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2.配線はずしちゃっていいですか
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俺のスマホ画面に映し出されているのは、石崎の部屋に設置されたカメラの録画映像である。
うちの会社でも遂にテレワークが導入され、カメラ非搭載のPC利用者には会社から外付け用のWEBカメラが支給された。
機械音痴の後輩、石崎 みさとに頼まれ、心優しき先輩のこの俺、桜木 旬が彼女宅を訪問しカメラの設定をしてやったわけだが……なんと、そのカメラは専用アプリを通じて、離れた場所からでもリアルタイム視聴できるネットワークカメラだった。
石崎は風呂から上がり、着替えて、化粧水やら何かのクリームやらを塗り終わると、部屋の中央にある机を少しずらしてストレッチを始める。
肩や脇腹に効きそうな上半身の柔軟運動を終えたあと、床に座り込み足の裏を合わせて股関節を念入りに伸ばしているようである。
「ふぅー……ふぅー……」
最初は深く息を吐き、ストレッチの呼吸であったが、途中から何やら様子が変だ。
「はぁはぁはぁ……」
脚の付け根あたりを両手でさすり、吐く息のリズムがまるで性交時のそれである。
大陰唇の辺りを両端からこすり合わせるかのような彼女の手付きが徐々に加速していくとと共に
「あっ……あっ……」
と声が漏れだし、ひとつの疑念が確証へと変わる。
石崎は今、オナニーをしている!
慌ててボリュームを最大値まで上げると、股関節を揉み込む動きに合わせて、何やら奥の方でクチュクチュと粘液を掻き混ぜるような音まで耳に届いてきた。
彼女が手を置くあたりをズームしてみるが、ショートパンツの隙間から中が見えそうで見えない……
そう言えば、石崎は今、どんな顔をしているんだろう。
そんなことが気になり、ゆっくりカメラアングルを上に操作し、顔が映る画角へと調整する。
「わっ……!?」
カメラの向こうにいる石崎と目が合ったような気がして、びくっと一瞬、身を震わせて驚いた。
まるで、寿命が数年縮んだようである。
偶然目が合ったように感じただけであれば、まだやり過ごせるのだが、その後も石崎は目線を外すことなく、じっとカメラを見つめながら手を休めようとはしない。
もしかして気付いてる?これは気付いた上で続けているのか?
それはそれで興奮するのだが、それ以上に、想定外の出来事すぎて思考が停止した。というより思考を放棄した。
これ以上、目を合わせていられない。
そう頭では拒絶しているのに、まるで金縛りに会ったかのように身動きが取れないのだ。
恐怖による硬直……蛇に睨まれたカエルとは、まさに今の俺のことである。
気のせいか、徐々に石崎がカメラに近付いて来ている気がする。
別に今更、目を逸らしても、向こうから俺の姿は見えていないので、特に意味がないということは分かっているのだが、流石に耐え切れなくなって本気で抗い、どうにか首を回して目を背けると、その視線の先に立っていたのは、まさかの石崎!?
「ど、どうなってんだよ!これ!」
「うるさいわよ、この変態クソキモ盗撮魔!!変態!変態!変態!変態!変態!変態!」
俺を罵るその声は普段の明るい石崎の声とは違い、怒りや憎悪に満ち溢れたおぞましいものだった。
「うわわわわ……ごめんっ、ごめん!ごめんなさーーーーい!!」
◇
見覚えのある天井だ。
全身べっとりと嫌な汗を掻いてるのに、しっかりと朝勃ちしている。
「…………夢か」
深いため息と共に良いのか悪いのかよく分からない夢から目覚めた。
昨夜、石崎が風呂から上がった後、俺も風呂に入り、上がった頃には既に部屋の灯りも消え、石崎は就寝していた。
ナイトビジョンモードのおかげで、部屋が真っ暗であってもバッチリ映っている。
石崎の愛くるしい寝顔を肴に晩酌を楽しんでいたのが、そのまま寝落ちしてしまったらしい。
しかし、こんな盗撮ライフをいつまでも続けていては夢が正夢となるのも時間の問題……恐らく、昨日から心のどこかでそんな危機感や恐怖心を知らず知らず抱いてしまっていたのだろう。
だが、これはあくまで計画的な覗きではなく、あくまで偶然の事故のようなもの。
目の前で女性のスカートが風のいたずらでめくれてしまい、ついつい反射的に見てしまうことと、同じ道理だ。
とは言え、短期決戦が望ましい。
石崎のオナニー姿が録れたら、アプリを消して足を洗おう。
そもそも、彼女がひとりでする派かしない派かも分からないが、勝手に色々とルールや目標を立て、どうにか不安で押し潰されそうな自分の心を力付くで立て直した。
さて、今日も引き続き、俺のテレワークもとい、ドキドキワクワークな1日が幕を開ける。
まずはリアルタイムの映像をチェックだ!
スマホを確認すると、アプリを起動する前にチャットの通知が目に止まる。
相手は例の彼女、俺の監視下にある最も溺愛する後輩・石崎である。
『昨日はありがとうございました!』
カメラの設定のお礼である。
『こちらこそ、良いもの見せてもらってありが……』
駄目だ駄目だ!つい本音で返信しそうになった。
『明日はリモート会議だから、それまでに一度、映像と音声出るか事前チェックしとくようにな!』
『かしこまりました!!ところで、このカメラの青い配線?って外しちゃって大丈夫ですかね??』
恐らくLANケーブルのことだろう。
一時的に外すくらいなら、もちろん問題はないだろうが……外されちゃ、せっかくの俺の楽しみが失われる。
『再設定が必要になったら厄介だし……外したらだめ!』
『分かりました!箱見たら防水みたいなんで大丈夫です♪』
確かに、玄関や駐車場の防犯として屋外にも設置できるタイプだから防水のはずだが、石崎のやつ、一体何をする気なのだろうか。
気になったので早速、リアルタイム視聴のアプリを起動し石崎の動向を確認してみるのだが、昨日とは景色が違い、どうやら場所を移動させたらしい。
半分くらいまで水が張られた真っ白の分厚い水槽にタイル調の壁。
「フンッフフッン、フッフンフッフン♪フン~フン~フン~フン~♪」
陽気な鼻唄が近付いてくる……これはまさか!?
少しアングルを調整すると、昨夜は見る事が出来なかった、素っ裸の石崎がフレームインしてきたのだ。
夏もまだ序盤とあってか、しっかりとは手入れされていない、ほどよく整った、黒々しい陰毛とは初対面。
どうやら、ここは風呂で、願ったり叶ったりの朝風呂に入るらしい。
ネットで検索すれば、いくらでも女の裸体を観ること出来る時代とは言え、普段から汗水流し共に働く同僚の裸体は別格の興奮である。
しかも彼女だとか、良い感じに好意を確認し合っている間柄でもない、ただの同僚でありながら、好みのタイプの美女ときた。
本来であれば、決して観ることの出来ないはずの光景ともなれば、その興奮の破壊力たるや、同じ経験をした者ではないと計り知れないだろう。
昨日は時間帯が夜ともあって、部屋の照明だけでは全体的に暗い印象の画質だったが、日中の時間帯は、どこかから自然光が差しているのか、昨日よりも画が明るく、より鮮明に写っている。
浴室に入ると、石崎は掛け湯もせず、ゆっくりと脚を持ち上げ、華麗に浴槽を跨ぐ。
どうやら、カメラは風呂蓋の上にPCと一緒に乗せてあるようだ。
その動きに合わせ画角を調整すると、下から覗き込むようなアングルとなり、陰毛の下にうずくまるワレメがうっすら観測できた。
脚を上げてるとは言え、ワレメは密着しており、中までモロ見えと言う訳にはいかず、ここは後からじっくりスローで録画映像を楽しむとしよう。
石崎が湯船に入ってからは、PCでネットブリックスでも観てもいるのか、海外ドラマの音声と時折、湯をパチャパチャさせる音が聴こえてくるぐらいで特に動きのない映像である。
流石に被写体との距離が至近距離すぎることもあり、下手にアングルを動かすとバレてしまう危険性も高い為、ここはグッと堪え、ドラマの展開にいちいちリアクションしてくれる石崎の半身浴中の表情を観ながら、歯を磨いたり、朝食を食ったりと朝の支度を済ませることとした。
石崎が風呂に入り20分ほどが経ったころ、再び映像が動き出した。
石崎は観ていたドラマを停止させ、立ち上がり、浴槽の中でそのまま身体を拭き始める。
わざわざカメラに背を向け、尻や股の内側まで入念に拭き上げる様子を真下から見上げる視点はまるで自分が小人にでもなったかのような大迫力の映像である。
一通り体を拭き終えると浴槽から出るようなので、すかさずアングルを調整し彼女を追いかける。
てっきり俺は、入浴を終えるのだと思っていたのだが、浴槽を出たところで再び石崎は腰を下ろした。
実は彼女の部屋の風呂場は独立したバスルームではなく、トイレも一緒になったいわゆるユニットバスなのである。
石崎は全裸の状態のまま、トイレに腰かけ、そこからの出来事は一瞬だった。
便座に座るやいなや、プシューっと音を立て、勢いよく用をたす。
真横からの映像となる為、実際に見えているわけではないが、性器から放たれた黄金水は一直線を描き底に打ち付けられ、細かな飛沫となり弾け飛んでいる。
そんな一連の映像が思わず脳内再生される。
全て出し切った合図にぶるっと体を震わせ、雑にペーパーを巻き取き取ると……
《カメラがネットワークに接続されていません》
ここで映像が途絶え、画面が真っ暗になってしまった。
慌てて、更新したり再起動したりネットワークを切り替えたりなど、普通なら咄嗟に復旧を試みるはずではあるが、俺はこの状況を冷静に、カメラのバッテリー切れであると判断した。
何故なら、この頃既に俺は賢者モードに突入しているからだ!
絶対に他人に見られたくない姿を俺は知っているという征服感?いや、絶対にバレてはいけないというドキドキ感?もしくは、単なる達成感?
恐らくこれらの中のどれかではなく、これら全てが覗きや盗撮から得られる快感に繋がっているのだろう。
そして被写体が一番見られたくない瞬間、あるいは日常生活では絶対に見る事が出来ない瞬間を目の当たりにしたことで、俺の興奮は一瞬の内に絶頂へと達したのだ。
しばしの放心の後、いつも通り後片付けをし、昨日ぶりの穏やかさを取り戻した俺は、溜まりに溜めていたバラエティ番組の録画を鑑賞することにした。
◇
「そういや、あいつ今、何してんだろ……」
1時間ほどが経ち、再びカメラの様子が気になる。
流石に風呂からはもう上がっているだろうが、風呂から出た後、きちんと電源コードに繋いでいるかが心配だ。
しっかりしているように見えるが、石崎は意外と抜けているところがある。
訪問先の客の靴を間違えて履いて出てきてしまったり、客の家の郵便受けに間違えて社用車のキーをポスティングしたなんてこともあったっけ……
まぁ、リモート会議も控えているので、忘れていても明日になれば繋ぐはずではあるが、もしかしたら今夜、石崎が部屋にこもってオナニーをするかもしれない。
専用アプリを起動し確認してみると、どうやら俺の取り越し苦労だったようだ。
石崎は風呂から出た後、きちんとカメラの電源コードも繋いでいた。
しかし、変だ。
ソファにもいないし、ベッドで寝ている容姿もない。
いくらカメラのアングルを変えても石崎の姿が見当たらず、それにやけに静かである。
コンビニやスーパーにでも出かけたのだろうか。
しかし、30分経っても、1時間経っても戻ってこない。
徒歩圏内の近場ではなく、がっつり外出……テレワークですることがないとは言え、不要不急の外出は認められておらず、自宅待機が原則である。
よく見れば、クロゼットの扉が開いおり、辺りには何着か女子のおしゃれ着のような服が脱ぎ捨てられている。
彼氏はいないと聞いていたが、もしかして男?……あまりのヒマさに最近流行りのマッチングアプリにでも手を出したか?
いや、そんなことよりも今は就業時間内!
ここは電話をかけて、上司としてビシッと一発言ってやらなければ!!
うちの会社でも遂にテレワークが導入され、カメラ非搭載のPC利用者には会社から外付け用のWEBカメラが支給された。
機械音痴の後輩、石崎 みさとに頼まれ、心優しき先輩のこの俺、桜木 旬が彼女宅を訪問しカメラの設定をしてやったわけだが……なんと、そのカメラは専用アプリを通じて、離れた場所からでもリアルタイム視聴できるネットワークカメラだった。
石崎は風呂から上がり、着替えて、化粧水やら何かのクリームやらを塗り終わると、部屋の中央にある机を少しずらしてストレッチを始める。
肩や脇腹に効きそうな上半身の柔軟運動を終えたあと、床に座り込み足の裏を合わせて股関節を念入りに伸ばしているようである。
「ふぅー……ふぅー……」
最初は深く息を吐き、ストレッチの呼吸であったが、途中から何やら様子が変だ。
「はぁはぁはぁ……」
脚の付け根あたりを両手でさすり、吐く息のリズムがまるで性交時のそれである。
大陰唇の辺りを両端からこすり合わせるかのような彼女の手付きが徐々に加速していくとと共に
「あっ……あっ……」
と声が漏れだし、ひとつの疑念が確証へと変わる。
石崎は今、オナニーをしている!
慌ててボリュームを最大値まで上げると、股関節を揉み込む動きに合わせて、何やら奥の方でクチュクチュと粘液を掻き混ぜるような音まで耳に届いてきた。
彼女が手を置くあたりをズームしてみるが、ショートパンツの隙間から中が見えそうで見えない……
そう言えば、石崎は今、どんな顔をしているんだろう。
そんなことが気になり、ゆっくりカメラアングルを上に操作し、顔が映る画角へと調整する。
「わっ……!?」
カメラの向こうにいる石崎と目が合ったような気がして、びくっと一瞬、身を震わせて驚いた。
まるで、寿命が数年縮んだようである。
偶然目が合ったように感じただけであれば、まだやり過ごせるのだが、その後も石崎は目線を外すことなく、じっとカメラを見つめながら手を休めようとはしない。
もしかして気付いてる?これは気付いた上で続けているのか?
それはそれで興奮するのだが、それ以上に、想定外の出来事すぎて思考が停止した。というより思考を放棄した。
これ以上、目を合わせていられない。
そう頭では拒絶しているのに、まるで金縛りに会ったかのように身動きが取れないのだ。
恐怖による硬直……蛇に睨まれたカエルとは、まさに今の俺のことである。
気のせいか、徐々に石崎がカメラに近付いて来ている気がする。
別に今更、目を逸らしても、向こうから俺の姿は見えていないので、特に意味がないということは分かっているのだが、流石に耐え切れなくなって本気で抗い、どうにか首を回して目を背けると、その視線の先に立っていたのは、まさかの石崎!?
「ど、どうなってんだよ!これ!」
「うるさいわよ、この変態クソキモ盗撮魔!!変態!変態!変態!変態!変態!変態!」
俺を罵るその声は普段の明るい石崎の声とは違い、怒りや憎悪に満ち溢れたおぞましいものだった。
「うわわわわ……ごめんっ、ごめん!ごめんなさーーーーい!!」
◇
見覚えのある天井だ。
全身べっとりと嫌な汗を掻いてるのに、しっかりと朝勃ちしている。
「…………夢か」
深いため息と共に良いのか悪いのかよく分からない夢から目覚めた。
昨夜、石崎が風呂から上がった後、俺も風呂に入り、上がった頃には既に部屋の灯りも消え、石崎は就寝していた。
ナイトビジョンモードのおかげで、部屋が真っ暗であってもバッチリ映っている。
石崎の愛くるしい寝顔を肴に晩酌を楽しんでいたのが、そのまま寝落ちしてしまったらしい。
しかし、こんな盗撮ライフをいつまでも続けていては夢が正夢となるのも時間の問題……恐らく、昨日から心のどこかでそんな危機感や恐怖心を知らず知らず抱いてしまっていたのだろう。
だが、これはあくまで計画的な覗きではなく、あくまで偶然の事故のようなもの。
目の前で女性のスカートが風のいたずらでめくれてしまい、ついつい反射的に見てしまうことと、同じ道理だ。
とは言え、短期決戦が望ましい。
石崎のオナニー姿が録れたら、アプリを消して足を洗おう。
そもそも、彼女がひとりでする派かしない派かも分からないが、勝手に色々とルールや目標を立て、どうにか不安で押し潰されそうな自分の心を力付くで立て直した。
さて、今日も引き続き、俺のテレワークもとい、ドキドキワクワークな1日が幕を開ける。
まずはリアルタイムの映像をチェックだ!
スマホを確認すると、アプリを起動する前にチャットの通知が目に止まる。
相手は例の彼女、俺の監視下にある最も溺愛する後輩・石崎である。
『昨日はありがとうございました!』
カメラの設定のお礼である。
『こちらこそ、良いもの見せてもらってありが……』
駄目だ駄目だ!つい本音で返信しそうになった。
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『かしこまりました!!ところで、このカメラの青い配線?って外しちゃって大丈夫ですかね??』
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一時的に外すくらいなら、もちろん問題はないだろうが……外されちゃ、せっかくの俺の楽しみが失われる。
『再設定が必要になったら厄介だし……外したらだめ!』
『分かりました!箱見たら防水みたいなんで大丈夫です♪』
確かに、玄関や駐車場の防犯として屋外にも設置できるタイプだから防水のはずだが、石崎のやつ、一体何をする気なのだろうか。
気になったので早速、リアルタイム視聴のアプリを起動し石崎の動向を確認してみるのだが、昨日とは景色が違い、どうやら場所を移動させたらしい。
半分くらいまで水が張られた真っ白の分厚い水槽にタイル調の壁。
「フンッフフッン、フッフンフッフン♪フン~フン~フン~フン~♪」
陽気な鼻唄が近付いてくる……これはまさか!?
少しアングルを調整すると、昨夜は見る事が出来なかった、素っ裸の石崎がフレームインしてきたのだ。
夏もまだ序盤とあってか、しっかりとは手入れされていない、ほどよく整った、黒々しい陰毛とは初対面。
どうやら、ここは風呂で、願ったり叶ったりの朝風呂に入るらしい。
ネットで検索すれば、いくらでも女の裸体を観ること出来る時代とは言え、普段から汗水流し共に働く同僚の裸体は別格の興奮である。
しかも彼女だとか、良い感じに好意を確認し合っている間柄でもない、ただの同僚でありながら、好みのタイプの美女ときた。
本来であれば、決して観ることの出来ないはずの光景ともなれば、その興奮の破壊力たるや、同じ経験をした者ではないと計り知れないだろう。
昨日は時間帯が夜ともあって、部屋の照明だけでは全体的に暗い印象の画質だったが、日中の時間帯は、どこかから自然光が差しているのか、昨日よりも画が明るく、より鮮明に写っている。
浴室に入ると、石崎は掛け湯もせず、ゆっくりと脚を持ち上げ、華麗に浴槽を跨ぐ。
どうやら、カメラは風呂蓋の上にPCと一緒に乗せてあるようだ。
その動きに合わせ画角を調整すると、下から覗き込むようなアングルとなり、陰毛の下にうずくまるワレメがうっすら観測できた。
脚を上げてるとは言え、ワレメは密着しており、中までモロ見えと言う訳にはいかず、ここは後からじっくりスローで録画映像を楽しむとしよう。
石崎が湯船に入ってからは、PCでネットブリックスでも観てもいるのか、海外ドラマの音声と時折、湯をパチャパチャさせる音が聴こえてくるぐらいで特に動きのない映像である。
流石に被写体との距離が至近距離すぎることもあり、下手にアングルを動かすとバレてしまう危険性も高い為、ここはグッと堪え、ドラマの展開にいちいちリアクションしてくれる石崎の半身浴中の表情を観ながら、歯を磨いたり、朝食を食ったりと朝の支度を済ませることとした。
石崎が風呂に入り20分ほどが経ったころ、再び映像が動き出した。
石崎は観ていたドラマを停止させ、立ち上がり、浴槽の中でそのまま身体を拭き始める。
わざわざカメラに背を向け、尻や股の内側まで入念に拭き上げる様子を真下から見上げる視点はまるで自分が小人にでもなったかのような大迫力の映像である。
一通り体を拭き終えると浴槽から出るようなので、すかさずアングルを調整し彼女を追いかける。
てっきり俺は、入浴を終えるのだと思っていたのだが、浴槽を出たところで再び石崎は腰を下ろした。
実は彼女の部屋の風呂場は独立したバスルームではなく、トイレも一緒になったいわゆるユニットバスなのである。
石崎は全裸の状態のまま、トイレに腰かけ、そこからの出来事は一瞬だった。
便座に座るやいなや、プシューっと音を立て、勢いよく用をたす。
真横からの映像となる為、実際に見えているわけではないが、性器から放たれた黄金水は一直線を描き底に打ち付けられ、細かな飛沫となり弾け飛んでいる。
そんな一連の映像が思わず脳内再生される。
全て出し切った合図にぶるっと体を震わせ、雑にペーパーを巻き取き取ると……
《カメラがネットワークに接続されていません》
ここで映像が途絶え、画面が真っ暗になってしまった。
慌てて、更新したり再起動したりネットワークを切り替えたりなど、普通なら咄嗟に復旧を試みるはずではあるが、俺はこの状況を冷静に、カメラのバッテリー切れであると判断した。
何故なら、この頃既に俺は賢者モードに突入しているからだ!
絶対に他人に見られたくない姿を俺は知っているという征服感?いや、絶対にバレてはいけないというドキドキ感?もしくは、単なる達成感?
恐らくこれらの中のどれかではなく、これら全てが覗きや盗撮から得られる快感に繋がっているのだろう。
そして被写体が一番見られたくない瞬間、あるいは日常生活では絶対に見る事が出来ない瞬間を目の当たりにしたことで、俺の興奮は一瞬の内に絶頂へと達したのだ。
しばしの放心の後、いつも通り後片付けをし、昨日ぶりの穏やかさを取り戻した俺は、溜まりに溜めていたバラエティ番組の録画を鑑賞することにした。
◇
「そういや、あいつ今、何してんだろ……」
1時間ほどが経ち、再びカメラの様子が気になる。
流石に風呂からはもう上がっているだろうが、風呂から出た後、きちんと電源コードに繋いでいるかが心配だ。
しっかりしているように見えるが、石崎は意外と抜けているところがある。
訪問先の客の靴を間違えて履いて出てきてしまったり、客の家の郵便受けに間違えて社用車のキーをポスティングしたなんてこともあったっけ……
まぁ、リモート会議も控えているので、忘れていても明日になれば繋ぐはずではあるが、もしかしたら今夜、石崎が部屋にこもってオナニーをするかもしれない。
専用アプリを起動し確認してみると、どうやら俺の取り越し苦労だったようだ。
石崎は風呂から出た後、きちんとカメラの電源コードも繋いでいた。
しかし、変だ。
ソファにもいないし、ベッドで寝ている容姿もない。
いくらカメラのアングルを変えても石崎の姿が見当たらず、それにやけに静かである。
コンビニやスーパーにでも出かけたのだろうか。
しかし、30分経っても、1時間経っても戻ってこない。
徒歩圏内の近場ではなく、がっつり外出……テレワークですることがないとは言え、不要不急の外出は認められておらず、自宅待機が原則である。
よく見れば、クロゼットの扉が開いおり、辺りには何着か女子のおしゃれ着のような服が脱ぎ捨てられている。
彼氏はいないと聞いていたが、もしかして男?……あまりのヒマさに最近流行りのマッチングアプリにでも手を出したか?
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