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素直じゃない僕
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「もういい!浩紀のバカ!」
僕は怒鳴りながら扉を力一杯閉めた。
そのせいでバン!って扉が悲鳴を上げたけど、今の僕はそんなことかまってられなかった。
本当はわかってるんだ僕のわがままだって…。
だって好きな人のことなら知りたいと思うのは普通でしょ?
だって…すごく不安なんだもん。
浩紀はさ、僕と違ってカッコよくて強くて、誰にでも優しくてみんなの人気者なんだ。
そんな浩紀がこの僕を選んだってことが今でも信じられないんだ。
だから…余計に不安になる。
僕は自分に自信がないから…。
僕は部屋を飛び出したままの勢いで寮を抜け出して、初めて浩紀に出会った場所へと向かった。
「好き…好きなんだ…本当に…」
水面に映る僕の顔はなんて不細工なんだろう。
こんな僕なんてきっと好きになってもらえない。
ううん…きっと嫌われたかもね。
「本当に好きだったのになぁ…」
ポツリと呟いた言葉に導かれるように頬に生暖かいなにかが流れ落ちた。
「あれ?やだなぁ…泣くつもりなんて…なかったのに…っ…」
涙だと自覚したら、止まらなくなった。ポロポロと勝手に零れ落ちて止まってはくれそうにない。
「葵!」
呼ばれて驚いて振り返ったら浩紀が肩で息をしながら走ってきた。
「あっ…どうして…」
僕には意味が分からなかった。なんで浩紀がここに来たのか、何でここにいるのか…。
「こんなところで一人で泣いてんじゃねぇよ。俺の傍で泣け」
浩紀は少し乱暴に僕の腕を掴むと腕の中に抱き寄せてくれた。
「ごめん、不安にさせて」
その言葉で僕がずっと我慢してきたものが崩れ落ちた。
「…っ…ひろ…うぅわぁぁ…」
僕は浩紀の服をしっかりと握りしめて大泣きをした。
僕が泣いている間、浩紀はずっと僕を撫でたまま抱きしめてくれてた。
「あ…あのね…僕…僕ね…浩紀が好き…」
これが最後になってもいい。この気持ちだけはもう一度ちゃんと伝えたかったんだ。
「なに心配してんだよ。俺も葵が好きだ。俺は葵じゃなきゃダメなんだよ」
浩紀は優しく頭を撫でたまま言ってくれる。情けないけど僕はまた涙が零れ落ちた。
「ぼ…僕も…浩紀じゃないと…イヤだ…」
こんな時ぐらい素直になってもいいよね?
「当たり前だ。葵は俺のもんなんだからな。もう帰ろうぜ、帰ってDVD見ようぜ」
浩紀の言葉に頷いた。
浩紀が何のDVDが好きかっていう話から僕が勝手に怒って飛び出してきちゃったんだ。
だって、浩紀の好きな映画とか知らなかったんだもん。
「帰ったらホラー見るぞ」
なんて楽しそうに浩紀が笑う。
「えっ、ぼ…僕…ホラーは…」
僕ホラーはダメなんですけど!
「だ~いじょうぶ。俺がついてるからさ」
なんてにっこり微笑む浩紀に逆らえるわけがなく
「は…はい…」
消え入りそうな声で僕は返事した。
「葵、好きだぜ」
そんな言葉と共に優しいキスを一つくれた。
「うん、僕も好き」
キス一つで機嫌が直る僕も僕だよね。
僕たちは手を繋ぎながら寮まで戻った。
ホラーを見て僕が絶叫して大泣きしたのは言うまでもない。
ホラーは嫌いなんだもん!!
僕は怒鳴りながら扉を力一杯閉めた。
そのせいでバン!って扉が悲鳴を上げたけど、今の僕はそんなことかまってられなかった。
本当はわかってるんだ僕のわがままだって…。
だって好きな人のことなら知りたいと思うのは普通でしょ?
だって…すごく不安なんだもん。
浩紀はさ、僕と違ってカッコよくて強くて、誰にでも優しくてみんなの人気者なんだ。
そんな浩紀がこの僕を選んだってことが今でも信じられないんだ。
だから…余計に不安になる。
僕は自分に自信がないから…。
僕は部屋を飛び出したままの勢いで寮を抜け出して、初めて浩紀に出会った場所へと向かった。
「好き…好きなんだ…本当に…」
水面に映る僕の顔はなんて不細工なんだろう。
こんな僕なんてきっと好きになってもらえない。
ううん…きっと嫌われたかもね。
「本当に好きだったのになぁ…」
ポツリと呟いた言葉に導かれるように頬に生暖かいなにかが流れ落ちた。
「あれ?やだなぁ…泣くつもりなんて…なかったのに…っ…」
涙だと自覚したら、止まらなくなった。ポロポロと勝手に零れ落ちて止まってはくれそうにない。
「葵!」
呼ばれて驚いて振り返ったら浩紀が肩で息をしながら走ってきた。
「あっ…どうして…」
僕には意味が分からなかった。なんで浩紀がここに来たのか、何でここにいるのか…。
「こんなところで一人で泣いてんじゃねぇよ。俺の傍で泣け」
浩紀は少し乱暴に僕の腕を掴むと腕の中に抱き寄せてくれた。
「ごめん、不安にさせて」
その言葉で僕がずっと我慢してきたものが崩れ落ちた。
「…っ…ひろ…うぅわぁぁ…」
僕は浩紀の服をしっかりと握りしめて大泣きをした。
僕が泣いている間、浩紀はずっと僕を撫でたまま抱きしめてくれてた。
「あ…あのね…僕…僕ね…浩紀が好き…」
これが最後になってもいい。この気持ちだけはもう一度ちゃんと伝えたかったんだ。
「なに心配してんだよ。俺も葵が好きだ。俺は葵じゃなきゃダメなんだよ」
浩紀は優しく頭を撫でたまま言ってくれる。情けないけど僕はまた涙が零れ落ちた。
「ぼ…僕も…浩紀じゃないと…イヤだ…」
こんな時ぐらい素直になってもいいよね?
「当たり前だ。葵は俺のもんなんだからな。もう帰ろうぜ、帰ってDVD見ようぜ」
浩紀の言葉に頷いた。
浩紀が何のDVDが好きかっていう話から僕が勝手に怒って飛び出してきちゃったんだ。
だって、浩紀の好きな映画とか知らなかったんだもん。
「帰ったらホラー見るぞ」
なんて楽しそうに浩紀が笑う。
「えっ、ぼ…僕…ホラーは…」
僕ホラーはダメなんですけど!
「だ~いじょうぶ。俺がついてるからさ」
なんてにっこり微笑む浩紀に逆らえるわけがなく
「は…はい…」
消え入りそうな声で僕は返事した。
「葵、好きだぜ」
そんな言葉と共に優しいキスを一つくれた。
「うん、僕も好き」
キス一つで機嫌が直る僕も僕だよね。
僕たちは手を繋ぎながら寮まで戻った。
ホラーを見て僕が絶叫して大泣きしたのは言うまでもない。
ホラーは嫌いなんだもん!!
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