこと気にしてくれてて、それが凄く嬉しかった。お前より俺のが先にお前に惚れてんだよ!」
勢い任せに自分の中に隠してきた思いをぶちかます。その瞬間、物凄い勢いで抱き締められ唇を奪われた。
何度も触れあい舌が忍び込み絡み付いてくる。
…っ…こいつ巧いんだった…
キスだけでもどうにかなりそうだ。
久し振りに与えられるディープキスは、俺の頭をクラクラさせるには十分なものだった。遙の手が俺の服の中に入ってくる。俺は慌ててそれを止め
「ちょ…待った…」
遙を止める。
「なんだよ?」
遙の口から不満げな声が聞こえる。わかってる。気持ちが通じ合ったから抱きたいってのは理解できる。
「せめて…ベッドで…」
俺はそう提案する。流石に立ってるのも辛いし、かと言ってソファなんて狭いし、床なんて言語道断。俺だって久し振りなんだし…せめてそれぐらい考慮してほしい…遙は俺を抱き上げ
「部屋は?」
そう聞いてくる。俺は遙の服に掴まり
「出てすぐ」
そう答える。遙はリビングを出てすぐの部屋の扉を器用に開け、そのままベッドの傍まで行き、俺をベッドに押し倒す。
「好きだ」
俺の顔をジッと見て遙が呟く。
「ん。俺も好き」
俺も小さく返事をした。
「何か飲みますか?」
そう聞いてみる。遙は着ていたコートを脱ぎ
「いや。いい」
そう答える。俺は
「皺になるといけないから…好きな所に座ってください」
遙からコートを受け取り壁にかけてあるハンガーに掛けた。遙は今まで見たこともないようなラフな格好だった。正直俺はどうしていいのかわからなかった。遙はソファに座り
「お前も座れよ」
そう言われ迷った結果俺は遙の隣に座ることにした。緊張する。
長い沈黙が流れる。
「手を出せ」
突然そう言われ訳がわからないまま俺は手を出す。遙はそんな俺の手にキレイに包装された小さな箱を乗せてきた。
「これは?」
俺は箱をみながら聞いてみる。
「クリスマスプレゼント」
そう言われ今日がクリスマスなのだと気がついた。
「開けてもいいですか?」
俺はそう聞いてみる。
「好きにしろ」
そう言われ俺は包装紙を取り箱を開け中から出てきたケースを取り出し蓋を開けて驚く。そこには俺の誕生石が嵌められた指輪。そしてそれは見覚えのあるデザイン。
俺は勢いよく立ち上がり壁際に飾ってあるボードに近づき言葉を失う。
何故ならそれは俺が高2の時から毎年クリスマスになると送られてきたアクセサリーと同じデザインのブランド物だった。俺が卒業してからも毎年必ずここに差出人不明で『MerryChristmas』のカードと一緒に送られ続けてきたものだ。
「もしかして…これ…全部…兄さんが?」
俺は少し震える声で聞いてみる。遙はジッと一点を見つめたまま
「あぁ。そうだよ。俺がずっとお前に送ってた」
そう答える。俺はケースをボードの前に置き
「どうして?何で?俺のこと嫌いなんでしょ?」
遙の傍に戻り聞いてみる。余りにも突然すぎで頭がついてこない。そもそもなんで遙が此処の住所を知ってるのかも…
「はじめはな…お前のことなんか認めてやるもんかって思ってた。だけど…お前といると本当の自分が晒せ出せて凄く落ちついてて…クソ教師に薬漬けにされたとき俺はマジで頭に血が上った。あいつを殺してやりたいとさえ思った。そこで気が付いた。俺はお前のことが好きなんだって。だけどその感情を知られたくもなかったし認めたくもなかった。お前が死にそうになったときはじめてお前を失うのが怖いと思った」
遙が俺のことを好き?
「…俺の過去がどんなだったか知ってるでしょ?…嫌だと思わなかったの?」
聞き違い?俺の都合のいい夢?
「お前の事情はお前の口から聞く前から知ってた。どういう経緯で家に来ることになったのかも…正直…俺自身もかなり悩んだ。俺から嫌いだって言っておきながらお前が好きだなんていっても聞き入れないだろうなって…卒業と共にお前が家を出て、俺は留学の話があったから少し距離を置いて自分の気持ち整理をしようと思った…」
遙はそこまで言うと黙ってしまう。
また長い沈黙が訪れる。
「俺はお前が好きだ。この気持ちは嘘じゃないし騙すことも出来ない」
遙がはっきりと言い切る。俺はどうすればいい?俺の気持ちを口にしてもいいのだろうか?
「悪い。嫌だよな。邪魔したな」
遙はそういい立ち上がり自分のコートを取る。俺はそんな遙の背に抱きつき
「自分の気持ちだけ一方的に告げて俺の返事も聞かずに帰るのかよ!」
そう叫んでいた。遙の動きが止まる。
「お前にとっては迷惑だろ?」
遙は静かに告げてくる。俺は遙に抱きつく腕に力を込め
「好き勝手言うだけ言って逃げんなよ。俺でいいのかよ…俺は実の父親に売られて売春夫として生きてきた人間なんだぜ?そんな俺でいいのかよ?お前の経歴に泥塗るようなことになっちまうんだぜ?」
聞いてみる。ここで拒まれればそれでいい。
「バカヤロ。過去がなんだ?俺はお前だから好きになった。お前だから惚れたんだよ」
遙がはっきりと言い切る。俺はグッと唇を噛み締めた後で深呼吸をして
「聞いて驚けバカヤロ。俺だってずっとお前が好きだったよ。誰から送られてくるのかわからねぇプレゼント毎年楽しみにしてたんだよ」
その言葉を口にした途端ビクリと遙の身体が反応する。遙は俺の手を離し持っていたコートも下に捨て俺をジッと見つめる。
「本気でいってんのか?」
遙が静かに聞いてくる。俺は遙の顔をジッと見返し
「こんなこと冗談で言えるか!俺だって学生の頃から好きだったんだよ。不良たちにやられた時だって、喜一さんにやられた時だって、クソ教師にやられた時だって、半分諦めてた。俺の人生こんなもんだって。だけどいつもお前が俺のこと世話してくれて、文句言いつつもちゃんと俺のこと気にしてくれてて、それが凄く嬉しかった。お前より俺のが先にお前に惚れてんだよ!」
勢い任せに自分の中に隠してきた思いをぶちかます。その瞬間、物凄い勢いで抱き締められ唇を奪われた。
何度も触れあい舌が忍び込み絡み付いてくる。
…っ…こいつ巧いんだった…
キスだけでもどうにかなりそうだ。
久し振りに与えられるディープキスは、俺の頭をクラクラさせるには十分なものだった。遙の手が俺の服の中に入ってくる。俺は慌ててそれを止め
「ちょ…待った…」
遙を止める。
「なんだよ?」
遙の口から不満げな声が聞こえる。わかってる。気持ちが通じ合ったから抱きたいってのは理解できる。
「せめて…ベッドで…」
俺はそう提案する。流石に立ってるのも辛いし、かと言ってソファなんて狭いし、床なんて言語道断。俺だって久し振りなんだし…せめてそれぐらい考慮してほしい…遙は俺を抱き上げ
「部屋は?」
そう聞いてくる。俺は遙の服に掴まり
「出てすぐ」
そう答える。遙はリビングを出てすぐの部屋の扉を器用に開け、そのままベッドの傍まで行き、俺をベッドに押し倒す。
「好きだ」
俺の顔をジッと見て遙が呟く。
「ん。俺も好き」
俺も小さく返事をした。
あなたにおすすめの小説
会長様は別れたい
槇瀬陽翔
BL
大我と恋人同士になり、発情の暴走も何とか収まった唯斗。ある日、唯斗の元に子供の頃にお世話になっていた養護施設から電話がかかってきて…。まるでそれが火種になったかのように起こる出来事。いつも以上に落ち込む唯斗。そんな唯斗に手を差し伸べたのは恋人である大我だった。
会長様シリーズの第3部です。時系列的には第1部と第2部の間の話になります。
出来損ないΩの猫獣人、スパダリαの愛に溺れる
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
旧題:オメガの猫獣人
「後1年、か……」
レオンの口から漏れたのは大きなため息だった。手の中には家族から送られてきた一通の手紙。家族とはもう8年近く顔を合わせていない。決して仲が悪いとかではない。むしろレオンは両親や兄弟を大事にしており、部屋にはいくつもの家族写真を置いているほど。けれど村の風習によって強制的に村を出された村人は『とあること』を成し遂げるか期限を過ぎるまでは村の敷地に足を踏み入れてはならないのである。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
贖罪公爵長男とのんきな俺
侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。
貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。
一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。
そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。
・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め
・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。
・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。
・CP固定・ご都合主義・ハピエン
・他サイト掲載予定あり
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
諦めることを諦めてみた
ゆい
BL
いつだってそうだ。
食べたいおかずやおやつは弟に取られる。
服はいつもおさがり。
優秀な兄や天使のような容姿の弟を両親は可愛がる。
僕は兄ほど頭は良くないし、弟より可愛くない。
何をやらせてもミソッカスな僕。
だから、何もかもを諦めた。
またしても突発的な思いつきによる投稿です。
楽しくお読みいただけたら嬉しいです。
投稿ペースはのんびりです。
誤字脱字等で文章を突然改稿するかもです。誤字脱字のご報告をいただけるとありがたいです。
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー