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第1部
護衛騎士
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「ナオ様、そろそろ起きてください」
閉ざされた天蓋カーテンの向こうでテュコの声がして、梛央は目を覚ました。
手を伸ばしてリングダールを抱きしめて、
「ん……ここ、どこだっけ……?」
まだ寝ぼけた声を出す。
「奥城の星の離宮です。開けますよ?」
テュコが天蓋カーテンを開けると柔らかな朝の光が入ってきて、梛央はリングダールに顔を埋める。
「体調はいかがですか?」
「よいです」
それでも布団の中の心地よさから抜けだすのがもったいなくて、リングダールを抱きしめてもふもふを堪能する。
「起きたのなら、支度をして朝の散策をしませんか? 護衛騎士たちも待機していますよ」
テュコに言われて、梛央は起き上がる。
「護衛騎士?」
「はい。ナオ様の護衛騎士ですよ」
そういうテュコの後ろには見慣れたクランツとフォルシウスがいた。
「クランツ、フォルシウス」
寝間着のまま寝台から降りて二人の前に立つ梛央の顔が一瞬で明るくなる。
「ナオ様、はしたないですよ」
寝間着の上からガウンを羽織らせるテュコ。
「だって、どうして?」
「ナオ様は我儘言っていいんだよ」
2人の後ろからサリアンが顔を出す。
「我儘でごめんなさい。でも嬉しい」
飛び上がる勢いで喜びを表す梛央を見ると、クランツとフォルシウスも心が温かくなった。
「第一騎士団に所属したままで、ナオ様の護衛という任務にあたることになりました。他の者たちも一緒ですよ」
「本当? だって昨日で任務を解かれたと思ってた」
「昨日は休養をいただきました。今朝からまたナオ様付きの護衛騎士としておそばにいます」
「それはよかった。フォル、あとで少し話をしようか」
厳めしい顔でオルドジフが言った。
「何か? 兄上」
オルドジフから改まって言われるようなことをしただろうか、と首を捻るフォルシウス。
「フォルシウスも不敬罪で心が死ぬといいよ」
サリアンは乾いた笑みを浮かべてフォルシウスの成仏を願った。
「ねえ、クランツとフォルはここの花が光るって知ってた?」
星の離宮を出て庭園を散策しながら梛央は上機嫌で2人に尋ねる。
「ええ、大きな夜会や舞踏会が開かれるときは見張りに立ったりしますからね。サネルマと言います」
「高山に生息している花をこの地になじむように改良したものです。色も白、青、紫、黄色、薄紅がありますよ。王城のサネルマは諸国からも羨望される花です」
クランツとフォルシウスの話を熱心に聞いている梛央だが、花よりも2人が護衛騎士に戻ってきたことが嬉しかった。
フォルシウスはオルドジフからこってりと油をしぼられたようで、心なしかやつれて見えたが。
「ナオ!」
庭園の脇の広場で剣の稽古をしていたヴァレリラルドが手を振る。
近くにはヴァレリラルドの護衛騎士もいて、知った顔ぶれに梛央の顔もほころぶ。
「ヴァル、ここで剣の稽古をしているの?」
「うん。今日から、ナオの近くで稽古することにしたんだ」
「じゃあ朝はここで会えるね」
それを狙って稽古の場所を移したヴァレリラルドは大きく頷く。
「僕はヴァルの稽古を見てるから、ヴァルは僕に気にせずに稽古に集中して?」
「ナオのために強くなるんだ。本気で稽古するから、見てて」
そう言うと剣を片手に立つケイレブに向かっていくヴァレリラルド。
「健気ですね」
「ナオ様を護りたい一心ですね」
微笑まし気に王太子を見守る梛央の護衛騎士たち。
梛央はちょっとくすぐったい気持ちでヴァレリラルドを見ていた。
※※※※※※※※※※
うちのマンションに落雷しました。水が出ません。エレベーター動きません。仕事から帰って来てこれは辛い・・・ので、今日の更新は短いです(T_T)
閉ざされた天蓋カーテンの向こうでテュコの声がして、梛央は目を覚ました。
手を伸ばしてリングダールを抱きしめて、
「ん……ここ、どこだっけ……?」
まだ寝ぼけた声を出す。
「奥城の星の離宮です。開けますよ?」
テュコが天蓋カーテンを開けると柔らかな朝の光が入ってきて、梛央はリングダールに顔を埋める。
「体調はいかがですか?」
「よいです」
それでも布団の中の心地よさから抜けだすのがもったいなくて、リングダールを抱きしめてもふもふを堪能する。
「起きたのなら、支度をして朝の散策をしませんか? 護衛騎士たちも待機していますよ」
テュコに言われて、梛央は起き上がる。
「護衛騎士?」
「はい。ナオ様の護衛騎士ですよ」
そういうテュコの後ろには見慣れたクランツとフォルシウスがいた。
「クランツ、フォルシウス」
寝間着のまま寝台から降りて二人の前に立つ梛央の顔が一瞬で明るくなる。
「ナオ様、はしたないですよ」
寝間着の上からガウンを羽織らせるテュコ。
「だって、どうして?」
「ナオ様は我儘言っていいんだよ」
2人の後ろからサリアンが顔を出す。
「我儘でごめんなさい。でも嬉しい」
飛び上がる勢いで喜びを表す梛央を見ると、クランツとフォルシウスも心が温かくなった。
「第一騎士団に所属したままで、ナオ様の護衛という任務にあたることになりました。他の者たちも一緒ですよ」
「本当? だって昨日で任務を解かれたと思ってた」
「昨日は休養をいただきました。今朝からまたナオ様付きの護衛騎士としておそばにいます」
「それはよかった。フォル、あとで少し話をしようか」
厳めしい顔でオルドジフが言った。
「何か? 兄上」
オルドジフから改まって言われるようなことをしただろうか、と首を捻るフォルシウス。
「フォルシウスも不敬罪で心が死ぬといいよ」
サリアンは乾いた笑みを浮かべてフォルシウスの成仏を願った。
「ねえ、クランツとフォルはここの花が光るって知ってた?」
星の離宮を出て庭園を散策しながら梛央は上機嫌で2人に尋ねる。
「ええ、大きな夜会や舞踏会が開かれるときは見張りに立ったりしますからね。サネルマと言います」
「高山に生息している花をこの地になじむように改良したものです。色も白、青、紫、黄色、薄紅がありますよ。王城のサネルマは諸国からも羨望される花です」
クランツとフォルシウスの話を熱心に聞いている梛央だが、花よりも2人が護衛騎士に戻ってきたことが嬉しかった。
フォルシウスはオルドジフからこってりと油をしぼられたようで、心なしかやつれて見えたが。
「ナオ!」
庭園の脇の広場で剣の稽古をしていたヴァレリラルドが手を振る。
近くにはヴァレリラルドの護衛騎士もいて、知った顔ぶれに梛央の顔もほころぶ。
「ヴァル、ここで剣の稽古をしているの?」
「うん。今日から、ナオの近くで稽古することにしたんだ」
「じゃあ朝はここで会えるね」
それを狙って稽古の場所を移したヴァレリラルドは大きく頷く。
「僕はヴァルの稽古を見てるから、ヴァルは僕に気にせずに稽古に集中して?」
「ナオのために強くなるんだ。本気で稽古するから、見てて」
そう言うと剣を片手に立つケイレブに向かっていくヴァレリラルド。
「健気ですね」
「ナオ様を護りたい一心ですね」
微笑まし気に王太子を見守る梛央の護衛騎士たち。
梛央はちょっとくすぐったい気持ちでヴァレリラルドを見ていた。
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うちのマンションに落雷しました。水が出ません。エレベーター動きません。仕事から帰って来てこれは辛い・・・ので、今日の更新は短いです(T_T)
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