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68話
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麒麟邸に霊獣の名を持つ全員が集まったのが、その日の深夜だった。無論、子供達も集まっていた。部屋には、まだ子達しかいない。
そこに旬介も藤治も、痛々しい包帯姿で陳列していた。
「ごめん」
しゅん、として誤る紗々丸の背後から鼻でわらう声がした。
「情けないですね。五霊獣の跡継ぎが、それで勤まると?? やはり、自分が将来統括する方が間違いないでしょう」
と、甲蔵が突っかかった。
自分が怒る前に、ムッとした旬介に気付いた藤治が、溜め息をついた。
(また、始まった)
藤治の予想通り、旬介が反論する。
「何処から声がするかと思ったら……小さ過ぎて見えなかった」
確かに、少しばかりだが旬介の方が身長は高い。
「麒麟領もおしまいですね、そんな節穴な目だから悪党も倒せなかったと見える」
「戦ってすらない弱虫に、言われてくもないね。どうせ逃げてたんだろ!」
そろそろ止めるべきか、藤治が立ち上がろうとしたところで麒麟を先頭に、大人達が部屋へと入ってきた。それに伴って、恐縮するように2人も大人しく陳列した。
「これから、五霊獣会議じゃ」
黄龍の静かな声がその場に響く。
話を始めたのは麒麟から。
「単刀直入に言おう。泰親が蘇った。其の姿は、玄武と白虎が確認したそうだ。そして、この度全ての祠が破壊された事で恐らく富子も蘇ったと考えていいだろう」
珍しくも真面目な麒麟の声に、その場の空気が凍り付いたように張り詰めた。
「……誰?」
と、子供達皆の言葉を代弁したかのように旬介がポツリと漏らし、大人達の視線が一斉に向けられた。
「旬介」
黄龍の表情の無い声が呼んだ。
「ごめんなさい」
「よいよい」
黄龍は、決して怒った訳では無い。子供達には別の架空の物語や偽りの存在でそれを教えてきたから、今更どう説明すればよいか迷っただけだった。まさか、こんな事態になるとは……それが、正直なところだ。
「本当の事を話さんとな」
と、黄龍が続けた。
「お前は最近会ってないから覚えとるか知らんが、葛葉様と蜃様という私達の母上と兄上がいる。お前達からしたら、祖母と叔父にあたる人だ。その叔父である蜃様の父上、お前達の祖父の母……お前達からしたら曾祖母がこの元凶だ。簡単に言えば、曾祖母は鬼なのだ」
「え?」
突拍子が無さすぎて、旬介一同ぽかんと顔を傾けた。
「無理はないがな。曾祖母は鬼であり、かつて2度もこの里を滅ぼそうとした。その都度、犠牲を出しながら曾祖母は何度も封印されたのだ。それがこの度、再三甦ったとみえる。さあて、どうするかなと言うのが今回のお題だよ」
黄龍が頭を抱えているのがよくわかる。
「また封印するのでしょうか?」
負けじと、甲蔵が問うた。代わりに、父である玄武が答えた。
「それをこれから話し合うとこなのだ」
「私達は一体何を!?」
甲蔵が張り切るので、それを麒麟が遮った。
「どうさせようかな、子達をね。いっそ、母上の家に預けてしまうか……老人の介護経験も、年寄りの茶飲み相手も大切な仕事だから……痛っ!」
黄龍が麒麟をどついた。
「貴様の隠蔽の為に、子を利用するな! 全く、お前と言う奴は」
「黄龍よ、冗談はさておき。これが一番安全だとは思わんか?」
話がなんとなく読めた、と甲蔵は慌てて反論した。
「父上達は、私達……いいえ、私が役に立たないとお思いですか? 私は毎日修行は怠っていないつもりです! それは、父上に比べればまだまだだとは承知しますが、何かお手伝いくらいは出来るかと」
「ならん」
と、玄武は間も空けずに一喝した。
「なぜ!」
「だから、お前は子供だというのだ」
言われ、甲蔵は分からないと顔を顰めた。
「俺達に何かあったら、里はどうなる? 跡取りだという自覚を忘れるな! 死んでも生きろ」
「そしたら、ゾンビだ」
ぽつんと青龍が呟いた。玄武の顔が一瞬引きつった。
「……仰る……通り。でしゃばりました」
と、甲蔵は頭を深く下げた。
相変わらず、出来た子だなと黄龍はどこかで感心していた。ちらりと目配せする旬介は、ほげーっと座っている。子供の頃の麒麟を思い出し、少しだけ笑えた。
「? 黄龍、どうした?」
麒麟の質問に、黄龍はわざとらしく咳払いすると、なんでもないと話を変えた。
「朱雀からも話があるようだ」
急に黄龍が話を振るので、不意をつかれた朱雀はぽかんとしていた。
「え? 話? なんの事だ?」
「小競り合いの話だ」
「あー! ああ、忘れておったわ」
手のひらを拳でポンと叩いて、朱雀はしゃんと座り直した。
「外からの噂だ。豊臣軍がなにやら企んでおって、この辺り一体をも巻き込まれる戦がおこなわれるかもしれんと。武器がアホほど売れる。忍びに注意してくれ」
玄武が意見した。
「そうなる前に、めぼしい殿様にでも出向いておいて、脅すかなにかして先に手を打って置いた方がいいんじゃないか?」
「脅すって……あいわかった。この件は、私が預かろう」
黄龍の意見を否定するものはいない。
「それはさておき、この問題。葛葉様にはどのタイミングで報告するか」
白虎の意見に、麒麟の顔が苦虫を噛み潰したように歪んだ。
「そう……そうさなあ……」
何をしてるのだとどやされそうだ、と思った時、庭の草木がざわめいた。
「なんか、来たみたい」
しれっと話題を変えようとした麒麟の襟元を、黄龍が掴んだ。
「いい加減にしろ! だからお前は詰めが甘いと言うのだ。この問題、どう考えても私らだけでおさめられるものでは無かろうが」
呆れたように咎める黄龍を、まあまあと言わんばかりに麒麟が抑えた。
「否、本当になんか来たんだって。分からんか、この気が」
言われてみれば、むんとしたような重々しい空気が屋敷を覆っている。
「一波乱ありそうだな」
と、玄武が呟いた矢先だった。ひゅん! と麒麟の目の前を何かが鋭い何かが通り過ぎ、それを紙一重で避けたが、ふわりと揺れた前髪が少しばかり切れて落ちた。
「うわっ!」
思わず声が出て、咄嗟にその前髪を抑えてはみたが、目立つ程ではなかったために、今度は安堵の息が出た。
「麒麟よ、安心してる場合ではないぞ」
「あーーー!」
旬介のまだ声変わり前の甲高い声が響く。
旬介の指さす先には、1匹のイタチが唸りながらいた。
「あれだ! 俺達に変な呪いかけたやつ!」
玄武の胸に熱いものがせり上がり、思わず口を塞いだ。逆流は辛うじて抑えたが、胸糞悪い。
「父上?」
甲蔵が敏感にそれを察し、心配そうに近付いた。
「大丈夫だ! お前は下がってろ」
不必要なまでに、玄武が彼を庇ってみせた。
「これはこれは、皆さんお揃いで。実に話が早い。最も、私が差し向けた事なんですけど」
遠い昔聞いた、あの声がした。声の主は、皆の前に煙のように現れてみせた。
「お久しぶりです。さて、実に何十年振りなのでしょう? 覚えておりますか」
最後の一言に、表情はなく、敢えて言うなら凍てつくようにさえ感じた。その場にいた全員の背筋が凍った。
そのあまりの威圧感に、子供達は知らず知らずと自分の母親の近くに寄っていた。
「あの時の子供が、実にまあ立派になりましたね。親にまでなるとは、本当に時が過ぎるのは実に早い……」
泰親は、表情もなく笑ってみせた。
「どうやって……」
何とか、麒麟の口から出た質問だった。
「封印を解いたか、ですか?」
泰親は、くくくと笑った。
「本当に、地獄のような日々でしたよ。動けず、死ねず、飢えと渇きと縛りによる痛み……思い出しただけで、八つ裂きにしてやりたくなるほど怨みしかない。ですが、神というものがあるならば、それは私達に味方をしたのです。それが、望まれず産み落とされた子。子は私達の為に、成長してくれたのですよ。そして、その感謝を込めて。私はあなた方に素晴らしい贈り物を持ってきました」
そこに旬介も藤治も、痛々しい包帯姿で陳列していた。
「ごめん」
しゅん、として誤る紗々丸の背後から鼻でわらう声がした。
「情けないですね。五霊獣の跡継ぎが、それで勤まると?? やはり、自分が将来統括する方が間違いないでしょう」
と、甲蔵が突っかかった。
自分が怒る前に、ムッとした旬介に気付いた藤治が、溜め息をついた。
(また、始まった)
藤治の予想通り、旬介が反論する。
「何処から声がするかと思ったら……小さ過ぎて見えなかった」
確かに、少しばかりだが旬介の方が身長は高い。
「麒麟領もおしまいですね、そんな節穴な目だから悪党も倒せなかったと見える」
「戦ってすらない弱虫に、言われてくもないね。どうせ逃げてたんだろ!」
そろそろ止めるべきか、藤治が立ち上がろうとしたところで麒麟を先頭に、大人達が部屋へと入ってきた。それに伴って、恐縮するように2人も大人しく陳列した。
「これから、五霊獣会議じゃ」
黄龍の静かな声がその場に響く。
話を始めたのは麒麟から。
「単刀直入に言おう。泰親が蘇った。其の姿は、玄武と白虎が確認したそうだ。そして、この度全ての祠が破壊された事で恐らく富子も蘇ったと考えていいだろう」
珍しくも真面目な麒麟の声に、その場の空気が凍り付いたように張り詰めた。
「……誰?」
と、子供達皆の言葉を代弁したかのように旬介がポツリと漏らし、大人達の視線が一斉に向けられた。
「旬介」
黄龍の表情の無い声が呼んだ。
「ごめんなさい」
「よいよい」
黄龍は、決して怒った訳では無い。子供達には別の架空の物語や偽りの存在でそれを教えてきたから、今更どう説明すればよいか迷っただけだった。まさか、こんな事態になるとは……それが、正直なところだ。
「本当の事を話さんとな」
と、黄龍が続けた。
「お前は最近会ってないから覚えとるか知らんが、葛葉様と蜃様という私達の母上と兄上がいる。お前達からしたら、祖母と叔父にあたる人だ。その叔父である蜃様の父上、お前達の祖父の母……お前達からしたら曾祖母がこの元凶だ。簡単に言えば、曾祖母は鬼なのだ」
「え?」
突拍子が無さすぎて、旬介一同ぽかんと顔を傾けた。
「無理はないがな。曾祖母は鬼であり、かつて2度もこの里を滅ぼそうとした。その都度、犠牲を出しながら曾祖母は何度も封印されたのだ。それがこの度、再三甦ったとみえる。さあて、どうするかなと言うのが今回のお題だよ」
黄龍が頭を抱えているのがよくわかる。
「また封印するのでしょうか?」
負けじと、甲蔵が問うた。代わりに、父である玄武が答えた。
「それをこれから話し合うとこなのだ」
「私達は一体何を!?」
甲蔵が張り切るので、それを麒麟が遮った。
「どうさせようかな、子達をね。いっそ、母上の家に預けてしまうか……老人の介護経験も、年寄りの茶飲み相手も大切な仕事だから……痛っ!」
黄龍が麒麟をどついた。
「貴様の隠蔽の為に、子を利用するな! 全く、お前と言う奴は」
「黄龍よ、冗談はさておき。これが一番安全だとは思わんか?」
話がなんとなく読めた、と甲蔵は慌てて反論した。
「父上達は、私達……いいえ、私が役に立たないとお思いですか? 私は毎日修行は怠っていないつもりです! それは、父上に比べればまだまだだとは承知しますが、何かお手伝いくらいは出来るかと」
「ならん」
と、玄武は間も空けずに一喝した。
「なぜ!」
「だから、お前は子供だというのだ」
言われ、甲蔵は分からないと顔を顰めた。
「俺達に何かあったら、里はどうなる? 跡取りだという自覚を忘れるな! 死んでも生きろ」
「そしたら、ゾンビだ」
ぽつんと青龍が呟いた。玄武の顔が一瞬引きつった。
「……仰る……通り。でしゃばりました」
と、甲蔵は頭を深く下げた。
相変わらず、出来た子だなと黄龍はどこかで感心していた。ちらりと目配せする旬介は、ほげーっと座っている。子供の頃の麒麟を思い出し、少しだけ笑えた。
「? 黄龍、どうした?」
麒麟の質問に、黄龍はわざとらしく咳払いすると、なんでもないと話を変えた。
「朱雀からも話があるようだ」
急に黄龍が話を振るので、不意をつかれた朱雀はぽかんとしていた。
「え? 話? なんの事だ?」
「小競り合いの話だ」
「あー! ああ、忘れておったわ」
手のひらを拳でポンと叩いて、朱雀はしゃんと座り直した。
「外からの噂だ。豊臣軍がなにやら企んでおって、この辺り一体をも巻き込まれる戦がおこなわれるかもしれんと。武器がアホほど売れる。忍びに注意してくれ」
玄武が意見した。
「そうなる前に、めぼしい殿様にでも出向いておいて、脅すかなにかして先に手を打って置いた方がいいんじゃないか?」
「脅すって……あいわかった。この件は、私が預かろう」
黄龍の意見を否定するものはいない。
「それはさておき、この問題。葛葉様にはどのタイミングで報告するか」
白虎の意見に、麒麟の顔が苦虫を噛み潰したように歪んだ。
「そう……そうさなあ……」
何をしてるのだとどやされそうだ、と思った時、庭の草木がざわめいた。
「なんか、来たみたい」
しれっと話題を変えようとした麒麟の襟元を、黄龍が掴んだ。
「いい加減にしろ! だからお前は詰めが甘いと言うのだ。この問題、どう考えても私らだけでおさめられるものでは無かろうが」
呆れたように咎める黄龍を、まあまあと言わんばかりに麒麟が抑えた。
「否、本当になんか来たんだって。分からんか、この気が」
言われてみれば、むんとしたような重々しい空気が屋敷を覆っている。
「一波乱ありそうだな」
と、玄武が呟いた矢先だった。ひゅん! と麒麟の目の前を何かが鋭い何かが通り過ぎ、それを紙一重で避けたが、ふわりと揺れた前髪が少しばかり切れて落ちた。
「うわっ!」
思わず声が出て、咄嗟にその前髪を抑えてはみたが、目立つ程ではなかったために、今度は安堵の息が出た。
「麒麟よ、安心してる場合ではないぞ」
「あーーー!」
旬介のまだ声変わり前の甲高い声が響く。
旬介の指さす先には、1匹のイタチが唸りながらいた。
「あれだ! 俺達に変な呪いかけたやつ!」
玄武の胸に熱いものがせり上がり、思わず口を塞いだ。逆流は辛うじて抑えたが、胸糞悪い。
「父上?」
甲蔵が敏感にそれを察し、心配そうに近付いた。
「大丈夫だ! お前は下がってろ」
不必要なまでに、玄武が彼を庇ってみせた。
「これはこれは、皆さんお揃いで。実に話が早い。最も、私が差し向けた事なんですけど」
遠い昔聞いた、あの声がした。声の主は、皆の前に煙のように現れてみせた。
「お久しぶりです。さて、実に何十年振りなのでしょう? 覚えておりますか」
最後の一言に、表情はなく、敢えて言うなら凍てつくようにさえ感じた。その場にいた全員の背筋が凍った。
そのあまりの威圧感に、子供達は知らず知らずと自分の母親の近くに寄っていた。
「あの時の子供が、実にまあ立派になりましたね。親にまでなるとは、本当に時が過ぎるのは実に早い……」
泰親は、表情もなく笑ってみせた。
「どうやって……」
何とか、麒麟の口から出た質問だった。
「封印を解いたか、ですか?」
泰親は、くくくと笑った。
「本当に、地獄のような日々でしたよ。動けず、死ねず、飢えと渇きと縛りによる痛み……思い出しただけで、八つ裂きにしてやりたくなるほど怨みしかない。ですが、神というものがあるならば、それは私達に味方をしたのです。それが、望まれず産み落とされた子。子は私達の為に、成長してくれたのですよ。そして、その感謝を込めて。私はあなた方に素晴らしい贈り物を持ってきました」
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