12 / 37
12
しおりを挟む
白井に倉田、それに新たに加わった杉浦は、スタジオで何度もセッションを重ねた。杉浦のドラミングは相変わらず正確で、倉田のベースとの相性も良かった。
「杉浦。おまえ、すごいな」
倉田がふと口にした。
「弾いてて気持ちいいぜ。以前、どんなバンドにいたんだ?」
杉浦が口にしたのは、俺も聞いたことがあるパンクバンドだった。
「だけどアルバム一枚出したら、あっという間に解散、と言うか崩壊しちゃいまして」
つまり杉浦は、曲がりなりにもプロだったのだ。これまためっけもんだった。
だけどオーディションの時のドラミングは、およそパンクとは程遠いものだった。セッションを重ねた今でもそう感じる。
俺がそれを口にすると、
「ああ、あれは…」
杉浦は恥ずかしそうに笑った。
「荻さんと白井さんの動画を見て、自分だったらこう叩くなと思って叩いたんです」
その気になれば杉浦は色々なドラムを叩きわけることができるのだろう。それだけの技術を持っているのだ。
最強のリズム隊だ。俺はこの出会いに感謝した。出来の悪い神さまも、ときには、いい仕事をするらしい。
「杉浦。おまえ、すごいな」
倉田がふと口にした。
「弾いてて気持ちいいぜ。以前、どんなバンドにいたんだ?」
杉浦が口にしたのは、俺も聞いたことがあるパンクバンドだった。
「だけどアルバム一枚出したら、あっという間に解散、と言うか崩壊しちゃいまして」
つまり杉浦は、曲がりなりにもプロだったのだ。これまためっけもんだった。
だけどオーディションの時のドラミングは、およそパンクとは程遠いものだった。セッションを重ねた今でもそう感じる。
俺がそれを口にすると、
「ああ、あれは…」
杉浦は恥ずかしそうに笑った。
「荻さんと白井さんの動画を見て、自分だったらこう叩くなと思って叩いたんです」
その気になれば杉浦は色々なドラムを叩きわけることができるのだろう。それだけの技術を持っているのだ。
最強のリズム隊だ。俺はこの出会いに感謝した。出来の悪い神さまも、ときには、いい仕事をするらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる