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4話
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晴明からの配膳と言葉と、そして明日からの旅の不安に押し潰されそうになっていた。
仕方なく、夕餉を食べながら泣くしかなかった。
こういう時の、時の流れは早い。早々に夜が開け、侍女に身支度を整えられ、二人見送られる。
「晴明、葛葉をしっかり護ってやるのだぞ。男子は、お主しかおらんのだから」
「葛葉、しっかりな」
葛葉に声を掛けたのは、法眼だけだった。側室の女子、正室の嫡男で跡取り。その差は、見送りの時にしっかりと見せつけられた。
藤緒の見送りは許されなかった。建物の中から、娘の事を案じるしかなかった。不憫だが、それが女子の運命だからと飲み込むしかなかった。
けれど、晴明は晴明で優越感を感じている訳では無い。
葛葉を護るのは男子だからではなく、葛葉が本当の跡取りだから。俺は所詮護衛としてでしか必要とされていない、何処に行ってもそうだと。その悔しさで溢れていた。この女が死ねば、消えれば、自分がこの家に収まり、母上も俺も開放される。と、本気で思っていた。陰口さえ、叩かれなくなると。
見送る者までも、陰口を言っているような気がしてならない。
「父上、行って参ります」
晴明と葛葉は屋敷に向かい、軽く会釈した。
二人歩き出す旅路は、ずっと長い。
二人は、朝からずっと無言のまま歩いた。少し休みたくて、葛葉が声を上げても晴明は聞いてはくれない。晴明に合わせて極力休みながら歩いてはいたが、夕方頃になり、慣れない長時間の移動のため足の痛みに耐えきれずにとうとう動けなくなって泣き出した。
自分自身に術を使う気にもなれず、茂みの中で一人泣きながら蹲った。山の中で、日が沈みそうだ。もういい、このまま野犬にでも喰われて死ねればどれだけいいかと考えていた。
一刻(2時間)程して、晴明が葛葉の元に戻ってきた。
「……ピーピー泣くな」
晴明も、根っから悪い人間では無い。寧ろ、葛葉への恨み辛みがなければ、優しい子だった。松兵衛を気にかけて肩を揉んでやったり、富子を気にして薬草を煎じてみたり、使用人の仕事をこっそり手伝ってやったりと。だから、本当の意味で心を閉ざして突き放す事など出来はしないのだ。
「日が暮れると危ない。早く山を降りねば」
「……晴明殿、一人でお行きください。私は、もう歩けません」
見れば、つま先に血が滲んでいた。晴明の中で、罪悪感が生まれた。
「悪かったな」
ぽつんと呟いた、晴明の本音だった。
「何故、晴明殿は私をそこまでお嫌うのでしょうか? 私の何がお嫌いなのでしょう?」
罪悪感に少ししょんぼりとしていた晴明が、カッとなった。それを言わせるのか、と叫ぶように。
「お前のせいで、俺がどんな思いをしてきたか……母上も、俺も……お前さえいなかったら、せめてお前も術が使えなければ……」
葛葉も耳にはしていた。晴明は、跡取りにして術が使えない。跡取りの器ではないと言うのは、酷い物言いだと思いながら聞いていた。
「私だって、好きで使えるのではありません。母上から、幼い頃から言われて参りました。どんなに術が使えようと、女子である私は跡取りにはなれないと。それに、母上が晴明殿と同じような立場でしたから。母上は、晴明殿の事を心底案じ、私にはそう言い聞かせて来たのです。私だって跡取りなど望んではいません」
「望んでおらんでも、そうなるのが跡取りというものだ」
葛葉は、泣くしかなかった。こんなに嫌われてまで、跡等継ぎたくなかった。
こうしている間にも、日はどんどんと暮れていく。
「葛葉殿、早く山を降りねば。いきなり野宿になってしまうぞ」
葛葉は泣いたまま、顔を上げない。
「ほら、おぶってやるから」
「……晴明殿だけでお行きください。私は、ここで野犬にでも喰われます。その方が、晴明殿も私も幸せになれます」
「やけくそになるな」
「やけくそにもなります」
クソッと悪態をつくと、根負けした晴明はその場で火を起こし始めた。幸いにも、天気は良い。雲から顔を出した三日月の光が、眩しいくらいに闇を照らし始めた。
この先を独りで行くのも切ない話だ。どんなに強がっても人の子である晴明にも、恐怖や不安はある。ましてや、初めての旅、初めての野宿。
「俺も少し反省するから、いい加減泣くのは止めてくれ。本当に野犬が来たらどうするんだ」
先程まで気丈に見せていた晴明の、不安そうな声に葛葉は少し笑いが込み上げてきた。ようやく泣きやみ、晴明が焚き火で温めた干し芋を口にした。
「事が終わるまでは、上辺だけでも仲良くしよう」
晴明なりの、仲直りだった。
「はい」
葛葉への恨み辛みが晴れた訳でもないけれど、そうする他選択肢も無いわけで。
葛葉はこっそりと、自分の足の傷を自分で治した。
母、藤緒の言葉を思い出した。お互い誤解があるかもしれないというあれだ。本当にそうかもしれないと思った。
どんなに冷たい態度であっても、結局はこうして戻ってきてくれて、そばに居てくれる。
「火を焚いていれば、少しは動物避けにもなるだろう。俺が見てるから、葛葉殿は少し眠った方がいい。明日も野宿は御免被る」
「それでは、晴明殿が」
「俺は体力はあるから、俺の心配はよい」
葛葉は、晴明の言う通りにした。折角少しばかり距離が近くなったのだ。自分から壊すこともないだろうと。
「では、何かございましたら、御遠慮なく起こしてください。おやすみなさいまし」
葛葉は、あっという間に眠りに落ちた。それを晴明は少し羨ましいと思う。
起きていると言ったものの、本来守られた空間の中で、温かい布団でしか寝たことの無い晴明は、到底野宿など出来ないと思っていた。そこに朝まで佇むのも抵抗感があるが、ましてや寝るなど。女子とは不思議なものだと首を傾げた。
パチパチと燃える薪と、暗闇にゆらゆら揺れる炎。何故こんな目にと思うものの、怒る気にもなれない。今日は疲れたと彼なりに思う。
眠れるはずがないと思いつつ、気付けば晴明も眠っていた。
朝方、肩の冷えに葛葉の目が覚めた。見ていると言った晴明が、傍らで眠っており、その足元の火はとっくに消えていた。掛け布団代わりにしていた自分の羽織を、晴明には掛けた。
葛葉なりに薪になりそうな小枝を集めると、そこに手を翳せば容易く炎が上がった。せめて、朝餉くらいはと、葛葉は包の中から藤緒が持たせてくれた乾燥した餅を取り出して炙った。餅が次第に柔らかくなり、ぷっくりと膨れた所で晴明の目が覚めた。
「あ、おはようございます。今、朝餉を」
晴明の頭は、暫くぼんやりとしてから整い出した。
ああ、眠っていたんだ。偉そうにしておいて……。
何だか妙に恥ずかしくなり、顔を背けた。
「どうぞ」
葛葉の差し出した餅を受け取った。こんな物を持ってきていたんだと、口にした。
「まだございますよ」
「いや、いい。この先長いのだから、取っておこう」
「はい」
「今日こそは、村に行ってまともなものを食おう」
鰻が食べたい。卵が食べたい。肉が食べたい。魚が食べたい。
普段、なんとなく口にしている物ですら、恋しくなる。こんな粗末な食事も初めてなのだ。
「帰りたくはないか?」
ふと、葛葉に尋ねた。
「そう思ってしまったら、この先が余計辛くなりますから」
藤緒の受け売りだ。
「そうか、ならいい」
晴明は残りの餅を食べると、すくりと立ち上がった。
「もう、足はいいのか? 行くぞ」
「はい」
葛葉も急いで、それに続いた。
辛くて苦しくてしんどくなったら、無理をしなくてもいいと皆が言ってくれる。陰口を叩かれ、外を歩くのが辛かったら、松兵衛が庇ってくれて外に出なくてもいいと言ってくれた。
仕方なく、夕餉を食べながら泣くしかなかった。
こういう時の、時の流れは早い。早々に夜が開け、侍女に身支度を整えられ、二人見送られる。
「晴明、葛葉をしっかり護ってやるのだぞ。男子は、お主しかおらんのだから」
「葛葉、しっかりな」
葛葉に声を掛けたのは、法眼だけだった。側室の女子、正室の嫡男で跡取り。その差は、見送りの時にしっかりと見せつけられた。
藤緒の見送りは許されなかった。建物の中から、娘の事を案じるしかなかった。不憫だが、それが女子の運命だからと飲み込むしかなかった。
けれど、晴明は晴明で優越感を感じている訳では無い。
葛葉を護るのは男子だからではなく、葛葉が本当の跡取りだから。俺は所詮護衛としてでしか必要とされていない、何処に行ってもそうだと。その悔しさで溢れていた。この女が死ねば、消えれば、自分がこの家に収まり、母上も俺も開放される。と、本気で思っていた。陰口さえ、叩かれなくなると。
見送る者までも、陰口を言っているような気がしてならない。
「父上、行って参ります」
晴明と葛葉は屋敷に向かい、軽く会釈した。
二人歩き出す旅路は、ずっと長い。
二人は、朝からずっと無言のまま歩いた。少し休みたくて、葛葉が声を上げても晴明は聞いてはくれない。晴明に合わせて極力休みながら歩いてはいたが、夕方頃になり、慣れない長時間の移動のため足の痛みに耐えきれずにとうとう動けなくなって泣き出した。
自分自身に術を使う気にもなれず、茂みの中で一人泣きながら蹲った。山の中で、日が沈みそうだ。もういい、このまま野犬にでも喰われて死ねればどれだけいいかと考えていた。
一刻(2時間)程して、晴明が葛葉の元に戻ってきた。
「……ピーピー泣くな」
晴明も、根っから悪い人間では無い。寧ろ、葛葉への恨み辛みがなければ、優しい子だった。松兵衛を気にかけて肩を揉んでやったり、富子を気にして薬草を煎じてみたり、使用人の仕事をこっそり手伝ってやったりと。だから、本当の意味で心を閉ざして突き放す事など出来はしないのだ。
「日が暮れると危ない。早く山を降りねば」
「……晴明殿、一人でお行きください。私は、もう歩けません」
見れば、つま先に血が滲んでいた。晴明の中で、罪悪感が生まれた。
「悪かったな」
ぽつんと呟いた、晴明の本音だった。
「何故、晴明殿は私をそこまでお嫌うのでしょうか? 私の何がお嫌いなのでしょう?」
罪悪感に少ししょんぼりとしていた晴明が、カッとなった。それを言わせるのか、と叫ぶように。
「お前のせいで、俺がどんな思いをしてきたか……母上も、俺も……お前さえいなかったら、せめてお前も術が使えなければ……」
葛葉も耳にはしていた。晴明は、跡取りにして術が使えない。跡取りの器ではないと言うのは、酷い物言いだと思いながら聞いていた。
「私だって、好きで使えるのではありません。母上から、幼い頃から言われて参りました。どんなに術が使えようと、女子である私は跡取りにはなれないと。それに、母上が晴明殿と同じような立場でしたから。母上は、晴明殿の事を心底案じ、私にはそう言い聞かせて来たのです。私だって跡取りなど望んではいません」
「望んでおらんでも、そうなるのが跡取りというものだ」
葛葉は、泣くしかなかった。こんなに嫌われてまで、跡等継ぎたくなかった。
こうしている間にも、日はどんどんと暮れていく。
「葛葉殿、早く山を降りねば。いきなり野宿になってしまうぞ」
葛葉は泣いたまま、顔を上げない。
「ほら、おぶってやるから」
「……晴明殿だけでお行きください。私は、ここで野犬にでも喰われます。その方が、晴明殿も私も幸せになれます」
「やけくそになるな」
「やけくそにもなります」
クソッと悪態をつくと、根負けした晴明はその場で火を起こし始めた。幸いにも、天気は良い。雲から顔を出した三日月の光が、眩しいくらいに闇を照らし始めた。
この先を独りで行くのも切ない話だ。どんなに強がっても人の子である晴明にも、恐怖や不安はある。ましてや、初めての旅、初めての野宿。
「俺も少し反省するから、いい加減泣くのは止めてくれ。本当に野犬が来たらどうするんだ」
先程まで気丈に見せていた晴明の、不安そうな声に葛葉は少し笑いが込み上げてきた。ようやく泣きやみ、晴明が焚き火で温めた干し芋を口にした。
「事が終わるまでは、上辺だけでも仲良くしよう」
晴明なりの、仲直りだった。
「はい」
葛葉への恨み辛みが晴れた訳でもないけれど、そうする他選択肢も無いわけで。
葛葉はこっそりと、自分の足の傷を自分で治した。
母、藤緒の言葉を思い出した。お互い誤解があるかもしれないというあれだ。本当にそうかもしれないと思った。
どんなに冷たい態度であっても、結局はこうして戻ってきてくれて、そばに居てくれる。
「火を焚いていれば、少しは動物避けにもなるだろう。俺が見てるから、葛葉殿は少し眠った方がいい。明日も野宿は御免被る」
「それでは、晴明殿が」
「俺は体力はあるから、俺の心配はよい」
葛葉は、晴明の言う通りにした。折角少しばかり距離が近くなったのだ。自分から壊すこともないだろうと。
「では、何かございましたら、御遠慮なく起こしてください。おやすみなさいまし」
葛葉は、あっという間に眠りに落ちた。それを晴明は少し羨ましいと思う。
起きていると言ったものの、本来守られた空間の中で、温かい布団でしか寝たことの無い晴明は、到底野宿など出来ないと思っていた。そこに朝まで佇むのも抵抗感があるが、ましてや寝るなど。女子とは不思議なものだと首を傾げた。
パチパチと燃える薪と、暗闇にゆらゆら揺れる炎。何故こんな目にと思うものの、怒る気にもなれない。今日は疲れたと彼なりに思う。
眠れるはずがないと思いつつ、気付けば晴明も眠っていた。
朝方、肩の冷えに葛葉の目が覚めた。見ていると言った晴明が、傍らで眠っており、その足元の火はとっくに消えていた。掛け布団代わりにしていた自分の羽織を、晴明には掛けた。
葛葉なりに薪になりそうな小枝を集めると、そこに手を翳せば容易く炎が上がった。せめて、朝餉くらいはと、葛葉は包の中から藤緒が持たせてくれた乾燥した餅を取り出して炙った。餅が次第に柔らかくなり、ぷっくりと膨れた所で晴明の目が覚めた。
「あ、おはようございます。今、朝餉を」
晴明の頭は、暫くぼんやりとしてから整い出した。
ああ、眠っていたんだ。偉そうにしておいて……。
何だか妙に恥ずかしくなり、顔を背けた。
「どうぞ」
葛葉の差し出した餅を受け取った。こんな物を持ってきていたんだと、口にした。
「まだございますよ」
「いや、いい。この先長いのだから、取っておこう」
「はい」
「今日こそは、村に行ってまともなものを食おう」
鰻が食べたい。卵が食べたい。肉が食べたい。魚が食べたい。
普段、なんとなく口にしている物ですら、恋しくなる。こんな粗末な食事も初めてなのだ。
「帰りたくはないか?」
ふと、葛葉に尋ねた。
「そう思ってしまったら、この先が余計辛くなりますから」
藤緒の受け売りだ。
「そうか、ならいい」
晴明は残りの餅を食べると、すくりと立ち上がった。
「もう、足はいいのか? 行くぞ」
「はい」
葛葉も急いで、それに続いた。
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