Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~

神城弥生

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神代家休日

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プレイヤーの皆様こんにちは。

前回、一ヶ月後(6月14日(日)にイベントを開催しますと告知しましたがプレイヤーの皆様の強い希望により13,14日の二日間の開催となりました。

内容は「シークレットゾーンでのサバイバル」になります。

皆さんは色々な場所に隠されているメダルを探し、アイテムを獲得しましょう。

イベントに参加される方は、フェラールの街、始まりの広場に設置してある転移ポータルからイベントの【サバイバル浮遊島】まで転移することが出来ます。

転移場所はパーティごとにランダムになります。

サバイバル中に死亡した場合はペナルティとしてフェラールの街に戻され、1時間半転移が出来なくなります。

初めに持てるアイテムは50個までとなります。

時間は13日(土曜日)朝9:00~14日(日曜日)夜21;00までとなります。

さらに詳しくはHPをご覧ください。

皆様今後もAOLをよろしくお願いします。

それでは皆様

良い人生を

ーーーーーーーーーーー

 昨日静かな森を終えたら、運営からのメールが入っていた。僕らは急いでホームに戻り装備のメンテナンスをお願いした。イベント前ということでメンテナンスは3日欲しいということだ。
 僕らはそのままダイブアウトした。

 日曜日

 今日は休みにしていたので家事全般に勉強に集中し、来週のイベント中は集中してダイブインできるように準備することになった。今日は勉強しなきゃな、と思いながら目を覚ます。

 が、何か柔らかいものが圧し掛かっていて体が重かった。

「「う、ん」」

 僕の両側で寝ていた香織さんと姉さんが僕の体に手を回し、体の自由を奪っていた。というか胸がすごい圧迫感だ。

 また二人とも大きくなったのかな?っていうかなんで香織さん裸なんだ?昨日寝る前服着てたよな?走りにいかないといけない時間なんだけど。

「う、ん。ねぇ弥生。離れちゃヤダ」
「おはよ。香織さん。確かに暖かくて気持ちいけど走る時間なんだ」
「ぶ~。だ~め。離さないんだから」

 香織さんは腕や足を絡めてくる。普段しっかり者のお姉さんが急に甘えてくるとは。
ドキドキが止まらなくなる。

 クソッ、これは強敵だぞ。

「ふふっ。弥生の速くなった鼓動が聞こえる。可愛い」
「からかわないでよ。香織さんにこんなことされたら誰だってこうなるから」

 AOL内なら確実にセクシュアリティ警告が出て僕は強制ダイブアウトさせられていただろう・・・。

「ん。やーちゃんおはよ。ちゅ~して?」
「おはよ。姉さん。走りに行くから腕どけて?」
「い~や。もう離さないも~ん」
「姉さんまで。そんなこと言ったら離れられなくなっちちゃうから」
「うふふ~。やーちゃん大好き」
「もう」

 姉さんも甘えモードのようだ。

 年上が甘えてくると男は弱いんだから。

「む~。おねえちゃんずるいよ~。ユイもぎゅっとしたい」
「ふふっ。順番だからね。今日は私」

 ユイも起きたようだ。

「ん。おねえちゃんいつの間に裸になったの?ずるい」
「おはよ。ちーちゃん。女戦いはもう始まっているのよ?」
「む~。負けないんだから」

 何の戦いだ。千沙も起きたようだ。

「香織ずるいわよ。なら私も脱ぐ!!」
「あーー!!じゃあユイも!」
「ん。私も負けない」

「何の勝負だ!みんな脱がないでいい!!どこの変態集団なんだ!?」

 と言っている間に皆脱いでしまった。これは早く抜け出さないとまずいな。

 主に精神的に。

「そういえば弥生。昨日の勝負私たちが勝ったから1つ言うことを聞いてね?」
「あの理不尽な勝負か・・・。一体何させるんだ?簡単なことにしてくれよ?」
「ん。子作り」
「痴女かお前は。もう少しお嬢様らしくしなさいよ」
「ん。お嬢様は心作りを所望するでざます」
「へたくそか。どこのマダムだ」
「じゃあやーちゃん。プロポーズして?」
「色々段階を飛んだな。順番って知ってるか?」
「お兄ちゃん!!襲っていい??」
「ひどくストレートだな。答えはダメだ」
「じゃあ弥生。とりあえず結婚届けにサインして?」
「急に現実的な攻め方してきたな。僕はまだ15歳だから無理だよ?」

 まともなお願いがないな。

 まぁ何となく予想はしていたが。

「とりあえず考えといてよ?僕は走ってくるから」
「む~。行ってらっしゃい、じゃあ代わりにユイを抱きしめちゃう!!」
「うわ!!えへへ~~。おねえちゃんあったかい」
「じゃあ私はちーちゃんを抱きしめちゃお!!」
「ん。おねぇちゃん邪魔。でも柔らかくて気持ちい」

 変態姉妹たちはほっといて走りにいこ。

「お早うジイジ」
「お早う弥生。今日は少し遅かったの」
「みんなに捕まっちゃってね」
「ガッハッハッハ!!さっさと身を固めてしまえ!その方が儂等も安心じゃ」
「僕まだ高校1年生だって」
「法律なんか無視してしまえ。それに婚約ならできるじゃろう」
「祖父のセリフかよ。まぁそれならできるけど」

 僕はまだどこかで不安な気持ちがあるのかもしれないな。15歳じゃまだ将来を決められないよ。

「そう言えば来週からイベントなんじゃろ?」
「よく知ってるね。HP見たの?」
「ああ。それにユイが嬉しそうに電話してきたからの」
「あぁ。そう言えば昨日電話してたね。ジィジ達だったんだ」
「うむ。一方的に話されて電話を切られたわ」
「あはは。ユイらしいね」
「全く。変わらんのあの子は。まぁそこがまた可愛いんじゃがの」
「はは。それは間違いないね」

 ジィジはAOLにダイブインして以来、以前にもまして元気になっている気がする。
 孫としては嬉しいことだ。

「あら弥生お早う。今日は遅かったね」
「お早うばあちゃん。皆に捕まっちゃって」
「あっはっはっは!!早く結婚しちゃいなさい」
「ジィジのにも言ったけど僕高校1年生」
「法律なんかクソくらえよ。早く孫の顔を見せておくれ」

 無茶苦茶な夫婦だな。

「そういえば二人は何歳で結婚した?」
「ん?話したことなかったかの?儂が18歳になった日じゃよ」
「え?そんなに早かったの?」
「まぁ私が早く子供が欲しかったからね。食っちまったほうが早いじゃろ」

 孫の前で堂々と言うな。

「あの日はすごかったんじゃぞ。朝起きたら儂丸裸にされていて紐で縛られて動けなくなっていての。そのままばぁさんに食われたんじゃ」
「ばぁちゃん」
「何さ。さっさと手を出してこなかったあんたが悪いね」
「しかもカギをかけた家にいたのに、全ての扉に拳くらいの穴が開いておっての。全てのカギが破壊されておったんじゃ。全く無茶苦茶な女に捕まったもんじゃ」
「ばぁちゃん」
「あっはっはっは!!あの頃は若かったからね。私にかかればセキュリティなんてあってないようなものだよ!!」
「今でも儂が逃げようものなら縛ってくる妖怪婆は誰じゃ!!」
「妖怪、婆、じゃと?」

 生々しいわ。孫の前でする話じゃなくなってきたから帰ろっと。

「お?弥生帰るのか?お前も女には気を付けるんじゃ、よ、待て待て待てばぁさん!!なんで怒っとる!?なんで歩くたびに地面が砕けてるんじゃ!!どんな化け物じゃ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 本日も神代家は平和なようです。

「ということでお兄ちゃんは一日奴隷になりました!!どんどんパフパフ!!」
「何でだよ。どうなったらそんな結論になった」
「諦めてやーちゃん。皆の総意なの。私もつらいのよ?」
「ん。私もつらい。泣きそう」
「じゃあ私も。でも決まったからにはしょうがないの。私たちの玩具になりなさい」

「何だその三文芝居は。あと刑が重くなってるぞ。玩具ってなんだ」

「まずはみんなで朝風呂に入ります」
「そのあとみんなで朝食をとります」
「ん。その後弥生は勉強します」
「そして今日一日家事はしてはいけません」

「え?どういうこと?」

 話を聞くとつまり、今日は何もせずゆっくり休んでいなさいと言うことらしい。たまには家事を休んで、休養してろと。

 全く素直じゃないんだから。そんなこと言わないで、素直に休んでてって言えばいいのに。

 僕は嬉しくなり、了承する。たまにはこういう一日があってもいいか。僕は顔がにやけるのを止めることが出来なかった。

「はい!!万歳して!!服脱がしてあげる!!」
「いや・・・。それくらい自分んで」
「ん。奴隷は黙って言うこと聞きなさい」
「はいはい。じゃぁよろしくお願いします」

 結局僕は服を脱がされ、皆でお風呂に入った。僕はみんなの体を洗ってあげて、皆に体を洗われた。
そしてお風呂でもみくちゃにされた。

 拝啓、お義父さん。お母さん。
 僕は今日また一つ、大事なものを失った気がします。
 PS、結局料理は僕が作りました。どうやったら、クリームパスタが真っ黒なお団子になるんでしょうか。何を考えたら、サラダに皮のついたままの野菜たちが並ぶんでしょうか。何をしたら、煮物を作っていて火が舞い上がり火災警報器がなるんでしょうか。

 僕の家族は一体何がしたいんでしょうか。何故山下姉妹はそれを見て笑っていられるんでしょうか。
僕にはもう何が正しくて何が間違っているのかわかりません。早く帰ってきてください。

 神代弥生。

 こうして山下家の平和な(?)休日は終わりましたとさ。

「あれ?サラダって皮剥くんだっけ?」
「当り前だ!!」
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