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イリヤの立場
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そうだ、二人が好きなんだ…どちらかとか選べないほどに二人を愛してる。
可笑しいよな、普通は一人しか愛さないのにこんな浮気性みたいな発言。
フリードもジョーカーも俺を守ってくれた、好きだって言ってくれた、キスされても気持ち悪いと思わなくて…浅ましく求めてしまっていた。
何処に惹かれたか分からない、男なら誰でも好きなんじゃない…アル様は優しい性格でも無理だった気がする。
アル様には悪いけど、俺はフリードやジョーカーに抱いた暖かい気持ちはアル様には抱いていない。
婚約者と言っても親同士が決めた政略結婚だし、お互い利用し合ってるような関係で甘いものとは程遠い。
さすがにホワイト家の企みまで話せないからそれ以外の事を話すとジョーカーは小さく「そうか」と言った。
何だか安心した様子のジョーカーに分かってもらえて良かった。
ジョーカーはアル様の事が嫌いなのか微妙な顔になった。
「イリヤ、短期間の婚約者とはいえアイツになにかされていないか?」
「えっ!?なんで?」
「………いや、何もないならいいんだ」
ジョーカーは俺を不安にさせないようにそう言ってくれたのが分かった。
…言えない、酷い事を既にされたって…
フリードは知ってるんだよな、ジョーカーにも言った方がいいのかな。
いや、わざわざ不快にさせるような事は言わなくていいだろう。
「アルが婚約者なら連れてってもらえないのか?」とジョーカーは不思議そうに首を傾げた。
どうだろう、俺…嫌われてるからなぁ。
それに今はこそ泥だと思われてるし難しいかもしれない。
「まぁフリードはただの口実で、イリヤが見てくれたら惚れ直すくらい頑張れるんだけどな」
「……ジョーカー」
ジョーカーは俺の額に口付けを落とした。
頬が真っ赤になるのが自分でも分かる。
俺も二人を応援したい、説得出来れば行けるだろうか。
名残惜しいがジョーカーとはここでお別れだった。
もっと話したかったな、大丈夫…まだヒロインと本格的に知り合ってないからまだ一緒にいられる。
確実に来る事が分かる別れをただ待っているだけなのがこんなに辛く悲しいものだったなんて知らなかった。
その気持ちが身体を動かしジョーカーの服を掴んだ。
「…イリヤ?」
「ジョーカー…」
「寂しくなった?」
こくんと小さく頷いた。
わがまま言ったらジョーカーに迷惑だって思っているが、俺は自分で自分の気持ちが抑えられなかった。
「そんな可愛い事言われたら我慢できなくなるだろ?」
「我慢?」
「まだダメだ、イリヤが学園に通えるくらい大きくなってからこの続きをしてあげる」
そう言ったジョーカーは俺の手を優しく包み込み引き寄せた。
何をされるのか分かり目蓋を閉じると唇に柔らかい感触がした。
頭がふわふわする、キス…好きだな…勿論好きな人とのキスだけだけど…
この続きってなんだろう、俺の知らない事だろうか。
舌を絡めて撫でられると身体が震えた。
口の隙間から自分の声とは思えないほど甘い声が漏れる。
唇が離された時、息を吐いて熱くなった身体を落ち着かせる。
ジョーカーはそんな俺の頭を撫でる。
「じゃあ行くな」
「…引き止めて、ごめん」
「イリヤならいいよ」
そう言ってジョーカーは天井の黒い空間に入っていった。
我慢しなくていいのに…と思ったが、もしかしたら俺がまだ子供だから出来ない事なのかもしれないと思い言えなかった。
俺とジョーカー達はどのくらいまでいられるんだろう。
学園に入ってすぐならまだ一緒に居てくれるよね。
……思い出をいっぱい作りたいな。
天井を見ながらそう思っていた。
部屋のドアが叩かれて視線を天井からドアに写した。
「イリヤ様、お食事です」
「あ、はい」
錠前も外された音がしてドアを開けると執事が立っていて俺に食事が入ったトレイを持たせた。
そしてそのまま執事は行こうとしたから慌てて引き止めた。
執事は眉を寄せながら俺を見ていた。
きっと今の俺はアル様の婚約者ではなくこそ泥として見られているのだろう。
でも俺はフリードに会いたかった、義母に何を言われても…
俺の事を想ってくれたフリードに俺も応えたい。
「あの、義母様に会わせて下さい…お願いします」
「奥様の事ですか?」
「…は、はい」
「奥様は貴方の顔も見たくないとおっしゃっております、これ以上好き勝手するようならそれ相応の処罰を下すようです」
そう言った執事は少々乱暴にドアを閉めた。
俺は何も言えずただ呆然と閉まったドアを見つめていた。
話もさせてもらえなかった。
俺の事かなり嫌いみたいだ、連れてってもらえる筈はないか。
トレイを机に置いてどうするか考える。
俺が部屋を開けたら食事を運んでくる使用人にバレるだろう。
バレない方法が思い付かない。
でもフリードの試験は見たい。
「…ねぇ、どうしたらいい?」
スノーに呟くとスノーは首を傾げた。
聞いても分からないかと苦笑いして頭を撫でる。
フリードは今試験に備えて忙しいのかな、多分聞かれていないよな。
バレない方法ではなく、誰も部屋に近付かせない方法を考えた方がいいと思った。
用意された食事を一口食べながら考える。
成功するか分からないが、俺の事が嫌いで関わりたくないと思っている使用人ならきっと信じてくれるかもしれない。
それにその日はこの家の家主がいないのも大事だ。
使用人だけの判断には限界があると思っている。
とはいえやった事がないが演技にも自信がない。
ほとんど賭けだ。
チラッと天井を見る…問題はここからどう出るかだ。
椅子一つだけだと届かない、風魔法もろくに使えない…どうしよう。
一生懸命爪先立ちをして背伸びをするがかすりもしない。
うろうろと周りを見渡してベッドに座る。
俺がもうちょっと背が高かったらなぁ…
無い物ねだりしても仕方ない、もう一度試そう。
そしてそれからしばらく無駄な努力をして1日を過ごした。
ずっと背伸びをしていれば身長が伸びるかもしれないという小さな希望を抱きながら…
可笑しいよな、普通は一人しか愛さないのにこんな浮気性みたいな発言。
フリードもジョーカーも俺を守ってくれた、好きだって言ってくれた、キスされても気持ち悪いと思わなくて…浅ましく求めてしまっていた。
何処に惹かれたか分からない、男なら誰でも好きなんじゃない…アル様は優しい性格でも無理だった気がする。
アル様には悪いけど、俺はフリードやジョーカーに抱いた暖かい気持ちはアル様には抱いていない。
婚約者と言っても親同士が決めた政略結婚だし、お互い利用し合ってるような関係で甘いものとは程遠い。
さすがにホワイト家の企みまで話せないからそれ以外の事を話すとジョーカーは小さく「そうか」と言った。
何だか安心した様子のジョーカーに分かってもらえて良かった。
ジョーカーはアル様の事が嫌いなのか微妙な顔になった。
「イリヤ、短期間の婚約者とはいえアイツになにかされていないか?」
「えっ!?なんで?」
「………いや、何もないならいいんだ」
ジョーカーは俺を不安にさせないようにそう言ってくれたのが分かった。
…言えない、酷い事を既にされたって…
フリードは知ってるんだよな、ジョーカーにも言った方がいいのかな。
いや、わざわざ不快にさせるような事は言わなくていいだろう。
「アルが婚約者なら連れてってもらえないのか?」とジョーカーは不思議そうに首を傾げた。
どうだろう、俺…嫌われてるからなぁ。
それに今はこそ泥だと思われてるし難しいかもしれない。
「まぁフリードはただの口実で、イリヤが見てくれたら惚れ直すくらい頑張れるんだけどな」
「……ジョーカー」
ジョーカーは俺の額に口付けを落とした。
頬が真っ赤になるのが自分でも分かる。
俺も二人を応援したい、説得出来れば行けるだろうか。
名残惜しいがジョーカーとはここでお別れだった。
もっと話したかったな、大丈夫…まだヒロインと本格的に知り合ってないからまだ一緒にいられる。
確実に来る事が分かる別れをただ待っているだけなのがこんなに辛く悲しいものだったなんて知らなかった。
その気持ちが身体を動かしジョーカーの服を掴んだ。
「…イリヤ?」
「ジョーカー…」
「寂しくなった?」
こくんと小さく頷いた。
わがまま言ったらジョーカーに迷惑だって思っているが、俺は自分で自分の気持ちが抑えられなかった。
「そんな可愛い事言われたら我慢できなくなるだろ?」
「我慢?」
「まだダメだ、イリヤが学園に通えるくらい大きくなってからこの続きをしてあげる」
そう言ったジョーカーは俺の手を優しく包み込み引き寄せた。
何をされるのか分かり目蓋を閉じると唇に柔らかい感触がした。
頭がふわふわする、キス…好きだな…勿論好きな人とのキスだけだけど…
この続きってなんだろう、俺の知らない事だろうか。
舌を絡めて撫でられると身体が震えた。
口の隙間から自分の声とは思えないほど甘い声が漏れる。
唇が離された時、息を吐いて熱くなった身体を落ち着かせる。
ジョーカーはそんな俺の頭を撫でる。
「じゃあ行くな」
「…引き止めて、ごめん」
「イリヤならいいよ」
そう言ってジョーカーは天井の黒い空間に入っていった。
我慢しなくていいのに…と思ったが、もしかしたら俺がまだ子供だから出来ない事なのかもしれないと思い言えなかった。
俺とジョーカー達はどのくらいまでいられるんだろう。
学園に入ってすぐならまだ一緒に居てくれるよね。
……思い出をいっぱい作りたいな。
天井を見ながらそう思っていた。
部屋のドアが叩かれて視線を天井からドアに写した。
「イリヤ様、お食事です」
「あ、はい」
錠前も外された音がしてドアを開けると執事が立っていて俺に食事が入ったトレイを持たせた。
そしてそのまま執事は行こうとしたから慌てて引き止めた。
執事は眉を寄せながら俺を見ていた。
きっと今の俺はアル様の婚約者ではなくこそ泥として見られているのだろう。
でも俺はフリードに会いたかった、義母に何を言われても…
俺の事を想ってくれたフリードに俺も応えたい。
「あの、義母様に会わせて下さい…お願いします」
「奥様の事ですか?」
「…は、はい」
「奥様は貴方の顔も見たくないとおっしゃっております、これ以上好き勝手するようならそれ相応の処罰を下すようです」
そう言った執事は少々乱暴にドアを閉めた。
俺は何も言えずただ呆然と閉まったドアを見つめていた。
話もさせてもらえなかった。
俺の事かなり嫌いみたいだ、連れてってもらえる筈はないか。
トレイを机に置いてどうするか考える。
俺が部屋を開けたら食事を運んでくる使用人にバレるだろう。
バレない方法が思い付かない。
でもフリードの試験は見たい。
「…ねぇ、どうしたらいい?」
スノーに呟くとスノーは首を傾げた。
聞いても分からないかと苦笑いして頭を撫でる。
フリードは今試験に備えて忙しいのかな、多分聞かれていないよな。
バレない方法ではなく、誰も部屋に近付かせない方法を考えた方がいいと思った。
用意された食事を一口食べながら考える。
成功するか分からないが、俺の事が嫌いで関わりたくないと思っている使用人ならきっと信じてくれるかもしれない。
それにその日はこの家の家主がいないのも大事だ。
使用人だけの判断には限界があると思っている。
とはいえやった事がないが演技にも自信がない。
ほとんど賭けだ。
チラッと天井を見る…問題はここからどう出るかだ。
椅子一つだけだと届かない、風魔法もろくに使えない…どうしよう。
一生懸命爪先立ちをして背伸びをするがかすりもしない。
うろうろと周りを見渡してベッドに座る。
俺がもうちょっと背が高かったらなぁ…
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