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sideムゲン
出会いは武道館のテラスでだった。
彼はベンチの背もたれに体を預けながらこちらを見たかと思うとこちらをキラキラした目で見つめてきた。
いつも通り柔和な姿勢で話す。彼は社交の場が初めだったようで人酔いしていたらしい。
俺はいつあれが来るかと身構えていた。
俺は公爵家の時期当主が約束された身でありながら、魔力も多く、勉学や運動も人並み以上にでき、容姿も整っていたらしい。
そんな俺に気に入られようと老若男女問わず、たくさんの人が俺をお膳立てし、ゴマをすっていた。
こいつもどこかの家から俺と交流を持てと言われて来たんだろう。
才能やら天才やらは言われ慣れてる。こいつはどんな平凡なことを言うのだろうと考えていた。
その時までは。
「人が出来ていることが一番の魅力だと思います!」
「ムゲン様は人一倍努力していますよ!」
そんなことを言われたのは、自分の内面を見てくれていたのは初めてだった。
嘘かもしれない。おべっかかもしれない。でも俺はもうその時には彼に惹かれていた。
なんとか彼と仲良くなりたくてタメ口を勧め、お茶会に誘ってみると彼は嬉しそうな顔をして喜んでくれた。
お茶会は明日にしよう。明日なら伯爵家が馬車を用意する時間はないはず。そしたら一緒に馬車に乗って行けるんじゃないか?
そうと決まったら招待状を書こう。公爵家からの、断っては行けないところからであると強調させて。
計画通り、翌日は彼と馬車で行くことが出来た。敬語に戻っていたのは残念だったけど、お願いと称してタメ口にしてもらうことにした。
我が家に着くまでの間、改めて自己紹介などをしていたが、1時間ほどたって彼がうつらうつらしてきた。
どうやら朝が早くてら眠いらしい。眠気と戦いながら柔らかい口調で話してくれる彼がとても可愛かった。
その後もエスコートに照れてくれたり、家を褒めてくれたりと楽しい時間を過ごしながら俺のお気に入りの場所へと向かう。
彼はちょっと頬を赤らめながらチョコレートケーキが好きであると教えてくれ、どこで買っているのかと聞いてきた。
もし分からなかったら彼はチョコレートケーキの為にここに来るという理由ができる。そう考え、わざと知らないふりをし、家に来たらと誘ってみた。次はいつもよりも多くチョコレートケーキを発注しよう。
何時間か経ち、打ち解けてきた頃に彼が帰る時間だと言った。
名残惜しくて送っていくと言ったが、生憎もう伯爵家の馬車が来ていたらしい。……何時間停まっていたんだ…?
悲しみに暮れながらも今日のお礼と次のお誘いをすると彼が不意に胸ポケットのブルーローズを取り出し、それを俺に渡した。
恥ずかしがりながらそれを渡してくる彼がどうも可愛くって内心ドキドキしながらブルーローズを受け取り、ぼーっとしながら彼を見送った。
今日は今までの人生の中でいちばん素敵な日だった。きっとこれからも更新されていくだろう。
無読詠唱でブルーローズに時止めの魔術をかける。これでこの花は金輪際枯れることはない。
今日で分かった。彼はきっと俺の運命の人だ。俺と彼は赤い糸で結ばれている。だから……
「君は俺のだよ、リョウ。いつか絶対君を捕まえて僕のものにするから」
それまで待っててね。
出会いは武道館のテラスでだった。
彼はベンチの背もたれに体を預けながらこちらを見たかと思うとこちらをキラキラした目で見つめてきた。
いつも通り柔和な姿勢で話す。彼は社交の場が初めだったようで人酔いしていたらしい。
俺はいつあれが来るかと身構えていた。
俺は公爵家の時期当主が約束された身でありながら、魔力も多く、勉学や運動も人並み以上にでき、容姿も整っていたらしい。
そんな俺に気に入られようと老若男女問わず、たくさんの人が俺をお膳立てし、ゴマをすっていた。
こいつもどこかの家から俺と交流を持てと言われて来たんだろう。
才能やら天才やらは言われ慣れてる。こいつはどんな平凡なことを言うのだろうと考えていた。
その時までは。
「人が出来ていることが一番の魅力だと思います!」
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そんなことを言われたのは、自分の内面を見てくれていたのは初めてだった。
嘘かもしれない。おべっかかもしれない。でも俺はもうその時には彼に惹かれていた。
なんとか彼と仲良くなりたくてタメ口を勧め、お茶会に誘ってみると彼は嬉しそうな顔をして喜んでくれた。
お茶会は明日にしよう。明日なら伯爵家が馬車を用意する時間はないはず。そしたら一緒に馬車に乗って行けるんじゃないか?
そうと決まったら招待状を書こう。公爵家からの、断っては行けないところからであると強調させて。
計画通り、翌日は彼と馬車で行くことが出来た。敬語に戻っていたのは残念だったけど、お願いと称してタメ口にしてもらうことにした。
我が家に着くまでの間、改めて自己紹介などをしていたが、1時間ほどたって彼がうつらうつらしてきた。
どうやら朝が早くてら眠いらしい。眠気と戦いながら柔らかい口調で話してくれる彼がとても可愛かった。
その後もエスコートに照れてくれたり、家を褒めてくれたりと楽しい時間を過ごしながら俺のお気に入りの場所へと向かう。
彼はちょっと頬を赤らめながらチョコレートケーキが好きであると教えてくれ、どこで買っているのかと聞いてきた。
もし分からなかったら彼はチョコレートケーキの為にここに来るという理由ができる。そう考え、わざと知らないふりをし、家に来たらと誘ってみた。次はいつもよりも多くチョコレートケーキを発注しよう。
何時間か経ち、打ち解けてきた頃に彼が帰る時間だと言った。
名残惜しくて送っていくと言ったが、生憎もう伯爵家の馬車が来ていたらしい。……何時間停まっていたんだ…?
悲しみに暮れながらも今日のお礼と次のお誘いをすると彼が不意に胸ポケットのブルーローズを取り出し、それを俺に渡した。
恥ずかしがりながらそれを渡してくる彼がどうも可愛くって内心ドキドキしながらブルーローズを受け取り、ぼーっとしながら彼を見送った。
今日は今までの人生の中でいちばん素敵な日だった。きっとこれからも更新されていくだろう。
無読詠唱でブルーローズに時止めの魔術をかける。これでこの花は金輪際枯れることはない。
今日で分かった。彼はきっと俺の運命の人だ。俺と彼は赤い糸で結ばれている。だから……
「君は俺のだよ、リョウ。いつか絶対君を捕まえて僕のものにするから」
それまで待っててね。
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