〜黒零〜終わりを告げる戦場

るるちゃん

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5話 太刀野 莉奈の過去

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 そのままついていくと、決闘場の横にある個室の部屋に連れていかれた。
 部屋に入るとあるのは最低限のものだけだ。

「みんな、座ってください」

 そう言われ、俺たちはもともと引かれていた椅子に座る。
 座るとお茶を出してくれて、配り終わると、太刀野も座り、手を組み、ゆっくりと話を進める。

「いきなりごめんね、なんでみんなを、ここに呼んだのか、今から話すね」

 すると恐る恐る、今日俺と話した内容を話しはじめた。
 その時みんなの反応は、少し辛そうだった。

「こんな感じかな、私たちが話してたのは」

 その話をしたことにより、今日の疑惑は晴れた。

「なんだ、告白じゃないんだ」
「おい!」

 太刀野は俺らを見て笑う。俺は気づいたことがある、こいつは人よりもよく笑う、やはりあのことが原因なのか?
 俺はよく考えたが、その内容が分からず、解はだせなかった。
 すると、太刀野は今まで以上に寂しそうな顔で、俺の過去について教えてほしい、と話し始めた。

 俺はあの時”同じ境遇“という言葉を使っていたので、俺の過去を知っているのかと思っていた。

 三人は俺の方を心配そうに見つめてきた。
 もしほかの生徒に聞かれていたら、お前には関係ない、と言って断っただろう、だが、太刀野には今日色々助けられ、”同じ境遇“の意味を知りたかったため、教えることにした。

「わかった、じゃあゆっくり話す」

 俺は何一つ嘘をつかないで、話をした、家族のこと矢千葉のこと中年男性のことを。
 話の最中でも一番気になったのは中年男性のところだ、その話の途中、明らか態度が変わった。
 だが、とりあえず一通り話、質問を聞く。

「こんな感じだが、何かあるか?」

 太刀野はすぐに質問して来た。もちろん中年男性のことだ。

「私もその中年男性知ってるよ」

 その返しには流石に驚いた。

「え、どういうことだ? 容姿まで覚えているのか?」

 その答えはNoだ、すると、次は太刀野が話を始める。太刀野の過去についてだ。

「実は、大まかな話しは聞いていたんだ、でも、中身までは分からなくて、どうしても聞きたくて......辛い話を思い出させてごめんね、じゃあ私も話すね」

 俺はゆっくりと唾を飲み込み、太刀野の話を聞く。

---

 私が九歳の時、その時は日曜日だったから家族と家にいたの、その時から魔術師という存在はニュースでもやっていたことにより、みんな知っていた、けれど、まさか、自分の家族がそうなるとは思わない。
 だって私もそんなことが起きるなんて思わなかった。

「じゃあ、昼寝してくる!」

 私はそう言って二階に上がり昼寝をする。その時に両親と話すのが最後になるなんて思わずね。
 寝てから三十分くらいが経つと、何やら下が騒がしく私は目が覚めた。

「おい! お前だけでも逃げろ!」
「で、でも! あなたはどうするの!」
「俺は家族を守るためならどうなってもいいんだ! もしここで俺らが死ぬと莉奈は一人きりで生きていかなければならなくなる、お前はそれか今逃げて二人で生きるか、どっちを選ぶんだ!」

 全く喧嘩をしなかった両親が大声で叫んでいた、私は目をこすりながら、階段を降りて、リビングに入ると、同時に今までとは違う叫びが聞こえ、その瞬間目の前に血飛沫が降って来た。
 お母さんの悲鳴、お父さんは逃げろと叫んでいた。
 お父さんの前には見たことのない人が浮いていた。
 私はニュースを思い出し、この人が魔術師だってわかり、逃げようとしたが、そううまいこといくわけがない、お父さんは床に倒れ、お母さんも腰が抜けて、私も動けなくなる。

 するとお母さんが、私の身体を触る。

「あなただけでも、逃げて!」
「お母さんも! 私と逃げよ!」
 その声も届かず、そのまま魔術師に殺されてしまった。
 もちろん次は私の番、九歳ながら死を覚悟した。

(ああ、終わったよ、お母さんもお父さんも魔術師に殺されてしまった、もう生きる意味なんて......)

 もうどうにでもなってしまえ、私の人生はここで終わってもいい、とまで思った。
 私は目を瞑り、覚悟を決めた。

(死のう)

 もうじき魔術師から殺されるはずだった、だけど、魔術師は仲間と話し、武器をしまい、そのまま消えてしまった。

(......私生きてる、なんで? 魔術師は?)

 生きてることに驚き、目を開けると、目の前に中年男性が立っていた。
 一瞬魔術師かと思ったが、殺気は無く、頭を撫でながら私を外に出してくれた。その時私の耳元で話しかけてくれた。

「リナちゃん、両親は死んじゃったけど、運が良かったね、お母さんに感謝しなきゃ」

 そう言って玄関前で降ろしてくれた。そのまま外に出ると警察や黒零の人が待ち受けていた。
 私はその中年男性にお礼を言おうとしたが、もうその場にはいなかった」
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