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①
中学3年生 1
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学校の3年に双子の兄弟がいる。兄は学校の王子と呼ばれている。弟の方は王子の邪魔者で悪魔と呼ばれている。
兄の晴翔は幼い頃から成績優秀な子、弟の李人は出来損ない。両親からも比べられ、他の人たちからも比べられていた。
「どうして晴翔と双子なのにこうも出来の良さが違うんだ!」
学校から帰ると必ず両親に言われる。
李人と晴翔は中学からのエスカレーター式の私立学校に通っている。
李人は昔から勉強ができない訳ではなかった。ただ晴翔の存在が李人の存在をかき消してしまっていたのだ。李人が秀でた才能を開花させたら、それに伴い晴翔も同じ才能を、いやそれ以上の才能に変えてしまったのだ。
「お前は晴翔と違い何もできないんだ!遊び回ってないで勉強をしろ!」
(俺だって晴翔さえいなければこんなことやらねえ!)
「おい聞いてるのか!」
あーどいつもこいつもわかってもらおうなんて思ってないけど
「うるせーなー。晴翔は晴翔で、俺は俺だ。俺のしたいことをするだけだ!邪魔すんじゃねーよ!」
いつもは無視して部屋にこもるが今日は喧嘩をして一発殴られてしまってイライラしていた。
そしていつも通り部屋に入ろうとしたその時、
玄関が開いた。部活が終わった晴翔が帰ってきたからだ。
「ただいま、父さん。こんなところで李人と何してるの?」
久しぶりに晴翔の顔を見た気がした。晴翔はこの家の1番の権力者だ。李人に威張る父でさえも晴翔に頭が上がらない。
「ああ、こいつが俺に生意気なこと言うんだ。ちゃんと教育しといてくれよ、晴翔。」
そう言い残しリビングに戻って行った。2人は少し気まずくなった。だがそれを感じたのは李人だけだった。
(俺こいつと兄弟だけど苦手なんだよな。小さい頃から何を考えているかわからないから)
そのまま晴翔のことを無視して部屋に入った。引き止められると思ったが引き止められなかった。
そのまま李人はご飯を食べず寝ようとした。だが
コンコンコン
扉がノックされた返事をしてないのに誰かが入ってきた。ドアを見るとそこには晴翔がいた。晴翔が入ってきたのを一目見たまま李人はそのまま寝ようとした。
「李人ちょっといいかい?と言っても入っちゃったけど。李人そろそろ反抗するのやめたら?父さんも李人のこと心配してるんだよ。」
こいつはうざい。こいつの話を聞くたびに黒い感情が心に渦巻いていく。
「お前最近会ってなかったからよかったけど、マジで邪魔なんだけど。俺はお前の話聞くために家に帰ってきてるわけじゃないんだけど。今すぐ出てけ!」
生まれて初めて晴翔に悪口を言ったと思う。今までは心の中で言うだけで口に出すことはなかった。
「李人ちゃんと俺の話を聞けよ。これでも兄貴だぞ。」
「お前が今すぐ出て行かないなら俺が出て行く。言っとくけど俺は生まれて一度も兄貴だと思ったことはない」
そう言い出て行った。
出たのは良いんだけど行く場所がなく兎に角歩き続けた。
明日は学校があるが朝こっそり取りに行けば良いか。公園のベンチにでも寝るか。
公園のベンチは意外と綺麗だった。さて寝ようと腰掛けた時
「ねえそこのお兄さん。今暇?」
香水に匂いがする女に話しかけられた。
「誰だお前?」
「私?私は優奈だよ。おんなじクラスなんだけど知らない?」
キャバ嬢かと思えるその格好をしていながらまだ中学でしかもおなじクラスとか、、
「お前まだ中学だろなんでそんな格好してんだよ。」
質問したが答えない。まあ良い気になったわけでもないからな。
「ねえそれより私の家くる?返事聞くまでもなく一緒に来て。」
引っ張られて優奈の家に連れて行かれた。
兄の晴翔は幼い頃から成績優秀な子、弟の李人は出来損ない。両親からも比べられ、他の人たちからも比べられていた。
「どうして晴翔と双子なのにこうも出来の良さが違うんだ!」
学校から帰ると必ず両親に言われる。
李人と晴翔は中学からのエスカレーター式の私立学校に通っている。
李人は昔から勉強ができない訳ではなかった。ただ晴翔の存在が李人の存在をかき消してしまっていたのだ。李人が秀でた才能を開花させたら、それに伴い晴翔も同じ才能を、いやそれ以上の才能に変えてしまったのだ。
「お前は晴翔と違い何もできないんだ!遊び回ってないで勉強をしろ!」
(俺だって晴翔さえいなければこんなことやらねえ!)
「おい聞いてるのか!」
あーどいつもこいつもわかってもらおうなんて思ってないけど
「うるせーなー。晴翔は晴翔で、俺は俺だ。俺のしたいことをするだけだ!邪魔すんじゃねーよ!」
いつもは無視して部屋にこもるが今日は喧嘩をして一発殴られてしまってイライラしていた。
そしていつも通り部屋に入ろうとしたその時、
玄関が開いた。部活が終わった晴翔が帰ってきたからだ。
「ただいま、父さん。こんなところで李人と何してるの?」
久しぶりに晴翔の顔を見た気がした。晴翔はこの家の1番の権力者だ。李人に威張る父でさえも晴翔に頭が上がらない。
「ああ、こいつが俺に生意気なこと言うんだ。ちゃんと教育しといてくれよ、晴翔。」
そう言い残しリビングに戻って行った。2人は少し気まずくなった。だがそれを感じたのは李人だけだった。
(俺こいつと兄弟だけど苦手なんだよな。小さい頃から何を考えているかわからないから)
そのまま晴翔のことを無視して部屋に入った。引き止められると思ったが引き止められなかった。
そのまま李人はご飯を食べず寝ようとした。だが
コンコンコン
扉がノックされた返事をしてないのに誰かが入ってきた。ドアを見るとそこには晴翔がいた。晴翔が入ってきたのを一目見たまま李人はそのまま寝ようとした。
「李人ちょっといいかい?と言っても入っちゃったけど。李人そろそろ反抗するのやめたら?父さんも李人のこと心配してるんだよ。」
こいつはうざい。こいつの話を聞くたびに黒い感情が心に渦巻いていく。
「お前最近会ってなかったからよかったけど、マジで邪魔なんだけど。俺はお前の話聞くために家に帰ってきてるわけじゃないんだけど。今すぐ出てけ!」
生まれて初めて晴翔に悪口を言ったと思う。今までは心の中で言うだけで口に出すことはなかった。
「李人ちゃんと俺の話を聞けよ。これでも兄貴だぞ。」
「お前が今すぐ出て行かないなら俺が出て行く。言っとくけど俺は生まれて一度も兄貴だと思ったことはない」
そう言い出て行った。
出たのは良いんだけど行く場所がなく兎に角歩き続けた。
明日は学校があるが朝こっそり取りに行けば良いか。公園のベンチにでも寝るか。
公園のベンチは意外と綺麗だった。さて寝ようと腰掛けた時
「ねえそこのお兄さん。今暇?」
香水に匂いがする女に話しかけられた。
「誰だお前?」
「私?私は優奈だよ。おんなじクラスなんだけど知らない?」
キャバ嬢かと思えるその格好をしていながらまだ中学でしかもおなじクラスとか、、
「お前まだ中学だろなんでそんな格好してんだよ。」
質問したが答えない。まあ良い気になったわけでもないからな。
「ねえそれより私の家くる?返事聞くまでもなく一緒に来て。」
引っ張られて優奈の家に連れて行かれた。
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