笑いたけのゴーストダンス

関谷俊博

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「あはははははは」

とつぜん、笑いの発作がはじまった。

このキノコが笑いたけだったことに、ぼくは気がついた。がまんしようとしても、笑いが口からもれでてしまう。

「あはははははは」

悲しかった。おかしいのに悲しい。悲しいのにおかしい。

まわりの子どもたちが歌っていた。

「いっしょになろう」

「ぼくらといっしょに」

「食べて食べて」

「青いキノコを食べて」

「そうすれば悲しみを忘れる」

ぼくは本当は悲しかったんだ…。

そのことに気がついた。
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