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数ヶ月後...
言葉通り父は上に進言してくれ、パーティはなんと公爵家によって開かれることになった。
そんな都合よくいくことなんてある!?さすがはゲームの中の世界。
パーティは今日から2日間開かれるらしい。ムゲンに少しでも悪い印象を与えていけないので、洋服も使用人に選んでもらい、髪もいい感じにセットしてもらった。
僕は前世でも今世でもファッションセンスに恵まれなかったよ…。トホホ…。
ムゲンの好きなブルーローズをポケットに入れ、再度鏡を見直す。
うん、こんなに素敵な洋服を着せられて馬子に衣装になっているか心配だったが、少なくとも浮くような仕上がりにはなっていないだろう。大丈夫だ。
お時間ですよ、リョウお坊ちゃま。と御者が声をかけてくる。
「やめてよお坊ちゃまなんて。恥ずかしいよ...」
「無茶言わないでくださいお坊ちゃま。私は雇われの身なのです。」
困った顔をして御者が言う。
前世が一般人だった僕にはお坊ちゃまという言葉はくすぐったすぎる...。変えて欲しいと何度が言ったのだがそうもいかないらしい。
僕は馬車に乗り込むとゆったりと背もたれに体を預け、窓から街を見た。
ムゲンはなんのアイテムが好きだろうか。攻略対象者達のは全て暗記しているのだが、畜生ムゲンが主人公のため、そういう情報が一切ないのだ。
唯一知っているのはパッケージに描いてあったブルーローズが好きであるという情報だけ。
「はぁぁ...大丈夫かなぁ...」
もちろん攻略対象者達との恋愛や結婚が必ずしもムゲンを幸せにするとは限らな
い。彼ならどこでも活躍でき、素晴らしい功績を残し、幸せな人生をあゆめるだろう。
でもここがblゲームの世界である以上、彼らとの交流で少なくともムゲンが損をすることはないのだ。
そのため非力ではあるが、僕が架け橋とならなければいけない。
想像以上に重い責任(自分が勝手に思ってるだけ)に思わずため息が漏れる。
そんなことを考えているうちに真横の扉が開く。
「お坊ちゃま、着きましたよ。入口までご案内いたします」
「あぁ、ありがとうございます」
...着いてしまった。
一度に人が何百人も通れそうなどデカい門の前に経つ。
今回のパーティは公爵家主催とはいえ、あくまで内輪的なものなのだ。そのため、門をくぐる人もまばらである。
「それではいってらっしゃいませ」
「うん、いってきます」
そうだ、ここからは一人なのだ。両親も兄様も使用人達もいない。小さい頃から(前世の頃から)出不精の僕はあまり社交界の場には参加したことがなく、こういう場は初めてなのだ。
ふぅ、と一息付き、覚悟を決めて門をくぐる。
確か会場は門をくぐった左手にある舞踏館だったはず...。
先程までまばらにいたご子息、ご令嬢はもうおらず、僕は急いで舞踏館に入った。
言葉通り父は上に進言してくれ、パーティはなんと公爵家によって開かれることになった。
そんな都合よくいくことなんてある!?さすがはゲームの中の世界。
パーティは今日から2日間開かれるらしい。ムゲンに少しでも悪い印象を与えていけないので、洋服も使用人に選んでもらい、髪もいい感じにセットしてもらった。
僕は前世でも今世でもファッションセンスに恵まれなかったよ…。トホホ…。
ムゲンの好きなブルーローズをポケットに入れ、再度鏡を見直す。
うん、こんなに素敵な洋服を着せられて馬子に衣装になっているか心配だったが、少なくとも浮くような仕上がりにはなっていないだろう。大丈夫だ。
お時間ですよ、リョウお坊ちゃま。と御者が声をかけてくる。
「やめてよお坊ちゃまなんて。恥ずかしいよ...」
「無茶言わないでくださいお坊ちゃま。私は雇われの身なのです。」
困った顔をして御者が言う。
前世が一般人だった僕にはお坊ちゃまという言葉はくすぐったすぎる...。変えて欲しいと何度が言ったのだがそうもいかないらしい。
僕は馬車に乗り込むとゆったりと背もたれに体を預け、窓から街を見た。
ムゲンはなんのアイテムが好きだろうか。攻略対象者達のは全て暗記しているのだが、畜生ムゲンが主人公のため、そういう情報が一切ないのだ。
唯一知っているのはパッケージに描いてあったブルーローズが好きであるという情報だけ。
「はぁぁ...大丈夫かなぁ...」
もちろん攻略対象者達との恋愛や結婚が必ずしもムゲンを幸せにするとは限らな
い。彼ならどこでも活躍でき、素晴らしい功績を残し、幸せな人生をあゆめるだろう。
でもここがblゲームの世界である以上、彼らとの交流で少なくともムゲンが損をすることはないのだ。
そのため非力ではあるが、僕が架け橋とならなければいけない。
想像以上に重い責任(自分が勝手に思ってるだけ)に思わずため息が漏れる。
そんなことを考えているうちに真横の扉が開く。
「お坊ちゃま、着きましたよ。入口までご案内いたします」
「あぁ、ありがとうございます」
...着いてしまった。
一度に人が何百人も通れそうなどデカい門の前に経つ。
今回のパーティは公爵家主催とはいえ、あくまで内輪的なものなのだ。そのため、門をくぐる人もまばらである。
「それではいってらっしゃいませ」
「うん、いってきます」
そうだ、ここからは一人なのだ。両親も兄様も使用人達もいない。小さい頃から(前世の頃から)出不精の僕はあまり社交界の場には参加したことがなく、こういう場は初めてなのだ。
ふぅ、と一息付き、覚悟を決めて門をくぐる。
確か会場は門をくぐった左手にある舞踏館だったはず...。
先程までまばらにいたご子息、ご令嬢はもうおらず、僕は急いで舞踏館に入った。
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