クズな恩恵を賜った少年は男爵家を追放されました、 恩恵の名は【廃品回収】ごみ集めか?呪いだろうこれ、そう思った時期がありました、

shimashima

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25  実家に金銭的援助

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「くそっ! なんてことだ 王宮から召喚状が  うううううう
自分は、もうおしまいなのか」
執務室で机に突っ伏して絶望的な声を上げているのはローザンヌ王国国境近くの
領主、グリッド男爵その人であった
隣領との紛争、不作による領地経営が全く破綻して税も払えないという状態に陥って
家族ともども、やせ細ってしまった現状、使用人も半数に暇を出した、
その時初めて護衛のカミラと門衛のヤンがいないことに気づいたが
これ幸いとばかりに暇を出した男爵だった、
頭を抱えていた男爵が家令にワインを持たせるべく鈴を持ち上げたときに
ドアをノックする音がした、このたたき方は家令のザンダースか
「入れ」ザンダースは男爵から5歩の距離を取り
「失礼します、旦那様 お使者が、 
フェルリンド伯爵様のお使者の方がお見えでございますが」
「なんといった? いや 解った お通ししろ 応接間だ、」
「御意」ザンダースはいつもの落ち着きはどこへやら
あたふたと階下に下がっていった、
男爵は姿見の前に立ち 自分の姿を厳しい観察眼でチェック
若干の手直しをして使者に面会すべく応接間に降りて行った、
ザンダースはドアを抑えて立っていた、
中に入ると三人の鎧をつけた騎士たちが三人 兜を小脇に抱え
直立不動で立っていた、「遠路よりご苦労である、私がグリッド男爵だが
フェルリンド伯爵の使いとのこと、まずは使者の口上を承ろううけたまわろう
「グリッド男爵閣下、ねぎらいのお言葉かたじけなく、我が主からの
口上は文書にてお伝えいたしたいとのこと、まずはこれをご覧いただきます、」

袋帆布ふくろはんぷが密封されさらに蝋封したものが手渡される
男爵は使者が立ったままなので座るもできず立ったまま開封して
袋帆布を家令に渡す、
目は羊皮紙の文字を追って左右にせわしく動く
「なんと・・」「そうなると」「一泊・・ 30人・・」
「目的     」「我が王に親書をだと・・」
なんかいろいろつぶやいていて駄々洩れ
内心は経費を考えて(我が男爵家、終わった・・)と
ただでさえさえない顔色が一層青くなった男爵だった
読み終えたらしいと判断した正使者ガリオン騎士は
ずっしりと重い革袋を男爵の手に渡し、
「30人もの人数故、かかりもあろうということで
まことに失礼なこととは思うが、これはご迷惑料ということで
是非にも受け取っていただけとの主の言いつけでございます、
ご笑納くださいませ」と大金貨100枚の革袋を渡す
「証文などは不要との言いつけでございますので」
小なりとはいえ貴族、鷹揚にうなずいて革袋をザンダースに
渡し、「これは金庫に、だがまだ持っておれ」と言葉少なに命ずる、
男爵の頭の中はいまや大嵐 暴風が逆巻いていた
「グリッド男爵閣下、これで使者の役目は果たしました、
これで失礼いたします、文書にある通り 人数は30人 我が主フェルリンド伯爵
奥方様のサザランド伯爵、従者1名 メイド2名はお屋敷内
護衛の騎士10名の内4名もお屋敷内 残り21名は庭に幕舎を張らせていただきます
 到着は 明日の今頃となります、」
「お使者 大儀であった」
三人の使者たちはさっそうと去っていった、

「ザンダース、金貨の袋をもって執務室の机の上に」
二人して執務室にゆき革袋を机に乗せる、「ザンダース、妻と娘をここに呼んでくれ
男爵は生気を取り戻した、「カイン・・・」と勘当した息子の名をつぶやく

いかに男爵とて大金貨をいっぺんにこれだけの量を見るのは
生まれてこの方、初めてのことだ、さっき受けとった時の手触り、大きさ的に
大金貨だ、間違いない、机の上の両の手はぶるぶると
おこりのように震えている
コンコンとノックの音 「旦那様 奥様とお嬢様がお見えです」
「入りなさい、ザンダースも立ち会え」
「あなた、カインの 伯爵の使者がお見えになられたとか」
「うむ、王命をもって特使として我が王に親書を手渡すお役だとか
それでな」と言葉を区切る
「往きと、帰りに我が男爵家を宿泊所として利用するとのこと
これはもちろん貴族の慣例として断れんにだが
カイン、いや 伯爵はかかりもあろうからと
この革袋に入った金貨を、 開けてみよう」
そういって革袋の紐をほどき机の上にジャラリと開けた
紫鳥の卵ほどの直径で厚さも矢の太さほどあって
それが見たところ100?
「数えてみよう」一つだけ10個の山をこしらえて
後は同じに積むだけ
あっと言う間に10個の山ができた
母のセリーヌは「大金貨・・100枚・・」
「もとてつもなく多いのですが」とセシル
「さて、そのようなわけでまずは支度をせねばならん
ザンダース、やめさせた者たちの再雇用は可能か?
だめなら一時雇でもよい 料理人3人、メイド3人 いや
人数は任せるから直ちに雇ってこさせろ
庭師も3人ほどいるな、今現在屋敷に居る者たちには特別報奨を出すと
伝えろ、伯爵が我が国を出たら渡す、今の給与ひと月分だ
セリーヌ、セシル、明日はカインに会えるぞ また間違えたな
フェルリンド伯爵と奥方のサザランド伯爵だったな
だが、カインはわが愚行を許してくれたのだろうか?」
だが母セリーヌと妹セシルは「「カインのお嫁さんに会える」」
と男爵の思いなどどこ吹く風だった、そして
男爵家は大わらわに両伯爵の宿泊支度に奔走するのだった

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