お腐れさまの幸せ

鳥類

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往々にしてヒロインは強いモノ

「―――そこで、ジェラルドがセドさまに耳打ちしたんですよ! きっと甘やかな言葉を吹き込んだんでしょうね!! だってセドさまが笑顔になりましたから!」
「ふふふ何て言ったんでしょうねぇ?」
「もうその距離感だけでごちそうさまって感じですけどね!」

 お腐れさまというのは、現実的にはまっっっったくそういった甘やかな状態でなくとも、素晴らしき腐ィルターがかかっているため萌えシチュへと脳内変換して楽しめる、というある意味お手軽な生き物である。

「それにしても、レナリアさまは原作…というか、この話自体ご存じないんですよね?」
「えぇ。私はゲーム特化型だったので、それ以外は余り…」
「そうなんですかー。まぁもうストーリー変わってるし、私自身も今後セドさまに取り入ろうとも思ってないから別にどうでもいいんですけどね」

 とりあえず、ということで説明された原作のストーリー展開は、以前アルベールが言っていたものでほぼ合っていた。
 ただ、一部抜けていたところとして…アルベール王子はヒロインを本当に愛してしまっていたらしい。
 よくある展開ではあるが、最初は利用するために近づいたが、ヒロインの純粋さや天真爛漫さに惹かれ、いつのまにか本気になってしまう。
 だがヒロインの心が向いているのが兄であることは火を見るよりも明らかで、その嫉妬心も相まって彼はどんどん地に落ちていくのだという。

「へぇ~。じゃぁ三角関係的な要素もあったわけですね」
「まぁ乙女ゲーの逆ハーに比べたら可愛いもんでしょうけどね。もし今現在…私を王子二人が取り合いってなったら…………萌えないわ、無理却下」
「さすがブレない(笑)」
「やっぱりひっそりこっそり妄想して悶える方が性に合ってますもん」

 そうやって女二人で盛り上がっていたところへ…低い声が割り込んできた。

「―――レナ? 来てるのか…って…え?! 何でヒロインがここに?!」

 レナリアだけだと思って油断していたのだろう。いつもの王子スマイルすら出せずに慌てふためくアルベールをレナリアだけでなくコレットも面白そうに眺めている。

「大丈夫よ、アル。やっぱり彼女も転生者だったの。それが分かったから話を聞きたくて連れてきたのよ」
「えぇ…あ…そうなんだ…? なんだよビックリするじゃん…」
「あ、それでね、転生者なだけじゃなくて、彼女も―――」

「アルベール王子だ本物だーー! ねぇねぇちょっとセドさまと絡んでくれない?!」

 腐女子だったのよ、というレナリアの言葉は、大興奮したコレットのセリフに飲み込まれた。
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